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島娘!!〜波間を駆ける少女たち〜  作者: れんP


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第三十九話 空より降る災厄


ここは《島海学園》。


海に沈んだ世界で、島娘たちが暮らし、人々を守るために戦う海上拠点だ。


島海学園防衛戦。


戦いは誰も予想しなかった領域へ達していた。


死したマリンモンスターたちを取り込み、変異した超大型。


三つの頭。


六本の腕。


学園の校舎を見下ろすほどの巨体。


そして。


空から降り注ぐ無数のマリンモンスター。


「そんな……」


九州は呆然と夜空を見上げた。


赤い光。


流星群のように降ってくるそれらは次々と海面へ着水し、新たな怪物となって現れる。


「空からなんて反則だよぉ!」


西表島が叫ぶ。


佐渡島も顔を青くしていた。


「か、数が……」


沖縄本島が歯を食いしばる。


「全員、上空警戒!」


対馬も叫ぶ。


「飛行型だ!」


その時だった。


バサァァッ!!


巨大な翼を持つ新種のマリンモンスターが前線へ飛び込んできた。


島娘の一人が襲われる。


「きゃあっ!」


しかし。


ズバァッ!!


「危ない」


大剣が閃く。


直島だった。


飛行型の首が切り落とされる。


「直島先輩!」


九州が声を上げる。


だが直島の表情は険しかった。


白い光を纏っているとはいえ、呼吸が荒い。


先ほどの戦いで消耗しているのだ。


そして。


キシャァァァァァァァ!!


変異した超大型が咆哮する。


次の瞬間。


ドゴォォォン!!


六本の腕のうち二本が海へ叩きつけられる。


巨大な津波。


「まずい!」


種子島が叫ぶ。


沖縄本島が飛び出す。


「防げ!」


屋久島。


奄美大島。


淡路島。


多くの島娘たちが力を合わせる。


それでも。


津波は巨大だった。


島海学園へ迫る。


「学園が!」


九州の顔が青ざめる。


その瞬間。


ドォォォォン!!


島海学園周辺に青い光が広がった。


巨大な壁。


「結界!?」


司令室。


観測員が叫ぶ。


『防壁システム起動!』


司令官が静かに頷く。


「間に合ったか」


学園に残された最後の防衛設備。


島海障壁。


かつて人類が作り上げた対マリンモンスター用防御システムだった。


津波は結界に阻まれる。


だが。


ピシッ。


嫌な音。


「え?」


九州が目を見開く。


青い壁に亀裂。


そして。


ピシピシピシッ!!


「うそ……」


耐え切れない。


変異した超大型の一撃が強すぎた。


司令室でも悲鳴が上がる。


『障壁出力低下!』


『六十パーセント!』


『五十五!』


司令官の顔が険しくなる。


「駄目か……」


その時。


戦場の後方。


海面を滑る影があった。


「急げ!」


「間に合ってくれ!」


「もう少し!」


新たな島娘たちだった。


壱岐島。


礼文島。


小豆島。


隠岐島。


与論島。


遠征任務に出ていた島娘たちが次々と帰還してきたのである。


「増援だ!」


歓声が上がる。


九州も目を輝かせた。


「みんな!」


「遅れてごめん!」


「まだ終わってないよ!」


新たな仲間たちが前線へ加わる。


だが。


変異した超大型は止まらない。


赤い瞳が光る。


そして。


三つの口が同時に開いた。


沖縄本島の表情が変わる。


「全員離れろ!」


直島も気付く。


「まずい」


次の瞬間。


キシャァァァァァァァ!!


三本の漆黒の光線。


海。


空。


そして。


島海学園。


それぞれへ向かって放たれる。


「学園!」


九州が叫ぶ。


だが間に合わない。


誰もが絶望した。


その時。


「……全く」


聞き覚えのない声。


戦場全体に響く。


「少し留守にしていたら、随分と派手なことになっているね」


全員が振り向く。


遠く。


月明かりの海。


そこに一人の少女が立っていた。


長い髪。


黒い軍服。


そして腰には二本の刀。


司令室。


その姿を見た司令官が目を見開く。


「まさか……」


沖縄本島が驚愕する。


対馬も。


種子島も。


直島でさえ目を見開いた。


「帰ってきたのか……」


九州は知らない。


西表島も。


佐渡島も。


その少女を知らない。


だが。


先輩たち全員が息を呑んでいた。


そして少女は微笑む。


「ただいま、島海学園」


「私が帰ってきたからには、もう大丈夫だよ」


彼女の足元で。


二つの島核が眩く輝き始めていた。


二つの島核。


本来あり得ない。


島娘は一つしか持てないはず。


その異常な光景に、戦場の誰もが言葉を失った。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

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