表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
島娘!!〜波間を駆ける少女たち〜  作者: れんP


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
27/46

第二十六話 島海学園料理大会



ここは《島海学園》。


海に沈んだ世界で、島娘たちが暮らし、人々を守るために戦う海上拠点。


文化祭も終わり、大掃除も終わり、学園には再び穏やかな日々が流れていた。


ある日の昼休み。


九州たちは食堂で昼食を食べていた。


「おいしい~」


西表島が魚の煮付けを頬張る。


佐渡島は静かにご飯を食べていた。


九州も穏やかな時間を楽しんでいる。


その時だった。


食堂中央の放送スピーカーから音が流れる。


『全島娘へ連絡』


食堂が静かになる。


『本日の放課後、食堂主催による料理大会を開催する』


一瞬の沈黙。


そして。


「料理大会!?」


あちこちから声が上がる。


九州も驚いた。


『優勝者には特製海鮮パフェ無料券十枚を贈呈』


その瞬間。


西表島が立ち上がった。


「出る!!」


「早い!?」


九州が驚く。


海鮮パフェ十枚に釣られていた。


放課後。


食堂特設会場。


予想以上に多くの島娘が集まっていた。


長机が並び、調理器具が準備されている。


司会は食堂のおばちゃんだった。


「今日のテーマは魚料理!」


歓声が上がる。


島海学園らしい内容だった。


「では参加者紹介!」


まず西表島。


「優勝するよー!」


次に淡路島。


「任せて!」


対馬。


「料理は得意だ!」


種子島。


「ほどほどに頑張るよ」


奄美大島。


「楽しもうかな」


そして。


九州。


「え、えっと……頑張ります!」


拍手が起きる。


佐渡島は参加しないらしい。


観客席で応援担当だった。


「がんばって……」


小さく手を振る。


そして大会開始。


「スタート!」


一斉に調理が始まる。


包丁の音。


焼く音。


煮る音。


食堂は一気に賑やかになった。


九州は魚の照り焼きを作ることにした。


実家で少し料理をした経験がある。


丁寧に下処理を行う。


味付けも慎重。


失敗はしたくない。


隣を見る。


淡路島は勢いで料理していた。


「えーい!」


「雑じゃない!?」


九州が驚く。


さらに隣。


西表島。


「ふふふ」


なぜか笑っている。


鍋の中から紫色の煙が出ていた。


「何作ってるの!?」


「秘密!」


全然秘密にした方がいい状態だった。


対馬は意外にも上手だった。


包丁さばきも綺麗。


手際も良い。


「すごい……」


九州が感心する。


対馬は少し照れた。


「遠征先で自炊してるからな」


なるほど。


経験者だった。


種子島は淡々と料理している。


無駄がない。


見ているだけで上手だと分かった。


そして奄美大島。


「んー」


のんびりしている。


しかし完成品は異様に美味しそうだった。


「なんで!?」


九州は驚く。


料理上手が多かった。


一時間後。


ついに審査の時間。


完成した料理が並ぶ。


どれも美味しそうだった。


ただし一つを除いて。


「……」


「……」


「……」


西表島の料理である。


見た目が危険だった。


黒い。


煙が出ている。


少し動いている気がする。


「これは?」


審査員のおばちゃんが聞く。


「魚スペシャル!」


「何が入ってるの?」


「色々!」


絶対危険だった。


まずは九州の照り焼き。


審査員たちが食べる。


「おいしい!」


「丁寧だね」


九州はほっとした。


次に対馬。


「これは上手い!」


高評価。


種子島。


「完成度が高い」


さらに高評価。


奄美大島。


「うまっ!」


会場がざわつく。


かなりの強敵だった。


そして。


問題の西表島。


全員が見守る。


審査員が一口。


数秒後。


「ごほっ!?」


吹き出した。


「だめだこれ!」


会場は大爆笑だった。


西表島本人だけ納得していない。


「なんでー!?」


結果発表。


第三位。


九州。


「やった!」


思わず笑顔になる。


第二位。


対馬。


「惜しいな」


そして。


優勝。


奄美大島。


大きな拍手が響く。


奄美大島は少し驚いた顔をしていた。


「まさか勝つとは」


本人も予想外だったらしい。


そして。


特別賞。


「西表島」


「やったー!」


喜ぶ。


『勇気賞』


会場が再び笑いに包まれた。


「勇気賞って何!?」


九州も笑う。


夕方。


大会は無事終了した。


みんなで残った料理を食べる。


勝敗はあった。


でも楽しい時間だった。


「次は負けない!」


西表島が言う。


「まず料理を覚えよう?」


九州が突っ込む。


笑い声が響く。


窓の外では夕日が海を赤く染めていた。


平和な日常。


かけがえのない時間。


しかしその頃。


島海学園の司令室では緊張が高まっていた。


観測班からの報告書が次々と届いている。


《大型マリンモンスター群確認》


《進路不明》


《超大型反応継続》


司令官は静かに海図を見つめる。


嵐はまだ来ない。


だが確実に近付いていた。


そして九州たちは、その事実をまだ知らないままだった。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ