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島娘!!〜波間を駆ける少女たち〜  作者: れんP


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第二十二話 文化祭前日の大騒動


ここは《島海学園》。


海に沈んだ世界で、島娘たちが暮らし、人々を守るために戦う海上拠点。


《島海交流祭》開催まで、あと一日。


学園全体が慌ただしく動いていた。


朝。


九州が教室へ入ると、すでに多くの島娘たちが準備を始めていた。


机は端へ寄せられ、教室はすっかり展示室の姿になっている。


貝殻展示コーナー。


海洋生物紹介コーナー。


沈没前の世界を紹介する海図展示。


漂着物展示。


昨日までとは比べ物にならないほど完成度が高かった。


「すごい……」


九州は思わず感心する。


すると。


「おはよー!」


西表島が元気よく飛び込んできた。


その後ろには佐渡島もいる。


「お、おはよう……」


「今日で完成だね!」


九州も笑顔になる。


文化祭前日。


いよいよ大詰めだった。


その時。


ガラッ。


教室の扉が開く。


先生だった。


「お前たち」


みんなが振り向く。


先生は腕を組みながら言った。


「展示用の大型水槽がまだ届いていない」


教室が静まる。


「え?」


九州が固まる。


大型水槽。


それは海洋生物展示コーナーの目玉だった。


それがないとかなり困る。


先生は続ける。


「海上都市の倉庫に届いているらしい」


「誰か受け取ってこい」


その瞬間。


西表島が手を挙げた。


「はいはーい!」


九州も続く。


「私も行きます!」


佐渡島も小さく手を挙げる。


「わ、私も……」


先生は頷いた。


「よし」


こうして三人はお使い任務を任されることになった。


数十分後。


海上都市アクアポート。


三人は補給倉庫へ到着していた。


受付の人が笑顔で迎える。


「あぁ、島海学園の子たちか」


「はい!」


「例の水槽ならあそこだよ」


指差された先を見る。


そして。


三人は固まった。


「大きい……」


九州が呟く。


想像以上だった。


巨大だった。


普通の教室の窓くらいある。


「これ運ぶの?」


西表島が引きつった笑顔になる。


受付の人は笑顔だった。


「うん」


絶望。


その一言だった。


結局。


三人で巨大水槽を運ぶことになる。


「お、重い……」


九州が歯を食いしばる。


「むりぃぃぃ……」


西表島が泣きそうになっている。


佐渡島も必死だった。


「が、がんばる……」


海上を滑りながら慎重に進む。


落としたら大惨事である。


しかし。


途中で事件は起きた。


「わっ!?」


西表島が何かに躓く。


ぐらっ。


水槽が傾いた。


「きゃあっ!」


九州が慌てる。


落ちる。


そう思った瞬間だった。


バシャァッ!!


横から白い影が飛び込んできた。


直島だった。


巨大水槽を片手で支える。


「大丈夫?」


「直島先輩!」


九州が驚く。


直島は平然としていた。


「気を付けて」


それだけ言う。


まるで重さを感じていないようだった。


西表島が呆然としている。


「すご……」


佐渡島も目を丸くしていた。


その後。


直島も運搬を手伝ってくれることになった。


結果。


帰り道はかなり楽になった。


やはり先輩は強かった。


昼過ぎ。


無事に島海学園へ帰還。


教室ではみんなが拍手で迎えてくれた。


「おぉー!」


「届いた!」


「助かった!」


九州たちは達成感でいっぱいだった。


そして。


展示準備再開。


水槽へ魚を入れる。


飾り付けをする。


説明文を貼る。


忙しい。


だが楽しかった。


その途中。


また新しい島娘が顔を出した。


「へぇー」


のんびりした声。


振り返る。


そこにいたのは長い黒髪を結んだ少女だった。


「誰?」


西表島が聞く。


少女は少し笑う。


「私は奄美大島」


九州が目を輝かせる。


また新しい島娘だった。


奄美大島は展示を見回しながら頷く。


「なかなかいい出来」


「本当ですか!?」


九州が嬉しそうに聞く。


「うん」


奄美大島は微笑む。


「来場者も喜ぶと思う」


その言葉でみんなのやる気がさらに上がった。


夕方。


ようやく準備が終わる。


教室は見違えるほど変わっていた。


立派な展示室。


文化祭会場。


海をテーマにした小さな博物館。


九州は中央に立つ。


そして周囲を見渡した。


「完成だぁ……」


思わず呟く。


西表島が机へ突っ伏した。


「疲れたー!」


「私も……」


佐渡島もへたり込む。


みんな疲れていた。


でも。


表情は明るい。


達成感があった。


その時。


窓の外から夕日が差し込む。


海が赤く輝く。


明日はいよいよ文化祭。


島海学園最大のお祭りの日。


九州は少し胸を高鳴らせていた。


どんな一日になるのだろう。


そんな期待に包まれながら。


夜。


学園の灯りが少しずつ消えていく。


しかしその頃。


誰もいない司令室では、新たな緊急報告が届いていた。


《超大型マリンモンスター反応確認》


《前回観測時よりエネルギー量増大》


《周辺海域に大型個体群集結中》


赤い警告画面が静かに点滅する。


嵐の前の静けさのように。


海は再び、不穏な気配を深めていた。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

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