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島娘!!〜波間を駆ける少女たち〜  作者: れんP


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第十五話 海上都市おつかい作戦



ここは《島海学園》。


海に沈んだ世界で、島娘たちが暮らし、学び、そして人々を守る海上拠点。


超大型マリンモンスターの襲来から数日が経った。


警戒は続いているものの、大きな異常はなく、学園には再び穏やかな日常が流れていた。


昼休み。


九州たちは食堂で昼食を食べていた。


海鮮シチュー。


焼き魚。


海藻サラダ。


海の上らしい献立である。


「おいしい〜!」


九州が笑顔になる。


西表島はすでに二杯目だった。


「今日のシチュー当たりだね〜!」


「イリエちゃん食べるの速い……」


佐渡島が少し驚いている。


その時だった。


館内放送が流れる。


《生活支援任務募集》


《海上都市アクアポートへの補給支援》


《参加希望者は事務室まで》


九州が顔を上げた。


「生活支援任務?」


「たまにあるやつだね〜」


西表島がスプーンをくるくる回す。


「戦闘じゃなくてお手伝い!」


「そうなんだ」


佐渡島も頷く。


「物を運んだり、人を手伝ったり……」


九州の目が少し輝いた。


戦闘ではない任務。


少し興味がある。


「やってみたいなぁ」


すると西表島も笑う。


「行こ行こ!」


「わ、私も行く……」


こうして三人は事務室へ向かった。


数十分後。


島海学園外周海域。


三人は先生から任務説明を受けていた。


「今回の任務は海上都市アクアポートへの物資輸送補助だ」


先生が説明する。


「危険区域ではないため戦闘任務ではない」


九州がほっとする。


先生は小型コンテナを指差した。


「これを届けるだけだ」


「簡単そう!」


西表島が笑う。


先生は少し嫌な笑みを浮かべた。


「そう思うだろう?」


三人が顔を見合わせる。


なんだか嫌な予感がした。


十分後。


「重いぃぃぃぃ!!」


九州が叫ぶ。


コンテナは想像以上に重かった。


島娘は力が強い。


だがそれでも重い。


西表島も引っ張りながら叫ぶ。


「聞いてないよぉぉ!!」


「はぁ……はぁ……」


佐渡島も息を切らしている。


どうやら中には整備部品や機械類が大量に入っているらしい。


海上を滑りながら運ぶため落とすこともできない。


九州は必死だった。


「これ訓練じゃない!?」


「先生絶対わざとだー!」


西表島が抗議する。


しかし先生は後方から平然としていた。


「気のせいだ」


絶対違う。


三人は同じことを思った。


やがて遠くに都市が見えてくる。


海上都市アクアポート。


巨大な浮体構造物を繋げて作られた居住区だ。


住宅。


市場。


工場。


港湾施設。


様々な建物が海上に並んでいる。


「わぁ……!」


九州が目を輝かせた。


初めて見る海上都市。


人々が行き交い、子供たちが遊んでいる。


戦いとは無縁の日常。


それがそこにはあった。


「すごいね……」


「私ここ好き〜」


西表島が笑う。


三人は補給所へ到着した。


コンテナを引き渡す。


すると作業員のおじさんが笑顔になった。


「助かったよ!」


「いえ!」


九州も嬉しくなる。


戦うだけじゃない。


こうやって人を助けることも島娘の仕事なのだ。


補給所を出ると自由時間になった。


「やったー!」


西表島が飛び跳ねる。


「少し見て回っていいって!」


三人は都市を歩き始めた。


市場には魚介類が並ぶ。


雑貨屋。


服屋。


工具店。


様々な店がある。


九州は興味津々だった。


「あっ」


雑貨屋の前で立ち止まる。


そこには小さな貝殻細工が並んでいた。


綺麗だった。


海色の装飾。


小さな船の置物。


西表島も覗き込む。


「かわいい〜!」


「ほんとだね」


佐渡島も微笑む。


その時だった。


「きゃーっ!」


突然子供の声が響いた。


三人が振り返る。


小さな男の子が浮き桟橋で転びそうになっていた。


海へ落ちそうだ。


九州は反射的に動いた。


バシャッ!


一瞬で滑走。


男の子を抱き上げる。


そのまま安全な場所へ着地した。


「だ、大丈夫!?」


男の子は目をぱちぱちさせる。


そして。


「すごーい!」


満面の笑顔。


九州は少し照れた。


「えへへ……」


男の子の母親も駆け寄ってくる。


「ありがとうございます!」


「いえ!」


九州は慌てて首を振る。


だが嬉しかった。


守れた。


ほんの小さなことだけど。


誰かの役に立てた。


西表島が後ろから笑う。


「かっこよかったよ〜!」


「そ、そうかな?」


「うんうん!」


佐渡島も頷いた。


「九州ちゃんらしい……」


夕方。


三人は島海学園へ帰ることになった。


帰り道。


海は夕焼け色に染まっている。


波は穏やかだった。


九州は空を見上げる。


戦いもある。


怖いこともある。


だけど。


守りたいものも確かにある。


海上都市の人々。


笑顔。


日常。


そういうもののために島娘はいるのだ。


そんなことを考えながら滑走していると。


遠くの水平線で何かが一瞬だけ光った。


赤い光。


まるで巨大な目のような。


だが次の瞬間には消えていた。


九州は首を傾げる。


「……気のせいかな?」


そして三人は、夕日に染まる島海学園へ帰っていった。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

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