表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
91/97

没ep.旅立ちの朝

 ついに冒険へ向け、カサリナの町を旅立つ日。

 晴れた空の下、玄関先で、見送りに出た両親を振り返った。

 少し心配そうな父さん。いつもと変わらず明るい笑顔の母さん。


「それじゃあ行ってきます」

「お世話になりました」


 俺達が順に言うと、2人は頷いて答える。


「気をつけて行くんだぞ」

「まぁ、頑張りなさい。応援してるから」


 重みを感じさせる父さんの声と、軽めな母さんの声。


『はい!』


 元気よく答えた時に蓮之介と重なった。両親に背を向け歩き出す。

 2人並んでニーアを迎えに行く。彼女の家まで来た時、大きな涙声が聞こえてきた。


「やっぱり心配だよぉ。行かないで〜」


 おじさんの声だ。宥めるニーアの声も聞こえてくる。


「お父さん、私なら大丈夫です。1人じゃないですし……」

「やだやだ、可愛い娘が見知らぬ地に行くなんて」

「いい加減におしよ。恥ずかしい」


 門前まで来たら、おばさんも交えて大騒ぎしていた。

 娘に縋りつくおじさんを、おばさんが引き剥がそうとしている。


「母さんは心配じゃないのかい? ニーアちゃんはこんなに可愛いんだよ。良からぬ虫がついたら、そのまま帰って来なかったらどうするんだい!」

「お、お父さん」


 ニーアが困惑していた。一方でおばさんは盛大なため息を零す。


「バカな妄想も大概にしな。嫁に出す時は祝福してやりゃあいいのさ」

「あー聞こえない。聞こえなーい」


 手が腕ごと塞がっているから、おじさんは首を振って抵抗する。

 傍目にも往生際が悪い。ついにおばさんが本気の顔になった。


「とにかく離れな。見苦しいったらありゃしない」

「いぎゃあぁぁっ!!」

(あぁ、おじさんがまた……)

「なんというか、ニーアの強さの秘密を見た気がするぜ」


 情けない叫びが響く中で、蓮之介の呟きが虚しく耳に届く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ