第七話 まだ弱い
# 第七話 まだ弱い
暴れ馬の騒ぎがあった翌日、アルトが学校へ行くと、教室へ入る前から何人もの子供に呼び止められた。昨日の出来事は学校中に広まっているらしく、「馬と話したんだって?」「本当に馬の言葉が分かるの?」「七人で馬車を止めたって本当?」と次々に聞かれ、本人が説明するたびに話がさらに広がっていくようだった。
「俺たちだけで馬車を止めたわけじゃないぞ。最後は大人も来たし」
「でもアルトが馬を止めたんでしょ?」
「止めたっていうか、痛がってたから、もう大丈夫だって言っただけ」
「それで止まるの?」
「だから金具が当たらなくなってからだって。痛いままなら止まらなかったと思うぞ」
「やっぱり馬と喋ってるじゃん」
「そう言われるとそうなのかな」
自分でもまだよく分かっていないので、アルトはそれ以上うまく説明できなかった。
ただ、周囲から「すごい」と言われること自体は、少し嬉しかった。火事を見つけたときも、迷子を助けたときも町の人に褒められたが、今回は七人で一緒に動いたこともあり、自分たちが前より少しだけ出来るようになったような気がする。
それでも、アルトの頭の中に一番残っていたのは、成功したことではなかった。
虫たちが逃げ始めた時点でもっと早く原因を調べていれば、馬車が学校の近くまで来る前に大人へ知らせられたかもしれない。鳥に上空から見てもらえないか試すことだって出来たかもしれないし、トウの《探知(小)》と組み合わせれば、もっと早く進路を予想できた可能性もある。
授業中まで時折窓の外を眺めながら考えていると、エレウスが気づいた。
「アルト君、昨日のことを考えているんですか?」
「うん。もっと上手く出来たんじゃないかなって」
「先生は十分よく出来たと思っていますよ」
「でも、もっと早く分かってたら、あんな危ないことしなくてもよかっただろ?」
エレウスは少し考え、それから穏やかに頷いた。
「成功したときほど、もっと良い方法がなかったか考えるのは大切です。ただし、出来なかったことばかりを見る必要もありません。昨日出来たことは、ちゃんと出来たこととして覚えておいてください」
「自分で?」
「はい。他人を褒めるように、自分が出来たことも認めて、そのうえで次に改善すればいいんです」
「なるほど」
「アルト君は研究が好きでしょう?」
「好き」
「なら、昨日の出来事も失敗探しではなく、次にもっと上手くやるための材料だと思えばいいですよ」
「それなら分かる」
アルトは素直に頷いた。
◇
その日の授業が終わり、家へ戻ると、玄関を開けた瞬間にいつもより低い父の声が飛んできた。
「アルト、ちょっと来い」
「ん?」
マックスは店の奥ではなく、すでに裏庭へ出ていた。普段なら仕事へ出る前か、帰宅後の朝夕にしか鍛錬をしないのに、今日は腕を組んだまま待っており、表情も明らかに険しい。
「昨日、学校で馬車が暴走したそうだな」
「うん。誰から聞いたの?」
「そんなことはどうでもいい。お前、走ってる馬車の横まで行ったそうじゃないか」
「でも馬が痛いって言ってて――」
「お前が死んだらどうする!」
普段ほとんど怒鳴らない父の声に、アルトは思わず口を閉じた。
店の中からハイネも出てきたが、今回はマックスを止めようとはしなかった。むしろ腕を組み、少し心配そうな顔で息子を見ている。
「人を助けるなと言ってるんじゃない。困ってる奴を助けようとしたことは偉いと思う。でもな、自分まで死ぬような助け方をするな。お前はまだ七歳なんだぞ」
「でも、あのままだったら小さい子が危なかった」
「だからって、お前が馬車に轢かれたら、父さんや母さんがどう思うか考えたのか?」
そこでアルトは答えに詰まった。
昨日は馬の痛みと、逃げ遅れている子供たちのことしか考えていなかった。自分が怪我をするかもしれないとは思ったものの、もし本当に帰ってこられなくなったら、父や母、タクトやアーニャがどうなるかまでは考えていなかった。
「……ごめん」
マックスの表情が少しだけ緩む。
「分かればいい。アルト、お前は強くなりたいんだろ?」
「うん」
「なんでだ?」
突然聞かれ、アルトは少し考えた。
「強くなるの面白いから」
「それだけか?」
「父さんにもいつか勝ちたいし、魔法も使ってみたい。それと……」
店の入口にいるハイネを見る。
少し離れたところからこちらを覗いているタクトとアーニャもいる。
「みんなが困ってるとき、助けられる方がいい」
「そうだな」
「父さんも母さんも、タクトもアーニャも。ルウとか、町のみんなも」
マックスはゆっくり頷いた。
「なら、自分を守ることも覚えろ。お前がいなくなったら、守れるものも守れなくなる」
「……うん」
「強さってのは、危ないところへ突っ込めることじゃない。危ないと分かったうえで、どうすれば誰も怪我をしないか考えられることも強さだ」
「それ、エレウス先生も似たこと言ってた」
「いい先生だな」
「うん。俺、先生好きだぞ」
「父さんより?」
「それとこれとは別」
「最近その言い方好きだな、お前」
ハイネが横から笑った。
「そこはマックスに似たのかしらね」
「俺そんなこと言うか?」
「言うわよ」
少しだけ家の空気が戻った。
マックスはそれから息子を見て、ふと思い出したように尋ねた。
「ところで、お前、最近自分が結構強くなったと思ってないか?」
「思ってるぞ」
即答だった。
マックスが思わず目を丸くする。
「そこは少しくらい謙遜しろよ」
「だって前より強いし。この前《剣術》のハルトから一本取ったし、父さんの剣も前より見えるぞ」
「そうか」
「それに昨日もみんなで動けた」
「じゃあ、父さんとやってみるか?」
「毎朝やってるじゃん」
「今日は少し違う」
マックスは庭に置いてある木剣を一本取り、自分の肩へ軽く乗せた。
「今までは、お前が練習しやすいようにかなり合わせてた。今日は怪我をさせない範囲で、少しだけ本気でやる」
アルトの目が一気に輝く。
「ほんとに?」
「ああ」
「やる!」
「即答か」
「当たり前だろ!」
「後で泣くなよ」
「泣かないって」
ハイネがため息をついた。
「マックス、本当に怪我させないでよ」
「分かってる。ちょっと現実を見せるだけだ」
「聞こえてるぞ!」
「聞かせてるんだよ」
アルトも自分の木剣を取り、父と向かい合った。
いつもの距離。
いつもの庭。
いつも何百回と見てきた父の構え。
だから今日も、肩、腰、足を見れば分かると思った。
「いつでも来い」
「おう!」
マックスが構える。
アルトは肩を見る。
腰を見る。
足を見る。
(来る)
そう思った瞬間だった。
カンッ!
「え?」
自分の木剣が空を飛んでいた。
アルトは何もなくなった両手を見てから、少し離れた地面へ落ちた木剣を見る。
「……今、何した?」
「もう一回やるか?」
「やる!」
木剣を拾う。
二回目はさっきより集中した。
父の肩を見る。
腰。
足。
動いた。
そう思ったときには、また木剣が飛んでいる。
「もう一回!」
三回目は、弾かれないことだけを意識する。
マックスが一歩出る。
その瞬間、アルトの足が払われ、尻餅をついた。
「痛っ」
「怪我はないな?」
「ない。もう一回」
「まだやるのか?」
「やる」
四回目。
五回目。
六回目。
結果はほとんど変わらなかった。
いつもの父なら、振り始める前に肩や腰が動くのが分かった。ところが、少し本気になっただけで、その予兆を見つけるより先に剣が動き、かわそうとした頃にはもう遅い。攻撃しようとすれば、その前に間合いを外され、無理に踏み込めば簡単に体勢を崩される。
「七回目!」
「まだ数えてるのか」
「当たり前だろ!」
七回目も負ける。
八回目。
九回目。
十回目。
最後は自分から踏み込んだ瞬間に木剣の根元を軽く叩かれ、また手から落とした。
アルトはしばらく何も言わず、地面に落ちた木剣を見ていた。
勝ち、零。
攻撃を当てた回数、零。
まともに避けられた回数、零。
昨日まで、自分はかなり強くなったと思っていた。
実際、強くはなっている。
《剣術》持ちの同級生と戦っても互角以上にやれたし、父のいつもの稽古でも攻撃を避けられる回数が増えている。
けれど、それは父が自分に合わせていた中での話だった。
「……全然見えなかった」
悔しかった。
父が強いことはずっと知っていた。
自分より強いのも当然だと思っている。
それでも、ここまで何も出来ないとは思っていなかった。
「俺、強くなったと思ってた」
「強くなったぞ」
予想していなかった答えに、アルトが顔を上げる。
「でも何にも出来なかったぞ」
「昨日のお前より強くなったことと、父さんより強いかどうかは別の話だ。お前は間違いなく以前より強くなってる。ただ、父さんよりはまだずっと弱い。それだけだ」
「……俺、まだ弱いな」
「七歳なんだから当たり前だ」
「でも悔しい」
「じゃあどうする?」
マックスが聞いた。
アルトはしばらく木剣を見つめていたが、答えそのものにはそれほど時間がかからなかった。
「練習する」
「明日は?」
「やる」
「明後日は?」
「やる」
「一月後は?」
「やるって!」
マックスが笑った。
「ならいい」
「父さん」
「なんだ?」
「最初のやつ、どうやった?」
「そこから聞くのかよ」
「だって何されたか分かんないんだから、分かるまで調べるしかないだろ」
マックスはしばらく息子の顔を見た後、声を上げて笑った。
「お前らしいな。よし、飯の後に少しだけ教えてやる」
「ほんと?」
「ああ」
「じゃあ早く食おう!」
「ちゃんと噛めよ!」
アルトが家へ走って戻っていく。
ハイネはその後ろ姿を見ながら、隣に立つ夫へ小声で言った。
「ちょっと本気出しすぎたんじゃない?」
「怪我しない程度だよ。それより、あいつ、自分より強い奴を見つけて落ち込むどころか、どうやったか聞いてきたぞ」
「昔からでしょう?」
「まあな」
二人は顔を見合わせて笑った。
◇
翌日の放課後、アルトはいつも以上に真剣な顔で木剣を振っていた。
昨日マックスから聞いたことを一つずつ思い出し、剣だけではなく、相手との距離、自分の重心、足の置き方まで意識する。
ブンッ。
足を戻す。
もう一度。
ブンッ。
「アルト君、今日なんか怖い顔してるよ?」
フィーネが弓を持ったまま近づいてきた。
「昨日、父さんにボロ負けした」
「え?」
「十回やって一回も勝てなかった。攻撃も当たらなかったし、まともにかわせもしなかった」
「お父さんなんだから仕方ないんじゃない?」
すぐ近くで型を練習していたレオンも、木剣を下ろした。
「成人の門番であれば、七歳の自分たちが勝てないのは当然であります。アルト殿が落ち込む必要はないと思うであります」
「落ち込んでるっていうより、悔しいんだよ。もっと出来ると思ってた」
「その気持ちは分かるであります」
「レオンも?」
「自分も最近、型だけなら前より綺麗になったと思うであります。しかし実際にアルト殿と打ち合うと、型を気にしすぎて相手を見られなくなるであります」
「そうなの?」
「はいであります。昨日も父に『剣ばかり見て相手を見ていない』と言われたであります」
「ワシもじゃ」
ガルドも木盾を抱えて寄ってくる。
「止まっておれば受けられるんじゃが、動きながらになるとまだすぐ崩れる。五歩までは出来たが、そこからなかなか増えんのう」
「トウも似たようなものだな。うん」
いつの間にかトウも近くにいる。
「一人ならかなり分かる。みんな一緒に動くと、ごちゃごちゃして分からなくなるな。うん」
「わたしも!」
フィーネが少し頬を膨らませる。
「最近三本くらい当たるようになったけど、そこから全然増えないの。昨日なんて二本だったんだよ?」
「うちは回復」
ノエルも静かに加わる。
「小さい傷は少し楽に出来る。でも、それ以上は全然。薬草も覚えたと思ったのに忘れることある」
ルウも手のひらを見ながら口を開いた。
「我も魔力を以前より集めやすくはなったが、毎回同じように出来るわけではない。昨日出来たことが今日は出来ぬこともある」
アルトは全員の顔を順番に見た。
「みんな毎日やってるのにな」
「うん」
フィーネが少し残念そうに弓を見る。
「わたしね、毎日やったら、毎日ちょっとずつ上手くなると思ってた」
アルトはすぐには否定できなかった。
「……俺もそう思ってた」
「お主までか」
「だって、やった分だけ増えると思うじゃん」
「まあ、それは我も少し思っておった」
そこへエレウスが記録帳を持って近づいてきた。
「ちょうど良い話をしていますね」
「先生」
「皆さん、一度これを見てみますか?」
七人が先生の周りへ集まる。
「まずフィーネさんです」
帳面には、弓の記録が並んでいる。
最初の日は十本撃って零。
次は一本。
その次は二本。
三本。
二本。
四本。
また二本。
「ほら。昨日より悪くなっている日もあります」
「ほんとだ……」
「では、最初の一週間と最近の一週間を比べてみましょう」
アルトも横から覗き込む。
最初は零か一本の日がほとんどだった。
最近では二本、三本が普通になり、四本当たった日まである。
「増えてる」
フィーネが小さく言った。
「そうですね」
レオンも同じだった。
昨日より型を崩した日もある。
けれど一月前と比べれば、正しい形で振れる回数は大きく増えている。
ガルドも。
トウも。
ノエルも。
ルウも。
アルト自身もそうだった。
「アルト君の場合、お父さんとの普段の稽古で、攻撃を避けられた回数は一月前よりかなり増えています」
「でも昨日は一回もかわせなかった」
「昨日は、お父さんが条件を変えたんでしょう?」
「うん。ちょっと本気だった」
「なら、同じものとして比べてはいけません。同じ相手でも、相手が強さを変えれば結果も変わります」
「そっか」
「毎日やれば、毎日必ず昨日より良くなるわけではありません。昨日出来たことが今日出来ない日もありますし、何日か、何週間か、ほとんど変わっていないように見えることもあるでしょう」
「じゃあ、意味ない日もあるの?」
フィーネが尋ねる。
「その一日だけを見れば、そう感じる日もあるかもしれません。でも、一月前より出来ることが増えているなら、その間の練習が全部無意味だったとは言えないでしょう?」
「……うん」
「出来なかった日も含めて積み重なっているのだと、先生は思いますよ」
アルトは黙って帳面を見た。
数字が並んでいる。
何本当たった。
何回成功した。
何種類覚えた。
昨日より悪い日もある。
それでも一月前と比べれば、全員が伸びている。
「先生」
「はい?」
「これ、もっと分かりやすく出来ない?」
「例えば?」
「俺が今どれくらい強くて、一月前はどれくらいだったか、一個の数字で分かったら便利じゃん」
エレウスは少し考えた。
「それは難しいですね」
「なんで?」
「剣が上手いことと、走るのが速いこと、周囲に気づけること、魔力を扱えること、知識があることは全部違うからです。人の強さを一つの数字だけで表すのは、先生には難しいと思います」
「そっか……」
「ただ、面白い考え方ですね」
「そう?」
「はい。《演算》では、違うものをどう比べればいいか考えることもありますから。もし方法を思いついたら、一緒に考えてみましょう」
「じゃあ先生も考えてよ」
「先生に宿題ですか?」
「うん」
「仕方ありませんね」
エレウスは笑った。
◇
その日の夕方。
家へ戻ると、マックスは庭で木剣を振っていた。
「今日は休むか?」
「なんで?」
「昨日十回負けたから」
「だからやるんだろ」
「そう言うと思った」
マックスが木剣を構える。
「今日は何回だ?」
「昨日と同じ十回」
「よし。来い」
一回目。
駄目だった。
二回目も、剣を弾かれる。
三回目。
アルトは父の肩だけではなく、腰と足、自分との距離まで同時に見るようにした。
マックスの身体が、ほんのわずかに沈む。
(来る)
そう思った。
次の瞬間、やはり木剣は弾き飛ばされた。
避けられなかった。
受けられなかった。
攻撃も出来なかった。
それでもアルトは、地面へ落ちた木剣を見ながら笑った。
「今の見えた!」
「お?」
「父さんが動く前、ちょっと腰が沈んだ!」
「そこに気づいたか」
「もう一回!」
「昨日まで何も分からなかったのにな」
「だから、もう一回!」
「はいはい」
その日の十回も、アルトは一度も勝てなかった。
攻撃を当てた回数も零。
まともにかわした回数も零。
けれど、夜になって自分の記録をつけるため紙を広げると、昨日とは違うことを一つだけ書き加えた。
父さんとの勝負。
勝ち、零。
当てた、零。
かわした、零。
その下へ、少し大きな字で書く。
見えた、一。
「……増えてる」
アルトは紙を見ながら、少し笑った。
勝ったわけではない。
父との差が縮まったと断言できるほどのことでもない。
昨日まったく分からなかったものが、今日は一度だけ分かった。
たったそれだけである。
それでも、その一つが妙に嬉しかった。
アルトは今日エレウスと話したことを思い出した。
剣なら、当てた回数を数えられる。
弓なら、命中した本数。
薬草なら、覚えた種類。
探知なら、見つけられた人数。
では、自分そのものはどうなのだろう。
剣を毎日振ってきた。
身体も鍛えている。
魔力らしきものを毎日探している。
蟻や鳥とも話せるようになった。
馬とも意思を交わせた。
そういうものを全部合わせたら、自分は今どのくらいまで来ているのだろう。
「人の強さが数字で見えたらなあ……」
紙の上の数字を眺めながら、アルトは呟いた。
もちろん、そんなものが本当に見えるとは思っていない。
ただ、もし見えれば便利なのにと思っただけだった。
その夜も、いつものように眠った。
翌朝。
昨日と同じ時間に庭へ出ると、マックスはすでに木剣を持って待っていた。
「今日もやるのか?」
「聞く必要ある?」
「ないな」
「じゃあやろうぜ」
アルトが木剣を取る。
いつもの父。
いつもの庭。
いつもの朝稽古。
何気なくマックスへ視線を向けた、その瞬間だった。
父の身体の近くへ、見慣れない何かがほんの一瞬だけ浮かんだ。
文字のようにも見えた。
数字のようにも見えた。
「……ん?」
アルトが瞬きをする。
消えた。
「どうした?」
「いや……今、なんか見えたような」
「まだ寝ぼけてるんじゃないか?」
「起きてるって」
アルトはもう一度父を見る。
何もない。
「……まあいいや。やろうぜ」
「ああ。来い」
木剣を構える。
アルトはまだ知らなかった。
何年も相手の動きを観察し、毎日自分の変化を確かめ、出来たことと出来なかったことを数え続けたその先で、今まで誰にも見えなかったものの輪郭が、ほんのわずかに見え始めていたことを。
次回更新は明日の12時の予定です。
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