お仕事完了
「ふー、上手くいきましたね!」
私たちは、宿の下の階にある酒場で食事を取っていた。
ちなみにクラウゼ辺境伯は、このまま帝都に連れ帰って、裁判にかける予定だ。そのため今は見張りをつけて盗賊の捕虜と一緒に捕まっている。
ちなみに盗賊はクラウゼ辺境伯が武器を密輸するのに一部利用していたようで、問いただしたら詳しいことまでベラベラ喋ってくれた。
「だな。シェリーが侯爵令嬢って知ったときの慌てようは壮観だったぞ。」
エリオット様が返答する。
「大体、やたらと爵位にこだわる人間は自分より立場が上の人間には急にヘコヘコし始めますからね。」
「そういや、"シュバルツの悪魔"ってなんだよ?」
「ああ、昔リナを義妹に迎えるときにひと騒動ありまして、そのときついでにやったことが原因であんな変な名前をつけられてしまって…」
「一体何をしたら"悪魔"なんて言われるんだ…」
「大したことはしてないんですけどね。」
「どうだかね…」
「ささ、とにかく食べましょう!」
「…そうだな。」
――――――――
あれから2日後、私たちは帝都の駐屯所まで戻ってきた。
「そんなことがあったとは…シェルシェーレ様、怖い思いをさせてしまい申し訳ない。」
今は騎士団長のアルバート様に定期巡回であったことを説明しているところだ。
「いえいえ、騎士団の方々もいましたし、結果何とかなったので大丈夫です。」
「シェリーはむしろ怖がらせる側だったしな?」
エリオット様がすかさず茶化す。
「…?それはどういう…?」
「いや、なんでもないです!とにかく、大丈夫でしたので!」
「そうですか…?」
ちなみに、クラウゼ辺境伯と盗賊4人は無事捕虜として連れ帰った。
でも辺境伯が予想以上に色々なことに手を出していたらしく、定期巡回に行っていた第7騎士団だけでは対応しきれなかったため、後日他の騎士団にも協力を仰いで大々的に辺境伯の領地を調査するらしい。
また、武器庫から発見された違法武器は、見ただけでもヤバいものばかりだった(特類魔導具や呪法具まであった)ため、次回の調査のときにまとめて帝都に持ってきて、魔法研究所で随時解析していくことになった。
とにかく、私の定期巡回での仕事はこれで終わりだ。
あまり研究所員としての仕事をしなかった気がするけど…まいっか、役には立ったでしょ。




