シェリーお姉様って…?(リナ視点)
シェルシェーレが定期巡回中に色々と奮闘している頃、義妹のリナはいつも通りの毎日を送っていた。
「ふー、朝はここまでかな…」
私は朝の勉強を終え、盛大に背伸びをする。一息ついてから、朝食を食べにダイニングへ向かった。
「あ、おはようリナ!」
ダイニングにたどり着くと、ルーカスお兄様が既にお座りになっていた。
「おはようございます…」
「なんだ、眠そうだな?また朝早くから勉強してたのか?」
「はい…中々勉強が思うように進まなくて…」
私は今、後宮の経理や整備のお仕事をするために、会計学や経営学を学んでいる。でも今まであまりお勉強をしてこなかった分、色々うまくいかないことも多くて、最近は睡眠時間が減ってしまっている。
「まあそんなに焦んなくてもいいんじゃねえのか?別にすぐ仕事しろって言われてる訳じゃないんだろ?」
「大体5年後を目処に準備を進めればいいと、オスカル様が…」
「なんだよ、5年もあるならこれからどうとでもなるだろ!」
ルーカスお兄様は笑顔でそう言いながら、私の背中を軽くポンッと叩く。
「それは、そうなんですが…やっぱりシェリーお姉様と比べると進みが遅くて…」
たまにシェリーお姉様がお勉強なさっている所を見たときは、私なんかよりももっとサクサク進めていたのに…
「いや、それはシェリーがおかしいだけだから気にするな。」
ルーカスお兄様が急に真顔になる。
「あいつはその気になれば分厚い本を1度読むだけで内容を丸暗記できるようなやつだぞ?そんなのを基準にしてたら身が持たん。」
「あの、でも…」
「いいか?勉強するときシェリーのことは忘れろ。何かあれば俺が教えてやるから。」
「えっと、はい、ありがとうございます…」
そんなにシェリーお姉様を参考にしちゃダメなのかな…?
そういえば、オスカル殿下も同じようなことをおっしゃっていたな…
―― 数日前 ――
今から数日前、私はお城へと出向き、オスカル様にお会いした。
「リナ、待っていたぞ。」
「お邪魔致します。」
オスカル様は私のおでこにキスをして抱きしめてから、私室へと迎え入れてくださる。そして、私たちは同じソファに横並びになって座った。
「3日ほど会えなかったが元気にしていたか?」
「はい!1日でも早くオスカル様のお役に立てるように、勉強を頑張っておりました。」
「そうかそうか、偉いなリナは。」
オスカル様が私の頭を撫でる。オスカル様はいつもこうして私に優しくしてくださる。
「だが、無理は禁物だぞ?まだ時間はたっぷりあるのだ、気長にやるといい。」
「はい、ありがとうございます…」
「…どうした?何かあったのか?」
「い、いえそういう訳では無いのですが……勉強は頑張っているのですが、シェリーお姉様の代わりが務まるのかが不安で…」
「なんだ、そんなことか。」
「……?」
「何も心配することは無い。リナはこの調子で頑張ればちゃんと後宮の仕事を任せられるようになる。シェルシェーレが化け物じみているだけで、君も十分優秀だよ。」
「それなら良いのですが…」
「…まさか、シェルシェーレに何か無理難題を押し付けられたりしていないだろうな?」
「いえ、それは大丈夫です!たまに理解度を確かめるために課題を出してくださるのですが、ちょうど私が頑張れば分かるくらいの難易度で為になりますし…」
「そうか、それならいいんだが…」
――――――
ルーカスお兄様もオスカル様も、シェリーお姉様とお勉強のことで何かあったのかな…?今度、それとなく聞いてみよう。




