状況の確認
盗賊に捕まった私とエリオット様は、近くにあった地下室の牢屋に2人揃って閉じ込められていた。
「まいったな…」
エリオット様がつぶやく。
「すみません、私が油断したばかりに…」
「シェリーは何も悪くねえよ、これは周りを警戒できていなかった俺のミスだ。…それより、怪我はねえか?」
エリオット様は私の体をポンポン触って確認しながら聞いてくる。
「あ、はい。大丈夫です。」
「それなら良かった…」
エリオット様は安堵の表情を浮かべる。
「エリオット様の方こそ大丈夫でしたか?」
「ああ、俺も大丈夫だ。」
「良かったです。」
「にしても、どうするかねこの状況…」
私たちは2人とも同じ牢屋に入れられていて、見張りはいない。
エリオット様は手足も特に拘束されてないけど、私の腕には手錠がつけられたままだ。
「剣は取られちまったし、何故か魔法使えねえんだよな…かろうじて手から少し魔力が出るくらいだ。」
「恐らく、この牢屋の中全体に魔封じの魔法が使われているんだと思います。なのでエリオット様は出られれば使えるようになると思いますよ。」
「俺はって…ああ、シェリーはそれのせいで使えないのか。」
エリオット様は私の腕の手錠を見る。
「はい…恐らく鉄に魔封石の粉末が混ざっているんだと思います。なので出られても上手く逃げられるかどうか…」
「…よし、ちょっと見せてみろ。」
「え?はい…」
見せたところでどうなるんだろう…?
エリオット様は手錠の輪の部分を両手で持つと、力を入れ始めた。まさか…!?
バキッ!!……バキッ!!
カランカラン…
「よし、これでいいだろ。」
「えぇ…」
なんと、手錠を手で引きちぎってしまった。
混ぜ物がしてある分多少純粋な鉄より強度は低いけど…一体その細身のどこにそんな馬力があるんだろう。
「あ、ありがとうございます。」
「意外といけるもんだな。」
普通はいけないと思います。
「…とりあえずこれで私も自衛くらいはできるので、牢屋さえ出られればどうにかなると思います。聞こえてくる足音からしても、先程の4人以外に人はいないようなので。」
「了解。そしたら肝心の脱出方法だが…」
「どうしますかね…」
牢屋には鍵のついた扉が1つ、それ以外に脱出を阻害するものはなさそう。
檻を壊すのはさすがのエリオット様も無理だから、鍵を開ける方法が何かあるかな…
使える物は無いかと、ふとスカートのポケットに手を入れる。
「あ…!」
これ使えるかも…!




