捜査課の仕事②
「すみませんシェルシェーレさん、できる範囲でいいので作業を進めておいてください!」
「え、ちょっと!?」
ジョセフさんは、私の制止も聞かずに走ってどこかへ行ってしまった。
「どうだ、1人じゃ無理そうか?」
エリオット様はニヤニヤしながらこちらの顔を見てくる。他人事だと思って…!
「…とりあえずやるだけやってみます。」
「心配すんなって、俺がついててやるからよ!」
「それはどちらでも大丈夫です。」
「ハハ、相変わらず冷てえなシェリーは」
さて、じゃあまずは指輪の観察から。
指輪は金属製の輪に無色透明な宝石がついており、その宝石の中には赤色の魔法陣のようなものが見えた。
「これって…」
「何か心当たりがあるのか?」
「恐らく畜陣石ですね。」
「畜陣石…?なんだそれ。」
「畜陣石と言うのは、名前通り魔法陣を溜めておける石です。こうすることで自分以外の人間にその魔法を使わせることができます。今は火属性の魔法が溜めてあるようですね。」
「ってことは、これは火属性の奴にしか使えねえのか?」
「いえ、1度この石に蓄えた魔法陣はどの属性の魔法の人も発動できるようになります。」
「へぇー、そうなのか。」
畜陣石自体は純度の低いものならその辺の雑貨屋や魔導具店でもたまに売っているくらいで、特別危なかったり珍しかったりするものでは無い。
問題は蓄えられている魔法陣がどんな魔法の魔法陣なのか、だ。
「これって、実際使ってみたりしたらまずいですよね?」
「ああ、もしそれがやばいもんだった場合あぶねえし、大事な証拠が消えちまうのは良くないからな。」
そうなんだよな…畜陣石の魔法陣は1回使うと消えてしまうから、試しに使うと石の中の魔法陣がなんだったのか分からなくなる。…て、あれ?そのことエリオット様に説明してないのにどうして知ってるんだ…?
…まいっか、とりあえずこの魔法陣を調べてみよう。
私は指輪の下に白い布を敷き、ライトで照らしながら小型のルーペを用いて魔法陣を観察する。
「う、小さくて見づらいな…」
紙とペンを取り出して、わかりやすいように魔法陣を大きく書き直す。
「さてと…」
私はルーペから目を離し、自分が描いた絵を見る。そして魔法陣のそれぞれの模様の意味をメモしていく。
「…すげえな。」
エリオット様がつぶやく。
「魔法陣の模様の意味全部覚えてんのか?」
「まあ、基本的なものは一通り。ただいくらか分からないものもあるので、それは本で調べるつもりです。」
――――――
「こんなところですね。」
本による確認も終わり、魔法陣の効果を確認できた。
「お、もう終わったのか?」
「はい、そこまで複雑なものでも無かったので…」
「すみません、今戻りました!」
そこへジョセフさんがやってくる。
「それじゃあシェリー、ジョセフも来たことだし説明頼むよ。」




