不思議な価値観
「ふー、しっかし美味かったな!」
「そうですね。そろそろ帰りますか?」
「そうだな。じゃあ…」
「すみません、お会計お願いします!」
「え、シェリー…?」
「あ、はーい!」
店員さんを呼ぶと、セレナさんとは別の店員さんが来てくれた。
「お代は銀貨3枚になります!」
私は財布から銀貨を3枚取り出す。これだけ美味しくて量もあって2人で銀貨3枚で済むとは、なんと高コスパなのか。
「お、おい!なんでシェリーが払うんだ?しかも俺の分まで…」
急にエリオット様が聞いてくる。
「え?なんでって…今日は私がぶつかったお詫びなんですから、私が払うのが筋では?」
「それはそうかもしれねえけど…」
なにをそんなに渋ってるんだ…?
「とにかく、店員さん待たせてるので払っちゃいますね。」
私はお金を店員さんに渡した。
「ありがとうございました!」
「さて、行きましょうか。」
「あ、ああ…」
――――
「なあ、やっぱり金…」
お店を出ると、エリオット様がまた言い出した。
「そんなに気になります?…あ、もしかしてお父様からのお小遣いで払ったと思いました?大丈夫ですよ、研究所のお給料はまだですけど、実験の被験者のバイトとか魔導具の修理とかで自分で稼いだお金なので。」
「い、いや、そうじゃねえって…ただ、今まで女の子と食事するときは俺が奢るのが普通だったからさ…」
「…そんなに女の子達に迷惑かけるようなことしたんですか?」
もしかして女好きなんじゃなくて、いつも女性に迷惑かけまくってその詫び参りで忙しいだけとか?
「え、あー……そんなところだ!」
「……?」
エリオット様は一瞬戸惑った割に、随分と晴れやかな笑顔で笑っている。まあ、よく分からないけど楽しそうだしいっか。
――――――
その後、私は大丈夫と言ったのに、研究所の前まで送ってもらってしまった。あんまりそういうことされるとまた借りが増えるから避けたいんだけどな…
「じゃあシェリー、また今度な。」
「はい、送って頂きありがとうございました。ではおやすみなさい。」
こうして私たちは解散した。




