5月6日 5月と言えば?
壁にかけているカレンダー。それは日にちを示すもので応用が聞く優れもの。あるときはメモ帳に、あるときは日を調べるためのものに、あるときはカウントダウンの悪魔の兵器となる。
それを見ていた。
「ついに5月だな………」
「それって1日に言う台詞じゃないの?何で今なの?」
痛いところを突かれた。あの一瞬で俺の隠したいところを察して、俺に確実なダメージをあたえる言葉を選ぶことができるまで成長しやがった。
「……これは、その………」
「まあ、こんなに大切なことを忘れるぐらいだから、さぞや大切な理由………今じゃなあといけない理由があるんでしょ?」
そして、追い討ちをかけてくるソラ。どんだけ俺を追い詰めたいんだよ!
もちろん、大切な理由なんてあるはずがない。単に話す話題が思いつかなかったから適当に言っただけ………。ただ、それだけなんだよ。
「………それが………そ、その………忘れ………ちゃったてたり………あ、あはは………」
表情を変えず、笑わない。いや、笑えないのかもしれない。
もしこれが、クールな人なら普通と思ってしまうが、ソラは残念ながらクール系とは程遠い存在。普段、笑うしかしてない元気な子が一言で言われるだけで笑わなくなり、じっと俺を見ている風な怖さなのだ。自分で言うのもなんだけど、訳が分からない怖さだ。
「………」
これ、怒ってる?怒ってるやつだよね?で、でも!ただ、5日遅れただけだぞ?しかも内容も内容だぞ?たったそれだけで怒るもんなのか?
「5月と言えば何がある?」
ソラの気分は未だに分からない。だが、無言だと段々喋りにくくなるような気がする。だから、早めに話題を変換することに決めた。
「何もないけど、今は6日」
な、なんだと!?わ、『話題戻替』なんていつ身につけやがった!?
「なあ、知ってるか?6日の『6』から5月の『5』を引くと『1』日になるんだ」
「無理やりすぎでしょ。絶対、今思いついたでしょ」
妹ながら手強い。いや、妹だから手強いんだろうか?こうなったら最後の手段しかない………。
俺はリビングからキッチンに行き、冷凍庫からあるものを取りだしてソラのところへ戻ってきた。
「5月と言えば何かな?(いちごんをチラつかせながら)」
「やっぱり、こどもの日じゃない?(いちごんを受け取り食べながら)」
────買収成功────
こどもの日か………確か5月5日だったような………
「もう終わってるじゃねぇか!」
「今ごろ!?でもさ、高校生と中学生がこどもの日で何するの?鯉のぼりでも庭に飾るの?」
「この歳でそれはちょっと………」
でも、これに気づいていたらこどもの日について話して1日余裕ができたかもしれないのに!なんて言う初歩的ミスを!!
「それを言うなら4月1日もエイプリルフールだよ?」
「これから何の日があるかな~!」
「現実逃避した!!」
君は、5月と言えば何の日?




