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ラムネ  作者: しろちゃんまま


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25/28

25

後藤華蓮と紫苑くんが付き合っているというデマが流れていた。

私は信じてなかったけど、兄から連絡が来た。

2人がみだらな行為をしている動画が流れたと……

送られてきた動画を見た。

「これ……」

本邸での様子だが、後藤華蓮の服に見覚えがあった。

私の持っている服だったのだ……

これって?

もしかして私?

この男の人の服に見覚えがあった。

玲音くんが着ていた服に似ていた。

まさかと思ったが、玲音君に連絡して聞いてみる事にした。

私は動画を玲音くんに見せた。

玲音くんの顔色がみるみる悪くなっていく。

重い口を玲音くんが開けた。

「ごめんなさい。義姉さん……」

やっぱりそうか……。

怒ろうかと思ったが今にも涙が出てきそうな顔だったのでやめた。

「紫苑くんも知ってるの?」

「はい。兄さんも知ってます。義姉さんが傷ついたらだめだから言わないと言っていました。」

「わかった。どうしてそんなことしたの?」

「……。義姉さんの事が好きで……ごめんなさい。許して貰えないのは分かってます」

どうしたらいいのか分からなかった。

でも、玲音くんの事は嫌いではなかった。

紫苑くんも玲音くんの事を可愛がっているのは分かっていた。

「玲音くんも反省してるから許すよ。」

私は笑顔で答えた。

玲音くんも安心した顔をしていた。

「実はこの件で後藤さんに脅されてるんだ」

「え?!」

まさか後藤華蓮が高校生の玲音くんを脅すとは思わなかった。

玲音くんは紫苑くんの弟なのに……。

紫苑くんの事が好きだと思ってたのに違ったんだろうか?

私の携帯に非通知の着信があった。

電話に出ると後藤華蓮だった。

指定された場所に行く。

優越感に浸った顔で私を見てきた。

「遅いわよ」

「何か用?」

「単刀直入に言うわ。紫苑と別れてくれない?」

「なぜ?」

「紫苑と私結婚する事になったの。」

「紫苑に言われたら考えるわ!」

「じゃあ聞かせてあげるわ」

動画から紫苑くんが別れて後藤華蓮と結婚すると言っていた。

そんな訳ないと分かってるが、きっとこの動画の件で窮地にたたされてるのは確かだ。

自分だと認めるのも、玲音くんがしたと言っても……

「分かったわ。その代わり、もう紫苑くんと玲音くんを傷つけないって約束して」

「わかった。あなたも離婚届にサインしたらすぐに消えて」

「わかったわ」

私は記入して、すぐに家に帰った。

必要な物をトランクに詰めて家を出た。

誰も知らない土地へ行くつもりだ。

新幹線に乗る時に紫苑くんに電話をした。

流産はしてない……

でも、今は紫苑くんと離れなくてはならない。

ごめんなさい。

紫苑くんと出会えて恋に落ちて結婚出来た事、嬉しかった。

一緒にはいれないけど幸せになって欲しい。

紫苑くんと私の子供を立派に育てていきたい。


新幹線が出発した。

誰もいない土地。

この子と二人で頑張って行きたい。

ママが幸せにしてあげるからね。


ずっと行きたかった土地に来た。

海の綺麗な所で、田舎だった。

不動産屋へ行き、小さな一軒家を内覧した。

近くに小学校もあるしスーパーもあった。

子育てをするにはいい土地だった。


1週間がたって地域の人達とも打ち解けきた。

「寧々ちゃん!良かったらこの野菜食べて」

近くに住む小川さんが畑で採れた自家製野菜を持ってきてくれた。

「小川のおばあちゃんありがとう!いつも美味しくたべてる。この間貰った人参で作ったパン持って帰って」

野菜を貰ったお返しにその野菜で作ったパンとかデザートやおかずを渡している。

「寧々ちゃん、いつもありがとうね。とっても美味しいよ」

小川おばあちゃんも喜んでくれた。

紫苑くんの元をさる前には小さかったお腹も今では大きくなっていた。

お腹の中ではポンポコと蹴ってくる。

小川おばあちゃんから貰った野菜でつくった惣菜を持って行ったら庭にちいさな男の子がいた。

「こんわ~」

私を見て笑顔で話しかけてくれた。

「こんにちは!おばあちゃんは?」

「ばーば?ばーばー」

家から小川おばあちゃんが出てきた。

「寧々ちゃんいらっしゃい!良かったら上がって」

「ありがとう!」

男の子が私の隣に座って私のお腹を不思議そうに見てくる。

「お腹なぜてみる?」

男の子の顔がぱぁと明るくなった。

可愛い手でなぜてくる。

「あーちゃん?」

小川おばあちゃんが答える。

「赤ちゃんだね。潤也もママのお腹の中にいたんだよ」

「潤也くんって言うんですね」

「そうなのよ。長男夫婦の息子なんだけど、今日は忙しくて面倒見てるんだよ」

「そうなんだ!潤也くんもこの子と仲良くしてね」

「うん!」

本当に可愛かった。

自分の子供ならもっと可愛いんだろなと思った。

潤也くんと色々遊んだ。

夕方になって潤也くんのお母さんが迎えにきた。

「じゃあ私は失礼します。」

「今日は潤也と遊んで貰ってありがとうございました」

潤也くんのお母さんにお礼を言われた。

「いえいえ。私も楽しかったです。」

小川家を後にして自分の家に戻った。

30分後、潤也くん一家がやってきた。

「これ忘れてましたよ!」

紫苑くんから初めて貰ったブレスレットだった。

「ありがとうございます。大切な物で……」

「良かったです!」

「そろそろ帰ろうか……」

潤也くんのお父さんが入ってきた。

私を見て目を見開いて呟いた。

「百々(もも)ちゃん?」

「え?」

ももちゃんとは?

「すみません。知り合いに似ていたもので……」

「いえ!大丈夫です。」

潤也くんのお父さんはそそくさと帰っていった。

私は頭に?がついたけど、気にしなかった。

それから1週間後、家の前に黒塗りの高級車が止まった。

中から貴婦人と私位の娘さんが降りてきた。

顔を見てびっくりした。

私と瓜二つの顔をしている。

貴婦人は涙を流していた。

後から上品な紳士も降りてきた。

2人は抱き合って泣いている。

私と瓜二つの娘さんが近づいてきた。

「寧々ちゃん?」

「え?何で私の名前を知ってるんですか?」

「パパ、ママ……こんな事……寧々ちゃんだよ」

2人も近づいて来て涙を流して言った。

「寧々ちゃん、パパとママよ!」

パパとママ?

「寧々ちゃん、お姉ちゃんだよ」

お姉ちゃん?

え?

どういう事?

私に家族がいたの?

ずっと孤児だと思ってた。

だから施設にいたんだと……

「あの?良かったら上がってください。」

私は家に案内した。

3人は部屋に上がり話し始めた。

孤児院があった地域にグランピング旅行に来ていた

テントの中でお母さんが私とお姉ちゃんでお昼寝をしていた。

目が覚めたら簡易ベビーベットに寝かしていた私の姿が無くなっていた。

すぐにお父さんを呼んで従業員と隈なく探したが私の姿はどこにもなかった。

あれから25年間ずっと探していたとの事だった。

潤也くんのお父さんは百々お姉ちゃんの幼なじみで昨日私を見てもしかしたら赤ちゃんの時に行方不明になった妹かもしれないと思い連絡したそうだ。

私はもしかしてと思い、ジュエリーケースからある物を取り出した。

「これは私が赤ん坊の時に足首に付けていたと母から聞いたものです。」

ピンク色のリングだった。

「これは……」

「やっぱり寧々ちゃんだわ」

Nene T♡と刻印されていた。

「あなたの名前は高崎寧々(たかさきねね)高崎グループの令嬢です。」

え?

私があの高崎グループの令嬢?!

びっくりであいた口が塞がらなかった。

まさか孤児から佐川グループよりも上の財閥の令嬢なんて……

「びっくりです。」

「そうよね?いきなりだしね……今までどうしてたか話してくれる?」

4人で色々語り明かした。

3人の優しい兄弟がいること。

紫苑くんという素敵な旦那さんがいること

このお腹の子は紫苑くんとの愛の証であること

「寧々、任せなさい。お父さんに……」

紳士なお父さんが電話をかけて指示を出した。

紫苑くんの窮地を救ってくれると……

良かった……。

私は安堵した。

もしかしたら後藤華蓮と結婚してしまってかも……

それでも私は紫苑くんに幸せになって欲しい。

私が人生で唯一会いした男性だから……。

それから1ヶ月後、お腹は大きくなり8ヶ月目になっていた。

家から出ると見覚えのある姿が玄関先に見えた。

大きな花束を持っている。

私と目が合って笑顔になった。

私の目には涙が浮かぶ。


紫苑くんだった。

最後に会った時と変わらず優しい笑顔の紫苑くんだった。

「ご……ごめんなさい……」

涙が溢れてきた。

「俺こそごめんね……元気だった?」

私を優しく抱きしめてくれた。

涙が止まらなかった。

家に入って紫苑くんが話してくれた。

玲音くんと協力して後藤華蓮の悪事を皆の前で告発した事。

後藤華蓮は恐喝もしていたみたいで、警察に捕まっている。

お父さんがメディアで私の事を公表した。

25年前に行方不明になった娘だと

紫苑くんは大事な娘の大切な配偶者なのだと

これから高崎グループは紫苑くんを全力でバックアップしていくと言ったらしい。

「まさか寧々があの高崎会長の娘さんだったなんて驚きだよ」

「私もびっくりしたよ」

私は紫苑くんの膝の上で首に腕を回しながらキスをしていた。

答えるように紫苑くんも甘いキスと抱擁をしてくれる。

「愛してる寧々♡」

「私も♡」

そういえば離婚届にサインしたのどうなったんだろ?

「あの……紫苑くん、私たち。」

「離婚してないよ」

良かった。

安堵のため息がでる。

「でも俺たち高崎の姓にしないか?」

「え?」

「お義父さん達にお願いされたんだ。寧々を本来の地位に戻したいって……でも寧々の意思を尊重したいって言ってる。俺もおじい様と話をしたんだ、おじい様は俺が後継者としているなら姓が変わっても構わないらしい。寧々はどうする?」

「……わかった。高崎紫苑でもかっこいいね」

「俺もそう思う!」

「ありがとう。紫苑くん」

「俺は寧々とこの子さえいてくれたらいいんだ」

紫苑くんは、私のお腹を撫でながらキスをした。

何回もした。

一緒にお風呂に入りお腹にキスをした。

「パパだよ!一緒にいれなくてごめんね。これからは一緒だよ」

優しい声で話しかけていた。

布団に入りお互いを抱きしめて寝た。

3人で綺麗な海を眺めながら談笑する夢を見た。

この幸せがずっと続きますように。

永遠に愛してる♡

紫苑くん。



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