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本邸に行った時に弟の行動がおかしかったと思ったので、調べてみた。
ゲストルームには防犯の為に監視カメラがついていた。
その映像を見て俺は驚愕した。
弟が妻にしていたみだらな行為が映っていた。
俺は拳を握りしめた。
爪が食い込む勢いだった。
どうしたものか……。
寧々に知られたら悲しむと思い言えなかった。
弟に1度話してみようと思った矢先、運転手の板垣さんから実家に連れていった経緯を聞いた。
会議中だったので、それが終わって直ぐに迎えに行った。
そこで泣いて誤っている弟の姿をみた。
俺は安堵の気持ちでいっぱいになった。
俺は自分の家族が好きではなかった。
5歳から後継者教育が始まり、あまり両親と過ごすことが少なくなっていたのもあったが、権力を振りかざして弱者を押さえつけるあの二人を嫌悪していたのもあった。
妹はその両親に感化されて両親の2号の様な性格だった。
ただ弟は違った。
歳が10歳離れているのもあるが、俺は弟が本当に可愛くて仕方なかった。
弟も俺に凄く懐いていたから後継者教育の合間によく遊んであげていた。
その弟を罰しないといけない事実が俺には苦しく感じた。
謝ってる姿を見たから今回は許そうと思った。
弟の涙が止まるまで待ってから部屋に入る。
「悪かったな玲音」
「ううん。こっちに連れてきてごめんね。兄さん」
「お前も受験大変だろが頑張れよ」
「ありがとう」
寧々をかかえて家に帰った。
疲れが溜まってるのかよく寝ている。
俺も疲れが溜まってたので、風呂に入ってから少し横になっていた。
1時間経って携帯がけたたましく鳴っていた。
颯からの電話だった。
「どうしたんだ?」
「トレンドみてみろ!お前が後藤華蓮と付き合ってる事になってるぞ」
「は?」
どういう事なんだ?
後藤華蓮と一緒にいた事なんてないのに……
「どういう事だ?」
「お前が後藤華蓮にみだらな行為をしてる動画が流れてるんだ」
俺は颯のいう動画を見て見た。
思った通り玲音が寧々にした行為の動画だった。
それがなぜか俺と後藤華蓮になっている。
「捏造だと公表してくれ」
「わかった。」
随分うまく直せてるなと思った。
この動画を使って俺や玲音を脅すつもりなのか?
そんな事はさせない。
母親からも電話がかかってきた。
「紫苑?!あの動画は何?華蓮ちゃんとそんな関係だったのね。びっくりしたわ」
嬉しそうな声が聞こえた。
「あの動画は加工したもので俺じゃない」
話を合わすのも面倒くさかったから電話をきった。
後藤華蓮から電話がかかってきた。
「もしもし」
「紫苑!私と貴方が付き合ってる事になっててびっくりだよ~」
甘ったるい声が聞こえて来た。
「そうだな。俺もびっくりだ。訂正の声明をあげたから鎮火するだろう」
「そうかしら?これがあなたじゃないなら誰?って話にならないかしら?」
「だったらなんだ?」
「いいえ♡私はあなたを心配しただけよ」
電話が切れた。
何かを企んでるんだろう。
俺が言われるのは構わないが玲音や寧々に矛先がいくのは避けたいとおもった。
次の日会社にいくと颯が来た。
「紫苑、面倒臭い事になったぞ」
「なんだ?」
差し出された紙面を見て驚愕した。
佐川グループ御曹司、玲音の裏の顔……
見出しとともに、玲音と寧々のモザイクかかった顔と2人が抱き合う画像が載っていた。
後藤華蓮の仕業だろう。
社長室に後藤華蓮が入ってきた。
「紫苑~見た?まさか寧々さんと玲音くんがそんな関係なんてね?びっくりよ」
「お前の仕業か?」
「私?違うわ」
白々しく笑っている。
「これを収める方法があるわよ?」
「なんだ?」
「私と結婚したらいいのよ」
「は?!」
「そうしたらこの動画も消してあげる♡」
にこにこ笑って社長室から出ていった。
本当に性格の悪い女だなと思った。
俺は拳を握りしめて颯に言った。
「あの動画の2人は玲音と寧々なんだ」
「は?どういうことだ……?」
「寧々は寝ていた。玲音が知らない間に寧々に対して恋情をもっていたみたいでみだらな行為をしたんだ」
「ええ……」
颯が絶句していた。
そうだな……
俺も見た時絶句だったよ。
「映像が世に出てしまったらどうするんだ?」
「出ないようにしないとな」
「玲音!あなた、あの女狐に何をしているのよ!」
「お母さん落ち着いて……」
「落ち着いてられる訳ないでしょう?」
「あの女が玲音を誘惑したかも」
「終始寝てたわよ!」
「俺は……義姉さんが好きなんだ。でも諦めることにした」
俺の浅はかな行動で兄さんと義姉さんを困らせてしまったと思って情けない気持ちでいっぱいだった。
どうしたらいいのか?
真っ暗な気持ちでいっぱいだった。
思わず兄さんに電話した。
「もしもし兄さん……」
「どうした?」
「あの……動画実は俺なんだ……兄さんと義姉さんを裏切ってごめん」
情けない事に涙が出てきた。
「知ってたよ。でもこの間玲音が謝ってたから許したんだ。」
「ごめん……」
「俺が何とかするから大丈夫だ。」
「わかった」
ネットでは憶測が飛んでいた。
後藤華蓮が社長室に入ってきた。
「紫苑~考えてくれた?私と結婚してくれたらこのゴタゴタから解放されるわよ」
俺は後藤華蓮を睨んだ。
「お前と結婚することはない」
「もしかして寧々さんの事きにしてるの?」
「それがどうした?」
「寧々さんなら離婚届にサインしてるわよ」
「は?!」
俺は後藤華蓮が差し出した離婚届みた。
寧々の名前が書かれていた。
俺は何度も見た。
偽造か?
でも……この字の癖、寧々の直筆だった。
寧々本人が書いたものだった。
俺は震える指で寧々に電話をかけた。
「もしもし?」
「寧々……嘘だよな?離婚なんて」
「本当よ。やっぱり私には紫苑くんは合わないのかも……」
「子供は?」
「流産したの……」
がーんと音がなった。
俺たちの子どもが……
流産?
「寧々の体調は大丈夫か?」
子供は仕方ない……
でも俺は寧々の体調が心配だった。
「大丈夫だよ。でも子供を作るのは難しいかもしれないって……だから。紫苑くん。後藤華蓮さんと幸せになって欲しい。」
「俺は寧々と幸せになりたいんだよ。」
「ごめんなさい」
電話が切れた。
もう一度かけたが、電波の届かない場所か電源が入っていないためかかりませんと無機質なアナウンスがなった。
俺は呆然として携帯を机においた。
この状況をどうしたらいいのか分からなかった。
後藤華蓮がした事が原因で流産したのだろうか?
俺は呆然と立ち尽くしていた。
家に帰ったが、寝室は真っ暗だった。
寧々の荷物は無くなっていた。
また電話をかけるが、繋がらなかった。
寧々の兄弟達にもかけるが寧々の居場所は分からなかった。
俺は後藤華蓮から渡された離婚届を握りしめてゴミ箱に捨てた。
離婚なんてしない。
絶対に見つけてまた取り戻したい。
後藤華蓮は玲音にまで連絡をしていた。
寧々が居なくなったことを聞き、玲音は謝ってきた。
俺は寝室のベットに横になり死んだように寝ていた。
1週間がすぎ、後藤華蓮と会見を開いた。
「私と佐川取締役は結婚することになりました。あの動画は私と彼で間違いありません。」
頬を赤らめそう言った。
俺は一瞥しただけで、何も言わなかった。
そして後ろのスクリーンに写った映像を、眺めていた。
そこに映し出されたのは後藤華蓮が寧々と玲音を脅す映像だった。
嫉妬に歪んだ醜い女の顔が映し出された。
後藤華蓮がギャーギャー叫んでいたが、俺は無視した。
最後に一言いう。
「俺の妻はこの先も寧々1人だけです。」
そしてドアに向かって歩いていった。
寧々、迎えにいくからそれまで待っていて欲しい。




