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第四話

 

 第四話

 

 ヴァルシア領の畑から稲が綺麗に収穫された頃。いよいよ冬支度が始まる。

 

 今日も村の外れまで走るレイン。

 木枯らしが吹いているが、空は青く太陽の光が温かく気持ちが良い。


「今日は竜についての話をする」

 

 なんと今日は座学だ。

 森の中、開けた場所で向かい合わせに座りながらガルドの授業を受けることになった。


「はあ」


 今日も地獄のような訓練を想像していたレインは気のない返事をして小首をかしげる。

 

 そんなことは気にせずガルドは話を始めた

「なぜ、竜騎士には魔力が必要だと思う」

 

 元来我々には生まれた時から竜より授かりし魔力を宿していると言われている。

 

 問われて頭に思い浮かべたことをそのまま話す。

「うーん。竜に選ばれるため?」

 

 その答えにガルドは首を縦に振る。


「そうだな…。言い方を変える。竜に人間が乗るとどうなると思う」


「竜に乗って、そのまま飛ぶと…落ちる…?」

 

「そうだ。竜騎士は自身の持つ魔力と契約した竜の魔力で防御魔法を使って、竜に乗り飛ぶことができる」


「なるほど」

 そんな仕組みがあったのかと感心する。

 

 加えて、説明を足してくれるガルドは真剣に話しているため、レインも姿勢を正し、聞き入った。


「まあ、簡単にいうとだな、竜騎士の魔力がある程度なければその分、竜が補うことになる。そうなると竜には負担になる。だから、竜に選ばれにくい」

 一つレインの中で疑問が生まれる。

 しかし、その前にガルドが話を続けた。

 

「前に話したように、竜と竜騎士の結びつきは強い。しかし、その代償も大きい。竜騎士にとって1番の恩恵と言っていいのは身体強化と魔法が使えることだ。」

 

 代償というのは、ガルドの皮膚の鱗化のことと、五感の共有のことだろうか。

 

 これらのこと以外にも、たくさんの話しをガルドはしてくれた。

自分が見て聞いて感じたこと。

自身の竜『ティティ』がどれだけ大切な存在だったのかを教えてくれた。

 

「つまりな、大事なところはだな、竜は気高く誇り高い生き物だからな、丁重に扱うんだぞ。」

 

「はい!」

 レインの目は輝いていた。

 

 今聞いたことは、屋敷にある本の中のどれにも書いていなかった。

 竜なんて御伽話のように感じていたけれど、レインの頭の世界には竜の存在が深く刻まれた。

 

「あのお。魔力ってあらかじめ、測定しておくことって、できるんですか?」

 ようやく質問ができたレインである。

 

「できない」

 

「できないんかい」

 

 思わず突っ込んでしまった。

 レインは村にやってきた熊が、実はただの猫でしたって時ぐらい拍子抜けした。

 

「ああ。ぶっつけ本番だ。もっと細かくいうと、帝都の竜騎士学校や大教会といった場所にしか置かれてない」

 

 怖すぎる。

 当日入学試験場で魔力不足と言われ即刻追い出される未来が見えた。

ここまで頑張って修行した2ヶ月は、どうなるんだ。レインは心の中で不安を感じたが、今更考えたところで仕方ないと腹を括った。


 どう足掻いても、領民を守るには竜騎士になる以外ないのだから。


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