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美少女クシナちゃんの雑貨屋~呪いしか鑑定できませんが、問題あります?~  作者: なすちー
第三章 呪物消失編

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43 次はどこへ遊びに行く?

 入浴から戻り、豪華な夕食を終えると、あっという間に夜が更けた。

 私たちは寝る前に私の部屋に集まり、軽く団らんをしていた。


「それにしても、さすが伯爵家というくらい豪華でしたね」

シエルちゃんが、今日一日の出来事を思い返すように言った。


「はい。本当に、忘れられない思い出になりました」

司祭ちゃんも、余韻に浸るように深く頷いている。


「めっちゃお金持ちになったら、いつでもこんな体験ができるかもよー? お金が無限に沸いてくる呪物とかさ、そういうの見つけちゃったりしたらね!」

アニマちゃんが、いたずらっぽく笑いながら身を乗り出してきた。


「そんな呪物、あるわけないでしょ。それに、もしそんなものを使ったら、その後にどうなるかたまったもんじゃないわ」

私は呆れて肩をすくめながら、そう答えた。


私が言うのもあれだけれど、前回一人で泊まったときに比べて、本当に楽しかった。


「ねーねー、今度さ、またどこかこの四人で遊びに行こうよ」

 アニマちゃんが身を乗り出して提案した。


「ええ、いいですね」

シエルちゃんも穏やかに微笑んで同意する。


「はい、ぜひ行きたいです」

司祭ちゃんも、期待を込めて深く頷いた。


「仕方ないわね。みんながそういうなら、行くしかないわね」

私も少し照れくさそうにそう答えた。


「クシナっち、素直じゃないんだからー。もう、みんなで行きたいんでしょ?」


「そういうアニマちゃんこそ、みんなで行きたいんでしょ?」

私が少しムッとして言い返す。


「うんうん、私はみんなと行きたいよ! 今度はどこに行く? 海? それとも山かな?」

アニマちゃんは屈託なく笑って、あっさりと肯定した。


「海、いいですね。今度みんなで水着を買いに行きましょうよ」

シエルちゃんが目を輝かせてそう言った。


「私、でも……泳げないんです」

司祭ちゃんは困ったように指先をいじりながら、不安そうに言う。


「大丈夫よ、私だって泳げないから」

私がなぜか胸を張ってそう答えると、アニマちゃんがたまらず吹き出した。


「あはは! クシナっちはなんでそんなに自慢げに言うのさ!」


「よし。じゃあ今度は、またこの四人で海に遊びに行きましょう」

シエルちゃんがパンと小さく手を叩いて、そう締めくくった。


「はい、行きましょうね」

司祭ちゃんも嬉しそうに微笑んで賛同する。


 あれよこれよという間に、またこの四人で遊びに行くことが決まった。

なんだかんだ言って、この賑やかな時間は嫌いじゃないわね。


「それじゃあ、そろそろ各々の部屋に戻って寝ましょうか」

私はそう提案した。美少女には良質な睡眠が必要だからね。


「そうですね、私も寝ます。おやすみなさい」

「はい、ではまた明日。おやすみなさい」

「枕投げ大会とかしたかったなー、んじゃおやすみー」


 若干一名、おかしなことを言っている子がいたけれど、私たちは解散した。


「ふふ、楽しかったわね。さて、私もふかふかの高級ベッドで寝ましょうか」

私は枕の位置をぽんぽんと整えて、ベッドへと潜り込んだ。

横になった途端、私の意識はあっという間に遠のいていった。





 ―――翌朝。


 私はパチリと目を開けた。

「いつものベッドと違うから、すこし寝坊しちゃったなー」

ずいぶん寝心地のよいベッドだった。


「クシナっちが言ってた通りの、高級ふかふかなベッドだったなー。私も買うのありかもね。サイズは普通でいいけど」


 私は顔を洗い、タオルで顔を拭いてから、鏡を見て身だしなみを整える。


「よし! クシナっちに寝起きドッキリしかけよー」


 私は口元をニマニマと歪ませながら、自分の部屋を出た。 お目当てのクシナっちの部屋の前へ行くと、ちょうどそこにはメイドのアエラさんが立っていた。


「おはようございます」

私は声を潜めて、アエラさんに話しかけた。


「おはようございます、アニマ様。お早いですね」

アエラさんも、周りに響かないように小声で答えてくれる。


「えへへ、もちろん。クシナっちに寝起きドッキリを仕掛けるためだからね」

私は人差し指を口に当てて、いたずらっぽく笑った。


「さようでございますか」

アエラさんはそう答えるだけで、私を止めようとはしなかった。むしろ、どうぞと言わんばかりに少し脇に避けてくれる。


 アエラさんもなかなか良い性格をしてるなーと思いながら、私は慎重にドアノブを回して、部屋の扉をそーっと開けた。


 足音を忍ばせて、ゆっくりとクシナっちのベッドににじり寄った。 そして、大きく息を吸い込んで、勢いよく声を上げた。


「クシナっち!!! 朝だよ!! 起きて―!!」


 ……。

 ……。

 あれ? 何の反応もないな。


 私は不思議に思って、ベッドの毛布をばさっと剥ぎ取ってみた。


 けれども、そこはもぬけの殻だった。


 クシナっち愛用の丸呑みちゃんもローブも、影も形もない。

まるで最初からそこには誰もいなかったかのような、しんとした静けさが広がっているだけだった。


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