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美少女クシナちゃんの雑貨屋~呪いしか鑑定できませんが、問題あります?~  作者: なすちー
第三章 呪物消失編

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42 たゆんたゆんは許せない


 さて、入浴の時間だ。 丸呑みちゃんは、ひとまずベッドの横に置いておくことにした。

ローブについては、脱衣所で脱げばいいわね。


 ただ、メイドのアエラちゃんには、これにだけは絶対に触らないようにしっかり言っておかないといけない。


 普通ならメイドさんが着替えを用意してくれて、脱いだ服も洗濯して翌朝に準備してくれるのだろうけれど。私のローブは下手に触ると危ないし、管理は私が自分でやらないといけないからね。


 部屋で入浴の準備をして待機していると、ドアがノックされた。


「失礼します」という声が聞こえ、メイドのアエラさんが入ってくる。

「入浴の準備ができましたので、浴場に案内しますね」


「ありがとう、わかったわ」 私はそう答えて、アエラさんに着いていった。


 浴場に向かっている最中の廊下で、私は隣を歩くアエラさんに顔を向けた。


「ねえ、アエラさん。今私が着ているこのローブなんだけど、色々と訳ありで少し危ない物だから、アエラさんはもちろん、他のメイドさんにも触らせないでほしい。私が部屋まで持ち帰るから」


 アエラさんは少し足を緩め、私を見て頷いた。


「かしこまりました。では回収や洗濯はいたしませんので、ご安心ください。部屋着や寝間着の方は準備してよろしいでしょうか?」


「ええ、お願いするわ」


 私は満足して頷いた。 ここの部屋着や寝間着は肌触りが良くて最高なのよね。


 そうこうしているうちに、浴場についた。


 メイドさんに体を洗ってもらうサービスもあるようだが、そこは遠慮しておいた。

脱衣所で手早くローブや下着を脱ぎ、洗い場へと足を踏み入れる。


 さすが伯爵邸というだけあって、体を洗う場所とお風呂の部屋がしっかりと分かれている。私はまず、洗い場の椅子に腰を下ろして、体を入念に洗った。


「みんなはもう、お風呂の方に行っているのかしらね」


 鏡に映る自分に問いかけるように独り言をつぶやき、ひとしきり洗い終えると、お湯で体をきれいに流した。


「さて、広いお風呂で入浴よ」


 私はうきうきした気分で、湯気の向こうにある浴室の扉を開けた。


 そこには、すでにさっき別れた司祭ちゃん、シエルちゃん、アニマちゃんが入っていた。


 私が入ると「クシナっち、おそーい!」とアニマちゃんの声がする。

すでにアニマちゃんは浴場の中に入っていた。……いや、泳いでいた。 手足を器用にバタバタさせて、浴槽の端から端へと……、予想はできていたけれど、さすがアニマちゃんって感じだわ。


「気持ちいいですぅ~」

司祭ちゃんはお湯に肩まで浸かって、うっとりと目を細めている。


「これだけ広い浴室に入れるのは、さすが貴族様って感じですよね」

シエルちゃんは広さを確かめるように、浴室を見渡しながら言った。 二人も、この贅沢な時間を存分に楽しんでいるようだ。


「ほんと、いいわよね」


 私は手桶でお湯を肩にかけながら、そう呟いた。

毎日、この浴室とメイドさんが家に来てくれないだろうか。 そんな便利な呪物があるなら、いつでも大歓迎なのだけれど。


 絶対にありえないことを思いながら、私はお湯に深く浸かり直した。 私たちはそのまま、広々とした浴室で一日の疲れをじっくりと癒やした。


 それにしても……。

私はお湯に浸かりながら、隣にいる司祭ちゃんの方をチラッと見た。


 この中で一番大きな双丘を持っているのは彼女だ。それがお湯の中でたゆんたゆんと浮いている。

やっぱり、これだけは許せないわね。


「クシナさん、なんだか目つきが怖いですよ……?」

私の視線に気づいた司祭ちゃんが、不思議そうにこちらを見てそう言った。


「あははは! クシナっちは全然持ってないからね、シエスタさんがうらやましいんだよー!」

アニマちゃんはお湯をパシャパシャさせながら、そう言ってからかってくる。


 くそー、このアニマちゃんめ。こんなに小柄なのに、出るところはしっかり出ているのだ。

司祭ちゃんには届かないにしても、それでも十分な大きさだわ。アニマちゃんのくせに、アニマちゃんのくせに!!


「大きくても、良いことなんてないですよー。肩もこりますし……」


 司祭ちゃんは困ったように少し眉を下げて、そう言った。


 はー、頭にくるわ、全女子を敵に回す発言よ。 私は悔しさのあまり、ぐぬぬとお湯をぎゅっと握りしめた。


 そしてチラッと、シエルちゃんの方に視線を向けた。


(……うん、仲間だわ)


 私がにっこりとした笑みを浮かべ心の中でそう確信した瞬間、シエルちゃんが顔を真っ赤にして身を乗り出してきた。


「ちょ、ちょっとなんですか、その納得したような顔は! 私はクシナさんよりはありますっ!」


 シエルちゃんはお湯をバシャバシャさせて猛抗議してくる。そこに、アニマちゃんがぷかぷかと浮きながら笑って口を挟んだ。


「あはは、二人とも大して変わんないってー」


 なぜかここで、私とシエルちゃんは息がぴったりだった。

私たちは無言で頷き合うと、一斉に標的へと狙いを定めた。


「アニマちゃんを沈めるわよ」「はい、沈めましょう!」


「ちょ、ちょっと、なにするのさー!」


 アニマちゃんは水しぶきを上げて浴槽を泳いで逃げ、私とシエルちゃんはそれをバシャバシャと追いかけた。

 司祭ちゃんはお湯の中で手をバタつかせながら、ただただおろおろしている。


 騒がしくも楽しい入浴時間は、こうしてあっという間に過ぎていった。




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