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アメイジング・グレイス 〜幼き女神は斯く語りき〜  作者: タカトウ ヒデヨシ
第二章 魔術師の卵?  第六話 魔術師団の団長

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6−11 自称錬金術師という存在

 私がノエルの魔術師団の団長としての資質に疑問を抱いている時、ジャスパーさんが団長室に入って来た。

 団長室に入れるのは、団長であるノエル本人、その師匠である私、副団長のジャスパーさん、国王陛下とその御付きの方々、あとはケルト王国の宰相であるレナードさん位となっている。……この入室制限は、ノエルの我儘によって決定された。


「どう、授業は捗ってるかい?それと、アリアちゃんに陛下から手紙が届いているよ」

「……国王陛下からの手紙?また、王宮に呼び出されるんじゃ……?」

「そうじゃ無いと思うよ。多分、君のお父さんと伯父さんの陞爵のパーティーの件じゃないかな」

「……ああ、そういえば父さんが陞爵した時に一年以内に開催するって言われていましたね。結局、一年以上経ってますけど……」

「それは仕方ないよ、去年は門閥貴族派の問題で王宮どころかケルト王国内全部が混乱していたからね」

「……私を睨まないで下さいよ。私のせいじゃないですからね。で、この手紙はそのパーティーに出席する様にって事なんでしょうか?」

「いや、その逆で、パーティーに出席させられなくて申し訳ないって内容だと思うよ」

「ああ、やっぱり参加出来ませんか……」

「ごめんね。陛下もアリアちゃんを参加させるかどうか迷っていたんだけど、やっぱり魔術師学校の規則をそう簡単に変えるのは良くないってレナードさんが言ったもんでね」


 魔術師学校の規則では、魔術師学校の生徒は卒業か退学をしない限りは敷地の外に出る事は出来ない。例外的に認められるのは、魔術師団から出動の命令がされた時、即ち戦争や大型の魔物征伐などの国の存亡が危うい時位だ。その為、魔術師学校の生徒達は親の死に目にも会えないと言われている。……まあ、私はそんな規則を守らず、比較的自由に飛び回っているけどね。


「……パーティーに行きたかったなあ。久しぶりに両親に会いたいし」

「師匠はパーティーに参加出来るメンタルの持ち主なんですね。羨ましいです……」

「緊張はするけど、それ程意気込んで参加するものでも無いのだけど。それに、お友達とお喋りしたりとか、交友関係を広めたりとかメリットも大きいわよ」

「私にとってはメリットよりもデメリットの方が大きすぎます!そんな所に参加したら、私の胃袋は大きな穴が開きまくって底が抜けてしまいますよ!」

「そこまでの穴が開くと、半精霊人エルフでも死ぬかもしれないわよ……」

「ヒイッ!」

「半精霊人?」

「そういえばジャスパー君には話していませんでしたね。師匠のお陰で私が成長しない原因がわかったんですよ!」


 私はジャスパーさんにも半精霊人の説明をして、ノエルがこの世界にとって貴重な存在である事を話した。


「……へえ、半精霊人ですか。……もしかして、ユピテルのセラフもその半精霊人なのかもしれませんね?」

「うえっ、セラフも一緒なのー」

「……セラフって?」

「ユピテルにいる天才魔術具発明家、セラフ・エカテリーナ。王宮などにある転移門の最初の設計をしたり、一説では不老不死になれるというエリクサーの製作者とされている人です。自分では錬金術師と呼んでいるそうですけど」


 ……錬金術。日本では漫画やアニメ、ゲームなどでお馴染みなのだが、この世界で錬金術の名前を聞いたのは初めてだ。

 錬金術は、技術、哲学、宗教など様々な要素が混在した学問や思想的な存在として知られているが、科学、特に化学の元になった学問としても有名だ。ちなみに、あの万有引力でお馴染みのアイザック・ニュートンも錬金術を研究していた。


「……私、あの子苦手です。私の事、あちこち触ってくるんです!いやらしい!」

「ノエルは、そのセラフって人にあった事があるの?」

「随分前ですけど、ブライアン君がユピテルに外遊した時に護衛術師として無理やり連れていかれました。……あんなに嫌がっていたのに、袋に入れられて誘拐したみたいに連れていかれたんですよ!しかも、私を連れて行った理由がセラフに会うためだけって言ったんです!あんまりだと思いませんか!」


 陛下はノエルの事を人身御供にしたんだな。


「セラフ自身は、自分が死なないのをエリクサーのおかげって言っていますが、そのエリクサーの実物を誰も見た事が無いのです。もしかしたら、自分が半精霊人である事を隠す為の嘘だったのかもしれませんね」

「そのセラフって人は、今は何歳で、見た目はどの位に見えるのかしら?」

「……正確には存じませんが、少なくとも五百年は生きていると思われます。我が国の歴史書にもセラフの名前が出てくる記述がいくつもありますし、王宮にある転移門の製作者もそのセラフ本人ですから」

「あの子の見た目は二十歳前後だったと思います。あいつ、私が背が低いのをずっといじって来ましたから。キィーー!!」


 私は実際に会った事が無いので結論は出せないが、もしかしたら、同じ血族でセラフの名前を引き継いでいる可能性もあるし、本当にエリクサーなる薬が実在する可能性もある。


「……師匠、セラフを弟子にはしないで下さいね」

「会った事も無いのに、弟子にはしないわよ」

「本当に、本当ですよね!」


 うーん、弟子からの信用が無いのか、ノエルはなかなか私の事を信じてくれなかった。

 けれど、私としてはセラフという人物に興味が湧いてきた。……が、今は黙っておいた方がいいかもね。ノエルがめんどくさい事になりそうだし。

新キャラクターであるセラフ・エカテリーナの名前だけが登場しました。ですが、彼女の登場はまだまだ先のお話になる予定です。(まあ、予定は未定なのですが、必ず登場させますので)


これにて第六話は終了となります。


次回から第七話となりますが、第七話は今までよりも少し長いお話となり、アリア以外の視点のお話も多くなります。

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