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45話 純愛ルート My partner 聖也エンド

ビーチリゾートから帰ってきてから私はずっと気になっている事があった。


聖也の顔色が悪い。

多分彼は眠れてない。

目の下にクマも作っていて、そして嶺さんや太刀人くんを見る目が怖い。


ついに見かねて嶺さんが聖也に声を掛けた。

「セイヤン、なんか俺に言いたい事あるの?

凄い目で睨まれてる気がして気になるんだけど。」


「いや、別に何にも。」


「嫌だな、グループで活動してるんだから、思った事は言ってくれないと。口に出さないと分からないことだってあるんだからさ。俺。なんかセイヤンの気に触るような事言ったりしたかな?」


「別に何でもありません。気のせいですよ。」


プイッと横を向いて歩き去ってしまった。


あの機嫌の悪さが私のせいだとヤキモチを妬いているのでは?

などと思うのは思い込み過ぎだろうか。


私は聖也の事が好き。

ポイズンキスの歌も好きだしパフォーマンスも好きだ。

ライブも近いのにメンバー間で軋轢があるのは良くない。


私のせいじゃないかもしれない。

でも

冷泉 太刀人くんに対しても目が怖いのだ。


次の攻略対象者が大和くんだと決まってからは大和くんに対してもキツくなったのを目の当たりにして私はある決心をした。


まず、太刀人くんにしてもらっていたピアノレッスンを、

聖也に教えてもらうからと、断った。


これからは聖也に教えてもらいたい、太刀人くんのレッスンは断ったと伝えたとき、聖也の顔がパァっと明るくなって


「そうでしょう。私に最初から頼めば良かったのですよ。これからは私がちゃんとレッスンを付けてあげますから。」

と嬉しそうに言った。


だから、やはり聖也は他の攻略キャラにヤキモチを妬いているのだ。

私の中で決めたある決心はむくむくと大きくなった。


私はみんなが集まっている日のディナーでその決心を伝える事にした。


「皆さんにお伝えしたい事があります。

私はもう攻略はやめようと思います。」


えー?

なんで?

と声があがる。


「俺まだなのに。どうしてやめるの?

やめるってどういうつもり?

魂の消滅の事分かってる?」

修二くんが言った。


「分かってます。

でも、私もう聖也を傷つけたくないんです。

それに太刀人くんのことも嶺さんのことも。

皆さん私が1人だけ選んでくれたらいい自分だけ選んで欲しいと思ってくださっていると、勝手に思いました。


でも私が好きなのら聖也なのだと、思ったから

多分元世界に戻る事など無さそうだし、

皆さんに手伝ってもらって、そして傷つくような事をしてまで攻略を続けたくないんです。


だから私はもう攻略をやめます。

好きな人を傷つけてまで自分の魂を守りたくないんです。

消滅したらそのときはそのとき。

その魂が消える瞬間まで聖也を愛します。

だからもういいんです。

攻略やめます。」


聖也が言った。

「あなたの魂を消滅なんかさせません。何かの拍子で元世界に戻ってもどこかに魂が浮遊しようが私が必ず探し出して召喚します。」


「ああ、俺もいつでも前世記憶消しくらい協力しよう。」


「その前世記憶の行為の記憶も俺が消してあげるよ。それに今からでも、俺と太刀人との記憶消しできるけどやるかい?」


聖也が私のことを抱きしめた。

「瑠璃、私の為によく決心してくれました。ありがとう。

私が君の魂を守ります。決して消滅するような事にはしません。だから、私を信じて下さい。」


「はい。」


「そうですね。私と君の行為の記憶だけあればいいでしょう。折角帝が言ってくれているのだから、

冷泉との記憶も帝との記憶も消してもらいますか?」


「まだ、3カ月分の前世記憶が残っているが、それは消した方がいいと思うが。」

太刀人くんが言った。

「そうですか。それでは、冷泉にその前世3回分の記憶を消してもらってからそれから帝に記憶を消してもらうことにしましょうか。

今消してしまうと冷泉のスキルを使うときに説明が付かなくなる。」


「ああ、念のために攻略はやめても今も魂が不安定なのだから前世の記憶は魂に重すぎる。消しておくのがいいと思う。瑠璃さえ良ければだが。


その、どうしても嫌なら、勧めないが。」


「いや、冷泉、前世消しはやってもらいたいですね。瑠璃、いいでしょう?私もこんな大事なことでヤキモチを妬いている場合ではないということは分かっています。だから冷泉とのことはきちんとしてもらってください。ええ、私に気を遣う必要はありませんよ。」

聖也がにっこり笑って言った。


だから太刀人くんとの満月の時の契りのことだけはあと3回することになった。


太刀人くんが言った

「今年はクリスマスのときに満月になる。だから俺とクリスマスの夜を二人で過ごして欲しい。

雪の降る山小屋でスキーを楽しんでから、天窓から入る月の光の下で契ればスキルを使う事が出来る。

暖炉の前ですれば寒い事もないと思うが。

鷹宮(聖也の苗字)には悪いが、今年のクリスマスは瑠璃を借りてしまうが、でもこれからはずっとお前のものなのだから今年だけは許してもらえないだろうか。」


きっと太刀人くんはずっと前から計画していてくれていたのだ。そう思うと胸がいっぱいになった。

私とクリスマスに別荘の山小屋で二人きりでスキーをしたり、チーズフォンデュやったりしようね、そして二人で夜の雪を見よう。雪が止んだ時に見える月の光で、スキルを使うのが楽しみだと言っていたのを思い出した。


今どんな気持ちで聖也にこのことを言ったのだろう。

そう思うと胸が痛んだ。

でも二人選ぶことは出来ないのだ。

嶺さんのことも選べない。


聖也を選んだのだから。

聖也は

「いいですよ。瑠璃に綺麗な雪を見せてあげてください。」

そうゆっくりと優しく微笑んで言った。

「あなたの言う通り、これからずっと瑠璃のことはクリスマスも独り占めできるのですから今年は冷泉に任せます。瑠璃の事よろしくお願いします。」

そう言った聖也の顔は晴れやかだった。


そして、何回か太刀人さまと契りを交わし、

クリスマスは別荘にスキーに行って、雪が止んだ月の光で契りスキルを使う事も出来た。

そうして


「前世の記憶、全部消えたんだね。それじゃ、俺と冷泉と瑠璃との行為の記憶、消していいんだね。

ちょっと寂しいけど、でもそのほうが瑠璃の為だし、ね。聖也もそのほうがいいだろう。

じゃ、行くよ。いい?}


そう言って嶺さんがスキルを使って私の記憶を消した。

月光亭に行ったことも。楽しかったビーチリゾートもことも全部。





「あれ、私なんか凄くぼーっとしていました。

新曲の打ち合わせしていたのでしたっけ?

帝さま?

冷泉さまも、このパートのところですが。」

瑠璃が楽譜を持って説明をするのを、冷泉も帝も見ていた。


(もう太刀人くんって呼んではくれないのだな。)

(嶺さんじゃなくなってるよね。まあ、そうだよね。)


瑠璃が二人交互に目を合わせてみると

二人の目は悲しい目をしていた。


二人と会議室で打ち合わせをしていたのだが、ドアを開けて聖也が入ってきた。


「そろそろ二人のパート合わせは終わりますか?

終わったら私のソロ曲の歌詞の打ち合わせををしたいのですが。」


「ああ。セイヤンのソロ曲か。瑠璃ちゃんがセイヤンのパートナーだったね。いいなあ。俺のソロ曲も書いて欲しいな。」


「俺のも頼む。」


「ダメです。瑠璃は私のパートナーなんですから。あなたたちはパートナーが別にいるじゃないですか。」


「そうだが、たまには瑠璃に書いてもらいたい。」

「ダメです。さあ、瑠璃、行きましょう。

ここからは二人だけの時間にしたいです。

君との時間を誰にも邪魔されたくないんです。」


聖也に手を取られて部屋を出て行く時振り返って会釈するとき、二人の顔を見たら何故か胸がチクリとして、何か懐かしいような悲しいような、何か大事な事を忘れてるような不思議な気分になった。


でもその痛みが何なのか瑠璃

に分かることはなかった。



純愛ルート 聖也エンド 


FIN










純愛ルート聖也エンド完結です。

太刀人エンドと嶺エンドも予定しています。

(なのでまだ完結設定にしておりません。)

もうしばらくお付き合いよろしくお願いします。

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