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43話 デンジャラスなドルチェ5 マカロンの誘惑

「16時に俺の部屋に来て。」

って嶺さんにいわれてたから、16時5分前に嶺さんの部屋のドアをノックする。


「どうぞ。」

と明るく言う嶺さんの声にドアを開けて中に入ると、既に太刀人くんも来ていて、のんびりと紅茶を飲んでいた。


御曹司二人が揃ってティータイムを過ごしているという風景はやはり優雅なものがあった。


お洒落な3段の菓子皿に盛られた素敵なスイーツの数々に目がいって思わず嬉しくなってしまった。

色とりどりのマカロンもある。


ティーカップを持つ指先まで太刀人くんは綺麗。


初めは冷泉様そして、下の名前で呼んで欲しいと言われて太刀人さまと呼んでいたのだけれど、「【様呼】はとてもよそよそしい。淋しいぞ、瑠璃。太刀人さまでなく、太刀人と呼んで欲しい。」

そう言われたのだけれどさすがに呼び捨ては恐れ多くて、出来ないから太刀人くんと呼ぶのに落ち着いた。

「(くん)ならまあ、良い」「ぜひそう呼んでくれ。」と言われてから太刀人くんと呼ばせてもらっているのだが、時々冷泉様と呼んでしまい、太刀人くんが寂しそうな顔をして、「瑠璃、なんか間違えてないか?」

と言ってくる。

帝さまも「嶺さん」と呼ぶことになったのだが、やはり緊張したときなど、「帝さま」と間違えて呼んでしまう。「嶺だろ?レディ。」と訂正される。


「それともダーリンって呼んでみるかい?俺はそれでも構わないよ。」

とか言われるけど、嶺さんをダーリンなんて呼んだら、聖也も太刀人くんも大ブーイングだと思う。

絶対怒るに決まってることをする気にはなれない。


「そしたらハニーって呼ばせてもらうよ。」とにっこりアイドルスマイルで言われたけど

それはちょっと、無理ですとやんわりとだが、はっきりとお断りさせてもらった。


「みんなの手前気を使っているの?優しいんだね。レディは。気遣いの出来るいい子は俺は大好きだよ。

じゃ、二人きりのときだけにしようか。」

そう言って軽くウインクをして来た。

けれど何故か結局、ハニーと呼ばれることはなく瑠璃と呼ばれているような気がする。

ダーリンなんて恥ずかしくて言えないからいいのだけれど。


「遅くなり申し訳ございません。」

二人が揃ってたので一応遅れたことを謝罪したが、


嶺「別にレディは遅れてないよ。むしろ早いくらいだろ。まだ5分前なんだから。」


太刀人「ああ、俺が少し早めにきていたのだ。準備したりすることがあったのでな。気にすることはない。」(今になって思えば準備したりすることがあったのだという言葉に何かひっかかるものがあった。)


二人が「気にしなくていいよ」と同時に言ってくれる。

二人仲が悪くて顔を合わせるといつも喧嘩ばかりしているようだけど、実は結構気があっているんじゃないか?と思ってしまう。

小さい頃から財閥の御曹司という事で家同士のこともあり知り合いだったらしいし、本当は仲がいいのでは?

そんなことを思いながら立ち尽くしていると


「そこ座ってくつろいでて、今レディの分もお茶淹れてくるから。」

嶺さんがいそいそとキッチンに姿を消した。

自分でやると言ったが

「お客様だから気を使わないで。」と言われてしまう。

嶺さんの部屋は聖也の部屋とかよりゴージャスな気がする。

元々広い部屋なのだが、聖也の部屋は男の子の部屋って感じであまりものがないシンプルな部屋なのだが、嶺さんの部屋は趣味のビリヤード台があったりしてなんだか凄くゴージャスなイメージ。

同じ御曹司の太刀人くんの部屋もピアノがあったりするけど、基本和のイメージを大事にしているらしく、わびさびといった感じなのでゴージャスとはまた違うのである。


「ここに来るといい。」

太刀人くんがソファーの自分の横をポンポンと手でたたいた。このソファもカッシーニとかのだよあ。みただけで高級な品だと分かる。カッシーニがこの世界にあるのか分からないけど、そういうタイプの家具なのだろうと推測する。あまり人の部屋の品評などしてはいけないような気がするけど、お招きいただいたのだから一応何か褒めるとかしたりしたほうがいいと思うから良く見ておかないと。

人とうまくやるにはとにかく褒めることだって昔近所のおばあちゃんが言ってたし。


言われた通りに太刀人くんの隣に座る。


しばらくして紅茶を淹れて盆に乗せて戻ってきた嶺さんがからかうように

「仲がいいねえ。二人は。俺妬けちゃうなあ。俺もそっちに座ろうかな。」

そう言って、私の横に座ったので、私は二人に挟まれるような形になってしまった。


何となく緊張する。

やっぱり二人かっこよすぎて慣れない。

ふとしたときに恥ずかしくなってしまう。

ドキドキというか、なんだか、凄く心拍数があがるようなそんな感覚。

うっかり横を見ると、美しい顔が、どっちを向いてもあるという眼福なひととき。しかしこれはこれで、目のやり場に困ってしまう。ふっと目が合うと優しく微笑まれて、ドキっとする。


「素敵なお部屋ですね。本日はお招きいただきありがとうございます。」

多分このお茶会で優しくエスコートしたりしてくれた方が勝ちとかそういうルールなのだろうと私は思っていた。

何故なら太刀人くんが親切に私にマカロンを取ってくれてそして可愛く包装してあるのを取って渡してくれたからだ。

テーブルの上には綺麗な色とりどりのお菓子が並べてあった。

ピンクや水色やラベンダー色のマカロン。

それにマドレーヌやクッキー。カヌレ。が美しく盛り付けてあった。


「瑠璃が好きなのはこの菓子であろう。マカロンとかいったか。俺と帝で買ってきて用意したのだ。

お前に食べて欲しいと思って。」

太刀人くんが私にマカロンを渡してくれながら言うと


「あ、お菓子食べてね。このマカロン美味しいんだよね。瑠璃が好きだって言うからさっそく買ってきたんだ。」

嶺さんが言う。


「今日は瑠璃が遊びに来てくれるから特別にね。」


太刀人くんも

「ああ、このマカロンは特別製だ。食べるといい。」

と言って自分もひとつ取って口に入れる。


可愛いピンク色したマカロンはいかにも美味しそうで、私はマカロンが大好物なので、ありがたく口にすることにしたのだけれど。


口に入れる前にふと手を止めて

「あ、でも確か勝負とかするんですよね?お二人は。それで、私が立会人だかなんだか見届けるとかでしたっけ? 審判? だかなんかするってお話でしたよね。

こんなのんびりお茶なんかいただいていてよろしいのでしょうか?

何か準備とかあるならお手伝いします。」

と一応言ってみる。多分社畜で働いていた時にやたら気を遣うスキルを手に入れた名残らしいが、つい気を遣ってしまう。


太刀人「ああ、こうして茶を飲んだり菓子を摘まんだりするのも準備のうちなのでな。

いきなりというのもなんだし、親睦を深めるというか。」

などと。


太刀人「ああ、これは美味しいな。美味だな。嶺、お前は紅茶の淹れ方が上手い。」

とか言いながらのんびりマカロンを自分でも食べている。


なんだかそれにつられて折角手渡してもらったのだから食べないわけにもいかないなと

それにとても綺麗なピンクで美味しそうだし、フランボワーズ味かなあなどと思いながら口に運んだ。


瑠璃「美味しいです。」


太刀人「そうであろう。」


嶺「喜んでもらえて良かったよ。マカロン好きって聞いてたからレディのために用意したんだよ。」

などと言われて


瑠璃「ありがとうございます。美味しいです。それに可愛くて。」


太刀人「お前のほうが可愛いがな。俺の瑠璃。」


嶺「別にお前のじゃないだろ。」

「もっと食べていいよ。たくさんあるんだから。」

とか言われて



るうちに、なんだか



身体が熱くなってきてしまって。


この部屋なんか暑い?


3人でいるからかな。

っていうか、ソファにくっついて3人で座っているからかな。


なんだか身体の奥の方から熱くなってきて


なんかうずうずするというか、

凄く変な感じ。


むずむずするというか。

なんだか、足をこすり合わせたいような。

もぞもぞするというか。

私は知らず知らずのうちに内腿をこすり合わせていた。






*******二日前 太刀人視点


みんなで修二の作ったディナーを食べて、のんびりと食後のお茶を飲んでいたのだが、

修二に渡されて瑠璃だけ何やら可愛い菓子をもらって食べていた。


「うわあ、マカロンじゃん。いいなあ、瑠璃だけ。修二、僕のはないの?」

大和がもの欲し気に言った。


「ないよ。こんなの女の子限定でしょ。瑠璃ちゃんは今日僕と一緒に買い出しに行ってくれたの。だからご褒美というかお駄賃というか。食材の買い出し、大変なんだからね。

だから買ってあげたの。みんなのは無いよ。」


「うふふ、すみません。私が修二君におねだりしたんです。今日マカロン売ってるのみたら我慢できなくて。マカロン大好きなんです。一番好きなお菓子かも。」

瑠璃はにっこにこで食べていた。ほんのりと頬を赤くして幸せそうな顔で。


聖也が

「瑠璃、夜にそんなものをしかも夕食を食べた後に食べるなんて、太りますよ。」

等と窘めている。そこまで大きい菓子でもないし、そんなに厳しく言わなくても、婦女子などは少し太ってるくらいで、肉が付いているほうがいいのだ。むしろ、瑠璃はやせすぎていると言ってもいい。とても華奢なのだから。細くて小柄な瑠璃は抱き上げると羽のように軽い。それがまた儚げで可愛いのだが。

まあ、ブクブクと豚のように太ったらまずいかもしれないが、あのように小さな菓子一つくらいで太るとも思えん。本当に小さい男だな聖也は。と俺は思った。


「ごめんなさい。でもマカロン大好きだから我慢できないんです。こっちの世界にもあるなんて知らなくて今日見つけたから嬉しくて。このピンクのはフランボワーズ味って書いてあって。可愛いし、欲しくなってしまって。修二君にお願いして買ってもらったんです。夜ご飯の後に食べようと大事に取っておいたんですよ。だから、今日は見逃して。」

聖也に可愛く訴える姿はやはり可愛い。さすが俺の瑠璃である。


それにしても、マカロンとやらがそんなに好きなのか。


俺と帝は目を見合わせた。


うん、それしかないな。


うんうんと頷いて二人で後でマカロンとやらを買い出しに行くことにしたのだ。


「瑠璃、そんなに好きならば、俺がたくさん買ってやろう。好きなだけ食べるといい。」

俺が言うと瑠璃が目を輝かせて嬉しそうな顔をした。可愛すぎる。


「太刀人、瑠璃を甘やかすのは止めてください。」

聖也が口を挟む。


「なんだ、お前は瑠璃の親か? そのように規制せずとも良いだろう。甘いものをたしなむのは婦女子の楽しみのうちであろう。そんなに厳しくしたら瑠璃が可哀想だ。太ったら太ったで良いではないか。」


聖也は太りやすい体質だとか言ってかなり自分に厳しく食事制限をしているのだが、それと同じことを瑠璃に求めるのは可哀想というもの。そもそもスイーツを食す楽しみを婦女子から奪うなど言語道断なのではないかと俺は憤りを感じてしまった。それに聖也の言いなりになって言う事を聞いている瑠璃も瑠璃ではないか。


「太っちゃうかな。」

瑠璃がちょっと気にしたような不安そうな顔をした。


「太ったら俺と一緒にジムに行こう。少し走ればすぐ痩せる。気にすることはない、

一緒にトレーニングに連れてってやるから安心して食すがいい。」

俺の言葉に瑠璃が


「はい。」


と嬉しそうに返事をした。やはり可愛いやつ。食べてしまいたい。

というわけで瑠璃にマカロンという菓子を食べてもらう流れが自然に出来たのだった。

俺たちは二人の勝負をすることになっていて、帝からの挑戦状を受けた俺が挑戦を受けたからなのだが、

その勝負の立会人というか、審判というか当事者というかが瑠璃であったのだが。






******


この修二が瑠璃に買ってあげたマカロンを見る何時間か前に俺と帝は計画を立てていた。

勝負をするに関して準備の話し合いをしていたのである。


「俺たちの勝負に付き合う形になってしまうが、どうせなら、そんなに罪悪感を感じることもなく、

気持ちよくこの勝負に参加して欲しいよね。」

と帝が俺に言ってきていたのだ。


「実はうちの研究所で作ったもので試作品で世に出ていないんだけど、試験段階でかなり評判が良くて、

ちょっともらってきたんだ。」

と言って、怪しげな小瓶を俺に見せた。


「なんか、これ、倦怠期の恋人たち用とか、あと一歩踏み出せない人たちの背中を押してくれるとかそういったものなんだけど、」


「なんだ、その怪しげなものは。」俺は顔をしかめた。


「嫌だな。その俺が悪者みたいな言い方。

この勝負俺たちのわがままに付き合わせるみたいなものだよね。」

(いや、俺たちじゃなくて、お前のな。お前がわがままだからだろう。俺は勝負などしなくても良いのだからな。)


「だから、これで気持ちよく俺たちの勝負に参加してもらって、レディには積極的に乱れて欲しいなと。

二人相手にするのとか、抵抗ありそうじゃない?あのレディは。

だけどこれを飲んだら、どんな女も男が欲しくてたまらなくなるそうだから、レディから求めてもらえば勝負もやりやすいというか。

少なくとも嫌なのに襲うみたいにはならないと思うし。

なんといっても、めちゃくちゃ気持ちよくなるらしいんだよね。

レディが乱れるの見たいとお前だって思うだろ?

それにレディが気持ちいいならその方がいいと思わないか?」

そう言われて、俺は帝の口車に乗せられたと言ってもいいが、ちょっとだけ激しく乱れる瑠璃が見たいとか思っていなかったと言ったら嘘になるな。


「結局、それは媚薬ってものなのか?」俺は帝に確認した。


「身体に負担とか変な副作用とかないのだろうな。」


「レディに飲ませるんだからそれは俺も確認済みだよ。変な副作用とかでレディがおかしくなったら大変だからね。これはただの催淫剤。それ以上でもそれ以下でもないよ。

ただ、即効性があって、効き目が確かだってとこがうちの研究所の自慢なとこだけどね。

身体に変な負担とかかからないようって安全性は帝財閥の薬品部門のなすとこだからね。信用してもらっていい。」

その小瓶には〔帝製薬研究所〕と書いてあるラベルが貼ってある。何やら小さな文字で説明が書いてあるようだった。確かに帝財閥薬品部門のものらしい。帝のところはこんなものも作っているのか。と感心する。

不老不死とはいえ、病気にもなるし怪我もする。自然治癒もするがそれを早めたり痛みを除去する薬は必要なので製薬会社というものもあるのだが、放っておけば治るのでそれほど儲かる事業ではないのだ。

しかし、このようなアプローチの薬ならば需要が見込めるだろう。なんといってもこの世界の人は快楽を求めているのだ。エンターテインメントと快楽、要するに楽しみに関して人は貪欲なのである。

帝財閥の目の付け所は素晴らしい。冷泉財閥も負けていられないな、おちおちしてはいられんぞと俺はここでかなり思ったのである。


太刀人「それにしてもうまくそれを飲ませるなりしないといけないんだろう?どうやって飲ませるつもりだ。」


嶺「紅茶とかに入れたらいいんじゃないかな。」


太刀人「飲まなかったら?」


嶺「うーん。それもあるよね。私喉とか乾いていませんとか、一口しか口付けないとかありそうだね。あのレディの事だから気を遣ってあまり飲み物とか口にしない可能性もあるな。取り合えず、お茶会という形にして紅茶を飲むのが目的の集まりという感じに持っていこうとは思うが。」


いざ媚薬を摂取させようと考えたら、どうせなら完璧な効果を出したい。

瑠璃の方から求めてくるくらいの効き目が欲しい。


俺たちはどうやってでもその開発中の新薬を摂取させたいと思ったのだが、いい案が浮かばないでいたのだ。


そこに修二のグッジョブなお買い物のお話。


【マカロン】!


可愛らしいピンクの小さな菓子だが。それは俺たちには希望の光というか救世主のように見えていた。

もはや後光が差していた。

食後、俺たちは修二にそのマカロンとやらがどこで購入したものなのかを聞き出し、翌日買いに行った。


マカロンに注射器で小瓶の薬を注入する。

マカロンはかなり甘い菓子なので、薬を注入したことがばれるという恐れはなかった。

帝研究所では、従来のモノと比べてかなりの無臭性、無味を目指して作ったらしい。

さすがとしか言いようがない。冷泉の研究所にもそのようなものが欲しいなと俺はかすかに思った。

やるな、帝財閥と。


食べてもらえないといけないので、薬を注入したものは色はピンクのものとして、他の薬抜きの水色のものなどを俺たちは食べて瑠璃に不審に思われないようにしようとか。絶対に食べさせるために俺が薬入りのものと手渡すなど、計画を練った。また手渡すときなど間違いが起きぬよう、綺麗なビニールに包んであったのだが、その包装に瑠璃用の媚薬入りのものにはハートのマーク、俺たちが食べる分には星のマークを付けた。これで間違いなく瑠璃に媚薬入りのものを食べてもらえる算段である。

更にマカロンを食さないことも考慮して瑠璃に飲ませる紅茶にも薬を入れておく。マカロンにたまたま興味を示さない可能性も考慮して、一昨日食べたからもう飽きたとかなどもあるかもしれないと思いカヌレにも薬を注入しておいた。カヌレは更に味が濃いので気付かれて怪しまれる可能性が低い。更に美味しい菓子ゆえ食べられる可能性も高い。、万全を期すため俺はかなり早めに帝の部屋に行き準備をしたのだった。


瑠璃が来た時には俺たちは準備を終えて、一服の紅茶をたしなんでいるというところだった。

見た目には優雅なアフタヌーンティーという感じに見えたはずだ。

俺も一応財閥の嫡男として西洋貴族風の紅茶の嗜みも身に着けている。

正直良い煎茶に美味しいきんつばでも食べるほうが性に合っているのだが、マカロンという菓子を出す関係上また帝の部屋に合わせるとこのような茶の席になるのは致し方ないことである。


瑠璃が俺の渡したマカロンをなんの疑いもなく食して、「美味しいです」などといい、帝の渡した紅茶をなんの疑いもなく飲むのを、俺たちは思わず、息を飲んで見つめていた。


帝財閥研究所の薬がなんぼのものか、分かるときが来るのを、今か今かと思って瑠璃から目が離せない。

俺もだが、帝など目が血走ってきているように見えていたのだから。


意地汚いな、帝、と思ったが、俺も相当なものだった。

一瞬でも目を離したくない、と思って瑠璃の変貌するのを心待ちにしてじっとみつめていたのだから。

普段清楚な瑠璃が乱れる瞬間を観たいと思うのは男の性というものだ。折角の機会であり今後あるとも思えない千載一遇のチャンスなのだからこれを見逃す手はないであろう。

息を飲んで瑠璃の事をじっと見つめてしまう。

驚くことに瑠璃はマカロンを3個も食べ、更にカヌレにまで手を伸ばした。

俺と帝は思わず生唾を飲んだ。


あんなに摂取して大丈夫なのだろうか?

食べないかもと念のために注入しておいたカヌレにまで手を出して、食べている。

紅茶も飲んでしまった。

瑠璃のカップを覗くともう既に紅茶は無くなっていた。

甘い菓子なので紅茶も進んだらしい。


瑠璃の顔を見ると薄っすらと汗ばんでいるように見えて、既になんだかなまめかしい。


効いてきたのだろうか。

何とも言えない緊迫感が俺たちを襲った。












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