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23話 平和な日々

それから私と一緒にいてくれて、

凄くあいたかった聖也に会えてほっとして嬉しくて、何日かはずっと私は聖也の傍から離れたくなくてべったりと依存してしまった。

こんなにくっついていてはいけないと思うのだけれど、母親が居ないと泣いちゃう赤ちゃんみたいになってしまって、視界から聖也が消えると不安でたまらなくなるくらいに。


「あなたにそんなに愛されて嬉しいですね。でもびっくりもしています。そんなに心細くならなくてもいつも傍にいますよ。」

そんなことを言われる始末。

少しずつ気持ちが落ち着いてきたころ


「明日から仕事に復帰します。

あなたが不安だからまたお城に行きましょう。みんなもあなたが戻ってきたこと報告しなくてはいけないし、きっとみんな喜んでくれますよ。あなたを一人にしておくのは心配ですし、」


そうか、聖也、仕事休んで私とてくれたんだ。

そうだよね。毎日休みってわけじゃなくて、仕事しなくてはいけないんだもの。増してや聖也の仕事をたのしみにしてる人がたくさんいるわけだし、私が独り占めするわけにはいけないんだもの。


こくんとうなづくと

よしよしと頭を撫でてくれて、


さあ、

出発しますよ。


と言って笑った。


なんだか、その笑顔がとても懐かしくて、うれしかった。

ほっとする。

みんなどうしているかな。


「お城のあなたの部屋はそのままにしてあります。いつ戻ってきてもいいようにときどき掃除もしておきました。」

聖也が優しく言ってくれた。

そうか、部屋の管理も。


私が無責任にあっちいったりこっちいったりしてる間にいろいろと迷惑をかけていたのだな、と、世話になってるのだなとつくづく思ってしまって


もう会わないようにと精神のリンクを切っていたと言ってたけど、

でも私がいつ帰ってきてもいいように部屋の掃除をしていてくれていたのだとは、矛盾するような気がするけど


もう戻ってくることないだろうなと思いながらの部屋の掃除ってっ結構きついものがあったのではなりだろうかと推測する。

そして聖也の愛を感じずにはいられない。

この愛にどう応えたらいいのだろう。


こんなに愛してくれる人と平和な日々を不老不死の世界で生きる。

こんな素敵なことがあるだろうか。


そして、輪廻転生の輪に戻った時の

辛かった虐待の記憶がチラッと戻って、

悲鳴と絶望とどんなに泣き叫んでも誰も助けてくれなくて、最後には力尽き声も出なくなって

食べ物も食べれず、おなかが空いて、

痛くて辛くて、暗くて狭くて


命尽きてしまった


辛い記憶が

頭を掠めて、


思い出したくないのに


関係ないときに不意に頭を出す、嫌な記憶が

フラッシュバックして


不意に悲鳴を上げそうになった。


「どうしましたか?大丈夫ですか?」

びっくりして、声を掛けてくれる。

「怖い事があったんですね。もう大丈夫ですよ。辛かったですね。」


「あ、ごめんなさい。なんか、つい思い出してしまって。思い出したくないのに。

変なときにフラッシュバックしてしまうんです。」

「ごめんなさい。こんなに良くしていただいているのに。変な事思い出したりして。ごめんなさい。」


「謝らなくていいですよ。辛かったのですね。こんなになるまで放っておいた私が悪いのです。あなたが謝る必要なありませんよ。」


そういって優しい眼差しで見てくれている聖也が

心の中で

瑠璃、こんなに、ごめんなさい。ごめんなさい。って連発するような子じゃなかったのに、一体何があったんだろうと訝しく思い、とても心配してくれていたのだという事を私は知らなかった。


何回も輪廻転生し、その輪廻が辛いものがあり、輪廻転生の輪にバグが生じて記憶の蓄積がされてしまい、魂がいっぱいいっぱいで記憶が溢れて、魂の破損が起きているなんてことを私は知らなかったし、

とても辛かったり、悲しかったり絶望していたから、魂が消滅しそうになってしまっているなんてことも知る由もなかったのだから。


やっとやっと平和な日々を送れることになったのに、私の魂が世界に順応することができるか分からないなんてこと。

知らなかったから、平和な日々が少しでも流れて私は幸せだった。


ドキLOVE城に着くとやっぱり、みんな優しく出迎えてくれて


「良かったね、瑠璃ちゃん戻ってきたんだね。」

とか

「お帰り。」

とか言ってくれて


だけど、

冷泉様が

じっと私を見つめてハッとしたような顔をして

何か思っているような眼差しをしているのが


ちょっと不可解に感じたのだけれど、


それは一瞬で


「お帰り、瑠璃。会えてう嬉しいぞ、」

と言ってくれた。


そしてまたみんなとわちゃわちゃと騒いだり、

ご飯を食べたりして

過ごしていて

そんなことは忘れてしまっていた。






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