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幾千の夜と暁を越えて  作者: 白明


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第五章 廉貞星 参 絶対帝王学(破)

 じいちゃんからの帝王学の「教え」を体系づけるとすると、それは「守破離」に帰結する。

 私は、回想すればするほど、そう思うようになっていた。


破:守の教えをベースとし、他の在りよう、そして他者の視界、景色を吸収していくこと。


「守」については、教えの基盤・基礎になるモノ。

 その「守」の教えを守りつつ、他者や世間、時代のありようを受け入れ、吸収していくこと。

 それが『破』の段階であると思う。

 じいちゃんからの「教え」では、「お前は独りか」「そんなもんか」「あるべきは何か」という言葉で教わったと私は感じる。

 自分の軸である「守」がしっかりと定まり、「しゃんと」していることが当たり前のようになった上で、人と関わり、そして、自分を他者との間で磨いでいくのがこの段階だ。



『お前は独りか』

 自分を取り巻き、支える仲間と呼べる人間はいるか?

 人は本来、一人で生きなければならない。しかし、独りであり続けることで、その考えは膠着、硬化していく。

 支えてくれ、時に叱責をしてくれる仲間を作らねばならない。


『そんなもんか』

 自分の考えや行動、可能性に蓋をしてしまっていないか? 自らの可能性を潰すのは自分自身。

 それを越えるには、自らに「その程度か?」と疑問を投げ続けることが大事なのだ。


『あるべきは何か』

 常に自らの正しい姿や考えを問い続けることが必要である。

 間違った状態が続くことでより困難なことが訪れる。正しく、本来の姿は何かを常に問い続ける姿勢が大切なのだ。



 じいちゃんは幼少期から少年期において、多くの人に騙され、裏切られる体験をした。

 それにより、大きな損失を被ったにも関わらず、腐らず前に進むことを選んだ。

 その選択により新しい世界が広がり、そして、自らも精神的にも大きく成長をした。

 そのマインドがこの「破」にあると思う。


 本当の仲間を選ぶためにもしっかりとした自分軸、そして、相手をしっかりと見る目。

 常に自分の考え方や行動に限界を設けていないか、自ら問い続ける気持ち。

 さらに、間違っていることに対し、間違っているということ。正しいことを正しいと信じ、進める。

 この勇気を持つことが必要なのだと教えてくれた。

 この三つには、共通した理念があるように私は感じる。

 それは、「己を持ち、問い続け、そしてしっかりと行動すること」なのだと。


 自分が自分らしくあり、そして自分を発言・発信・表現していく。

 これは、本当は怖いことだ。

 自分自身を掘り下げ、自らに向き合う。

 さらにその自分を晒し、そして他者から投げられるであろうコトバや行動に対峙する。

 正直、自分を否定されることだって少なくはない。

 だからこそ、怖いのである。

 誰もが向き合いたくないのだ。


 かといってそこから目を背けてしまうと、前には決して進むことはできない。

 目を背けてしまった先には、停滞が待っている。

 停滞が必ずしも悪いわけではない。

 何をやっても上手く行かない時には、思い切って休憩をすることで、次の一歩が踏み出しやすくなる。

 停滞とは、いわば人生の中に生まれるインターバルなのだ。


 そして、そこから一歩前に進むためには、前述の「向き合う」ことが必要となる。

 人は各々の年齢によって越えなければならない「向き合い方」がある。

 これをじいちゃんは、この三つの言葉で表していたのではないかと感じる。


「お前は独りか」「そんなもんか」「あるべきは何か」。

 この言葉は、自分が自分らしく生きるために常に心に留めておかなければいけないと、改めて心に刻む。


(つづく)

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