↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
4/7

【第四話】赤煉瓦倉庫・前編

赤レンガ倉庫って、風情があってデートスポットだなと思います。

横浜赤煉瓦倉庫。


車を降りた瞬間、海から吹き抜ける風が三柱を包んだ。


「うおおおおおお!!」

「わぁ……」


真っ先に声を上げたのは、当然のように須佐男。

続いて、夜姫。


「いいじゃん!!

 夜姫ちゃん見ろ!!

 煉瓦!! 海!! 船!!

 どうだ!!俺様を褒めろ!!最高だろ?!」


「うん。ほんと、素敵……」


夜姫は返事をしながら、視線だけを別の方へ向けていた。


車の反対側。


天照の大きな手が、そっとサングラスを外す瞬間を、夜姫は確かに見た。


――あ……。


その神々しい瞬間。


天照の仕草一つ一つがスローモーションとなり、夜姫の視界をゆっくりと流れていく。


長い指。


節が作る、美しい影。


首を回した後、海から流れるそよ風を受け、心地良さそうに深く息を吸って吐いていた。


陽を受ける黄金の短い髪は煌めき、

風に煽られた襟元から、首筋が僅かに覗く。


そして。


流れた視線が、夜姫を静かに捉えた。


すると。


締まった口元がほんの少しだけ、上がった気がした。


挿絵(By みてみん)


「……………あ……」


天照はもう、背を向けて前に歩き出している。


黄金の髪が、海風に揺られていた。


「夜姫ちゃん、ん? 顔……あちいのか?

 アイス食べるか!!

 ほら、突っ立ってないで行こうぜ〜♪」


「………うん!!」


夜姫は小走りする。


「へへ♪ たのしいな?

 気に入ってくれたか?

 頬っぺた赤くして、可愛いーな!!」


須佐男は隣でにぃっと笑った。

夜姫も、思わずつられる。


二柱で笑った。


少し前で天照が振り返っていた。

二柱を見て、首を傾げる。


「はやく歩け」のサインだ。


口に手を添えて須佐男が夜姫に言う。


「口があるなら、喋ろよな〜?」


天照には聞こえていないようだが、勘がいいのか明らかに不機嫌な顔をしている。


じとりと目が合った。


夜姫は思わず吹き出した。


「歩くの早えぞ。

 少しはゲストに合わせろや〜!!」


「……クスクス」


「ほら、見ろ。またムスッとするぜ??」


――二柱の期待に応えるように。


天照が少し、目を細め……


――笑った。


須佐男の口笛。


「まじか」


「で、何が見たいんだ?」


夜姫の耳が赤い。


「アマちゃん、機嫌良いな!

 そうこなくっちゃな……」



――その時だった。



「ねぇ……やだ。見て、何あの人」


「え、どれ?」


「ほら、あの背の高い……」


 少し離れたところから、若い女性たちの声が聞こえた。


「え、うそ……ヤバくない?かっこいい!!」


「私も見たい!………何あれ」


「ねぇ、見て!!

 金髪の人、めちゃくちゃカッコよくない?」


――続く。


挿絵(By みてみん)



人間界に出歩くと、結局こうなるこの二人組。

余談ですが、須佐男は「夜姫」初期では、当初女の子大好きキャラでした。

…………今もかな??

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
>「どうだ!!俺様を褒めろ!!最高だろ?!」 >「うん。ほんと、素敵……」 ここ、全然スサノオ見てなくて笑っちゃいました(笑) 天照のいる景色丸ごとみて素敵って言ってる(…であってますよね?)夜姫がい…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。