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今日もキミはガラスの靴を落とす  作者: 次野/うずらの


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7/10



 すくわれたい。

 みとめられたい。



 存在そんざいするだけで周囲しゅうい元気げんきづけられる、鼓舞こぶできるひとあこがれて。

 自分じぶんもそうなりたい、と。



 笑顔えがおやさずに、

 相手あいて要求ようきゅうんで、

 ひたむきに頑張がんばっていれば、

 作中さくちゅうのお姫様ひめさまみたいに、

 だれからもあいされる人間にんげんになれるんだって。



 でも、現実げんじつちがう。



 “こいつはなにしてもいいやつ”になった。



 どんなにうばわれても、

 どれだけおとしめられても、

 ずっとわらっていられるのが、

 できた人間にんげん、というのなら、



 わたしたちはそうでなかっただけ。



 どうしたの。

 いつものアナタじゃない。



 あぁ、ぼくは、わたしは、

 お姫様ひめさまにも

 王子おうじさまにもなれなかったんだ。



 はいかぶりははいかぶったまま。

 白雪しらゆきひめ目覚めざめない。

 人魚にんぎょひめ王子おうじさまころし、

 王子おうじさまかえるのまま、だれからもあいされない。



 そんなバッドエンドをいつまでもむかえたくなくて、推薦すいせんぐみ死神しにがみのテリトリーにはいっていく。

 項垂うなだれ、うつろなをしたかれらの背中せなかから、れるようにして赤黒あかぐろはねえて。なみだまでもがまり、べつのナニカになりはじめていた。



 未来みらい永劫えいごう“なにをしてもいいやつ”になんて。



 はやらくにしてくれ、とみなすがりつけば、すがられたほうもらざるをなくなる。

 けれど、ればるほど、かれらのいきおいはすばかりで。

 つぎからつぎへと多勢たぜい無勢ぶぜい

 死神しにがみうでに、あしに、こしに、くびにまとわりついて、大鎌おおかまにぎるのがやっと――――のところで、エルサと色欲しきよくかれがやってくる。




 ――キミにとっての王子おうじさま死神しにがみなのかい?




 かれらのもとめる言葉ことばをひとりひとりにささやいて、推薦すいせんぐみ注目ちゅうもく色欲しきよくかれに。そのすきにエルサも、なみまれないよううトウリたちと合流ごうりゅうした。


大丈夫だいじょうぶかい?」

「な、なんとかっ」


 アヤセとスノウの首元くびもとを、自身じしんのYシャツのそでぬぐうトウリは元気げんきそうで。


「キミの親衛しんえいたいがここにいるってことは、上層じょうそう全滅ぜんめつしたってこと、かな」と、2人(ふたり)にもはなしれば、すごく機嫌きげんそうにうなずかれた。


 なみ悪魔あくまでは太刀打たちうちできないくらいに、ちからけた推薦すいせんぐみ――――を、色欲しきよくかれはいつまでめていられるのか。


 言葉ことばたくみにあいささやかれに、『うごきをめる』以上いじょうちからはなかった。




 ってるよ。

 ずっとわらってる、だけじゃない。


 だれもいないところで、ひとりでいて。

 意地悪いじわるされることのくるしさもっている。

 それでもくさらなかったから、しあわせになれたんだ。




『――本当ほんとうに?』


ぼくまえでは本心ほんしんしていいんだよ』


『どんなにみにくくても、きたなくても、ありのままのキミをぼくあいしたい』――――のに。



 

 しあわせは自分じぶんつかむもの。

 くばったしあわせはかえってこない。

 くばったぶんだけ、つぎ自分じぶんしあわせになれるんだって。

 ずっと

 ずーっとおもってた。


 つぎこそは――って

 もがいて、

 れて、

 またせいけて。



 もう、のぞみません。



 だから、



 他人たにんしあわせすらよろこべなくなったわたしたちをころしてください。




 ――――最終さいしゅうてきには、わたしのぞむ。




最高さいこうにつまらない」




 深淵しんえんからかえってきた色欲しきよくかれは、腹立はらだたしいこと このうえなかった。


白徒はくと保身ほしんとやらが、ようやく理解りかいできたよ。とんでもないことをしてくれた」


 決定打けっていだのない、魅了みりょうちからでも、この状況じょうきょう打破だはできるとおもっていた。

 頑張がんばりすぎるかれらをねぎらって、あまやかして、周囲しゅういなんて雑音ざつおんになるくらい自分じぶん夢中むちゅうにさせれば、『暴走ぼうそう』はめられる、と。


 しかし、ことはそんなに簡単かんたんなことではなく。


 エルサも色欲しきよくかれ賛同さんどうする。


「いろんな部分ぶぶん欠落けつらくしてよかったよ。おかげで冷静れいせい交渉こうしょうができる」と。いまにもうごしそうな推薦すいせんぐみ中心ちゅうしんで、彼はあたまげた。



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