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第2夜 第3話 【 40億年先のインフレーション 】 砂嵐と般若心経が吹き荒れる神殿

御家人スフィンクス(顔:梶原景時)

『……未来人よ……年貢を納めよ……米三石……さもなくば地頭が……お前の六翼をむしり取る……』


魔界光命:「だからエジプトで米を要求すんなって。あと、俺の翼に触ろうとすんな。これ、クレオパトラちゃんの愛欲と信仰で今マックスに充電されてるから、触ると40億年分の高電圧で消し飛ぶよ? ほら、パチンと(指を鳴らす)」


【ビキィッ!!! という空間が割れる轟音。光命が指を鳴らした瞬間、神殿の空から無限の「和紙の束」がバラバラと降ってくる】


源頼朝:「な、なんじゃこれは!? 空から大量の文面が……!? これらはすべて、我が幕府が発行する『下地中分』の公文書や、我がサイン入りの御教書みことのりではないか!?」


魔界光命:「そうそう。お前らが大好きな『土地の権利書』ね。40億年先の未来の演算能力でさ、お前がこれから一生かかって書く予定の公文書を、先回りで無限にコピペしてこの空間にドロップしたんだわ。その数、およそ10の68乗枚。ハイパーインフレーションって知ってる? 頼朝さん」


御家人スフィンクス(顔:北条時政):『グワーッ!? 領地宛行状が多すぎて、処理が追いつかん! 幕府のサーバー(脳内)がパンクするぅぅぅ! 誰にどこのピラミッドを恩賞として与えればいいのか計算できんーっ!』


魔界光命:「中世の官僚機構の処理能力で、未来の無限のデータ量を捌けるわけないだろ。はい、フリーズした」


【バカン!!! と、大量の権利書の重みに耐えかねて、おじさん顔のスフィンクスたちが次々と脳内メモリオーバーで爆発。木っ端微塵になった肉片が、なぜか40億年後の浦和区周辺でしか使えないプレミアム付き地域商品券に変わって砂漠に舞い散る】


源頼朝:(白馬から転げ落ち、大鎧をガタガタ言わせながら後退りする)

「ば、馬鹿な……我が平家を滅ぼし、奥州藤原氏を討ち取ったこの源頼朝が……このような、わけのわからぬ未来のガキの術に……!」


魔界光命:(金ピカの胸当てを輝かせ、ローファーで頼朝の目の前の砂を踏みつける)

「わけわかんないのは、エジプトで幕府開こうとしたお前の方だって。言っただろ? 40億年経つとさ、国家とか、幕府とか、そういう『組織』っていう概念自体が、ただの古いバグとしてゴミ箱に捨てられてるんだよね。お前が必死にしがみついてる権力、未来じゃただの1バイトのデータにも満たないわ」


クレオパトラ:「まぁ……! なんという圧倒的な論破力! なんという冷酷で知的な眼差し! 光命様、素敵ですわ! 頼朝が完全にただの不審なおじさんに見えてきました!」


魔界光命:「元からエジプトの神殿に鎧で乗り込んできてる時点でただの不審者だけどね。ほら頼朝さん、これ以上俺の聖剣『浦和』から光を漏らすと、この地球の地殻が40億年早くマントルに還っちゃうから、大人しく鎌倉に帰りな。あ、帰る時、ナイル川に放流した鮭の稚魚、網ですくって全部持って帰れよ。生態系狂うから」


源頼朝:「お、おのれぇぇ! 覚えておれ未来人! 次は必ずや北条政子を連れて、お前を調伏してやるからなーっ!」

(時空の裂け目へ向かって、這う失意の爆走で退却)


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