第2夜 第2話【 マケドニアの制服、あるいは鎌倉のピラミッド 】 征夷大将軍のファラオ計画 【エジプト・アレクサンドリアの神殿】
【エジプト・アレクサンドリアの神殿】
源頼朝:「ふははは! 怯えよ、未来の迷い人よ! 我が鎌倉幕府の力、とくと目に焼き付けるが良い! 御家人スフィンクスども、出あえ、出あえ!」
魔界光命:「いや、ちょっと待って頼朝さん。呼ぶ時の掛け声が『出あえ』なのは百歩譲って戦国大名とかじゃん。鎌倉時代ってそんなシステムだっけ? あと、何その背後にいるやつ。スフィンクスの体なのに、顔が全員おじさんなんだけど」
クレオパトラ:(光命の真っ赤なマントの陰でガタガタ震えながら)
「あ、あれは頼朝の腹心、北条時政と梶原景時の顔を持った『御家人スフィンクス』ですわ! 毎日『オンアボキャベイロシャノウ』と般若心経を唱えながら、エジプトの民に地頭の職を押し付ける恐ろしい呪術生物なのです!」
御家人スフィンクス(顔:北条時政)
『……御恩と奉公……ナイル川のデルタ地帯を……すべて北条の領地とする……不服がある者は……貞永式目に則り処罰する……』
魔界光命:「貞永式目は頼朝の時代じゃなくて、3代執権の北条泰時の時代だろ。脳内スマホの歴史ペディアが秒でツッコミ入れてるわ。時空だけじゃなくて鎌倉幕府の年表までバグらせてんじゃねえよ。そもそも、エジプトの砂漠で御恩と奉公って、誰が誰に何を奉公するんだよ。ラクダの餌やりか?」
源頼朝:「黙れ! 鎌倉の法は世界の法! この地を治める者はファラオではなく、征夷大将軍兼ファラオである我が身をおいて他にない! 頼むぞ、御家人スフィンクスよ、その生意気な浦和のガキを壇ノ浦の藻屑(※エジプトの砂漠)にしてやれ!」
魔界光命:「だから由比ヶ浜だの壇ノ浦だの、エジプトのロケーションに強引に和風の地名をトッピングすんなって。クリーニングしたての学ランのズボンに砂がつくの、マジで嫌なんだよね。これ40億年先の未来でも浦和駅前の高級店じゃないとシミが落ちない特殊ナノ繊維なんだわ」
クレオパトラ:「ああ、光命様! 敵の呪術によって、ナイル川からなぜか大量の鮭の稚魚が遡上してきておりますわ! エジプトの生態系が、鎌倉の好物によって破壊されてしまいます!」
魔界光命:「ナイル川に鮭って、ただのサケの塩焼き食べたい頼朝の私欲じゃねえか。よし、クレオパトラちゃん、ちょっと耳塞いでて。俺の聖剣『浦和』の最低出力の微振動で、あのおじさん顔のスフィンクスどもの因果律を分子レベルでシェイクしてやるから」
源頼朝:「フン、口先だけの若造が! 異国の剣など、我が名刀『髭切』の錆にしてくれるわ!」
魔界光命:「錆びるのはお前の幕府のシステムの方だよ。はい、脳内同期完了。スキル起動――」
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