新しい街、新しい出会い⑧
「ルカさん、今日も買取お願いします。」
「おぉ、アイラ。……今日は友達も一緒か?」
「はい! さっきお友達になりました。」
ほわぁぁぁぁとか悲鳴を上げながら倒れるセリーちゃんは無視した。
「変な子みたいだが、悪い子じゃなさそうだな。」
「でしょ。」
私の友達がルカさんにも分かってもらえたみたいで嬉しい。
「その子とパーティを組むのか?」
それは考えてなかった。
嫌だという意味じゃなくて、考慮してなかったという意味で。
そっか。
そういう手もあるんだ。
かなり危ないところもあったけど、彼女は結構優秀だ。
冒険者になってわずか三カ月で、ルインダンジョンにソロで挑めるほどの実力がある。
それに彼女と一緒にいれば、少しは目立たなくて済むかもしれない。
「うん。レオに滞在する間は、それも良いかも。」
「そそそそそそんな、私なんかがア、アイラちゃんと……一緒に、パーティを?」
「嫌だった……? アイラちゃんって呼ぶのもちょっとぎこちなかったし……。」
勝手なことを言って、不快にさせただろうか。
もしそうなら申し訳ないことをした。
「あー、アイラ。多分、この子はそういうのじゃないと思うぞ……。」
「?」
ルカさんも何か歯切れが悪い。
突然、セリーちゃんが目を大きく開いて私の手を取った。
「組みましょう!!!!!!!!」
クソデカボイスで鼓膜ないなった。
「今日はルインダンジョンに行ってたのか。」
ポイズンマルムの素材などを出すと、ルカさんはすぐに気付いたようだ。
「まぁ、バタビーを難なく倒せるなら心配はいらんだろうが。くれぐれも深層には近づくなよ。」
「当然。分かってますよーだ。」
口煩いルカさんに、ちょっとだけ反抗的な態度を取ってみる。
もちろん本気じゃないので、ルカさんも笑っていた。
「そっちのお嬢ちゃんはマーチャントなら、俺の店での買取はいらないよな?」
「はい。マーチャントギルドの方で買い取ってもらうつもりです。」
そっか。
確かにマーチャントであるセリーちゃんは、マーチャントギルドに卸した方が良いだろう。
そちらなら流通も確かだし、高く売れる期待もある。
私は魔導都市レオにいる間は、できるだけルカさんのお店に卸したい。
だけどルカさんのお店で買い取れないものは、セリーちゃんにお願いして一緒に売ってもらうのも有りかもしれない。
もちろん、お願いした時は手数料は払いますとも。
「それじゃあルカさん、またね~!」
「おう、またな。」
ルカさんと別れて、セリーちゃんと一緒に帰る。
彼女は私とは違う宿を取っているため、ちょうど良いところで別れることにした。
「それじゃあ明日の日の出後、太陽がここの位置くらいの時間にここで。」
さっき、しばらく一緒にパーティを組む約束をしたので、明日の待ち合わせ時間と場所を決めた。
大体、朝の八時頃を目安に集合することになっている。
ちなみに、どちらかが遅刻したら宿まで迎えに行くことになった。
寝坊するとしたら多分、私の方だろう。
気を引き締めねば。
「じゃあアイラちゃん、また明日。」
「うん、セリーちゃんもまた明日ね。」
お互いの姿が見えなくなるまで、大きく手を振って別れた。




