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48 反撃のために

「だったら、これで――」


 俺は『付与魔術・第三術式』を発動した。


 以前の光竜王戦では決め手となった術式だけど、今の奴には通じないかもしれない。


「だから――」


 二度、三度……。


 術式を重ねて発動する。


 全部で――五度。


 合計で160万以上の膨大な強化ポイントを消費し、俺の背後に無数の武具が浮かび上がった。


「目標――光竜王及び竜牙兵! いっけぇぇぇぇぇっ!」


 轟っ……!


 それはまさに無数の武具による嵐だった。


 吹き荒れる衝撃波が床をえぐり、壁を削り、舞い上がる砂塵で周囲が何も見えなくなる。


 煙る視界の向こうには、うっすらと人型のシルエットが見えるけど――。


「どうだ……!?」


 俺は目を凝らした。




「前の光竜王なら、それが決め手になったかもしれんが――」




 声が、響く。


 煙の向こうから現れたのは、無傷の光竜王だった。


「今の我は、そうはいかん」


 その前面に無数の鱗が浮かび上がっている。


 それらが発する光がつながり、半球形のドームを形成していた。


「第三術式――【竜鱗(りゅうりん)の盾】」


 光竜王が静かに告げる。


 たぶん竜形態の鱗をはがして【強化】し、防御壁にしたんだろう。


 俺の『第三術式』の威力が、奴や竜牙兵たちまで届いていない――。


「この盾は我の防御術【竜鱗壁(スケイルシールド)】に強化を施したもの。任意に、いつでも、何枚でも出現させられる」

「【竜鱗壁(スケイルシールド)】……確か七竜騎が使っていた――」

「我がボルンに授けた術だ」


 と光竜王。


「七竜騎たちの使う技や術は、いずれも我が授けたもの。レドグフの【竜牙兵生成】、ボルンの【竜鱗壁(スケイルシールド)】、ライエルの【竜脚加速(アクセル)】、ゴーゼスの【竜爪の槍】、ザーダの【竜武具創生】、グライドの【竜咆燐光撃(レーザーロア)】、ヅィランの【竜眼】――いずれも我がその起源(オリジナル)だ」


 七竜騎の力全てを合わせ持つ王――か。


 もちろん、俺はその七竜騎をあっさり打ち破ってきた。


 けれど奴の使う技は単なるオリジナルじゃない。


 それらを超強化したものなんだ。


 気を抜いていいわけじゃないし、バリエーション豊かな攻撃方法は脅威だった。


「お前の第三術式は、我と我が兵士たちには通じんぞ」

「くっ……」


 光竜王自身は最奥でサポートに徹し、大量の【強化】竜牙兵による数の暴力でゴリ押しするスタイルか。


 こいつは厄介すぎる――。


「レイン様、あたしたちもいますよ」

「レインくん一人の攻撃が通じないなら、あたしたちも頼ってよね」

「そうそう、俺たちもちゃんと戦力としてカウントしろよ」


 リリィ、マルチナ、マーガレットがそれぞれ俺を勇気づける。


 ――そうだな。


 俺にはみんながいる。


 たとえ第三術式でさえ通じないのだとしても――。


「全員で連携しよう」


 俺は三人に言った。


「レイン様、あなたは付与魔術師……本来なら後衛に位置するクラスです。前衛はあたしたちにお任せを」

「レインくんは後ろからフォローして」

「俺たちが道を切り開く」


 と、リリィたちが剣を構え直した。


「わかった。三人とも無茶はするなよ」


 俺は精神を集中しなおす。


 後衛からのフォローとなれば、やっぱり第三術式を中心に戦うことになるだろう。


 とはいえ、闇雲に撃ったところで、さっきみたいに【竜鱗の盾】に阻まれる。


 それに後衛の位置から攻撃するなら、三人が攻撃の巻き添えにならないように気を付けなきゃいけない。


「――やるぞ、みんな」


 俺の号令を合図にしたように、竜牙兵たちがいっせいに襲い掛かってきた。


「我が兵は盾であり剣でもある。お前たちが退けば攻撃に転じ、お前たちが討って出れば守りに回る。攻防一帯のこの布陣――決して敗れはせん」


 光竜王が静かに告げた。


 確かに、奴の布陣は鉄壁かもしれない。


 だけど、負けてたまるか。


「勝つのは俺たちだ――」




 だが、意気込みとは裏腹に、俺たちは守勢に回っていった。


 どうしても数の暴力に押し込まれてしまう。


「このっ!」


 俺は三人が後ろに下がったタイミングで第三術式を放ち、竜牙兵をまとめて薙ぎ払おうとする。


 が、光竜王もそれに合わせて【竜鱗の盾】を展開し、俺の術式を防いでしまう。


 タイミングを計って意表を突いたり、連続して使ったりといろんなパターンを試したけれど、光竜王はそのことごとくをブロックしていく。


「硬い――」


 まさに、鉄壁だ。


 対するこちらはリリィ、マルチナ、マーガレットが徐々に疲労していく。


「まずいぞ……」


 背中をぬるい汗が伝った。


 確実に、じり貧だった。


 どうにかして、この状況を打開したいところだけど、策を思いつかない。


「――いや、一つだけある」


 俺は唇をかみしめて、うめいた。


「やれるか、俺に……?」


 自問する。


 自信はない。


 可能かどうかも分からない。


 だけど――。


「やるしかない……!」


 今こそ、さらなる上の領域へ。


「俺が、やるんだ」


 付与魔術・第四術式を――!


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