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第6話 二つ目

 ビゲートさんとのやり取りを一通り終えた僕は改めて判明したことを繰り返していた。


「ええと、まとめるビゲートさんはマッピングスキルの効果の一つで、道案内がメイン、賃貸契約についてもサブ的に対応してくれる。そして、マッピングスキルは、人類が足を踏み入れたことの無い場所を僕が通過すると、その所有権を得ることができて、そこに棲む魔物と土地の賃貸契約を結べると。賃貸契約で魔物側から提供されるものは交渉次第で、契約時は魔物との意志疎通をマッピングスキルが補助してくれる。で、あってる?」


 つらつらと述べたあとに、僕はビゲートさんに確認する。


『合っております。その復唱は必要だったのですか』

「えっ?」

『失礼しました。エルダ=ラースロットの認識能力を再設定いたします』

「ちょっと、まってまって。いや、理解出来てないから再確認した訳じゃないから。認識に抜け落ちが無いかを、念には念をいれただけだからねっ!」

『もちろんです』


 ウンディーネ=ロペの顔でそんなことを言い出すビゲートさん。まるで僕の認識能力が低いような物言いに、思わず反論してしまった。


 精霊種独特の、人間離れした美貌もさることながら、ちょっとその顔にトラウマ気味だった僕は、ビゲートさんに実はちょっと遠慮気味だったのだ。


 その遠慮をぶち抜くように突然失礼なことをビゲートさんが言い出したので、思わず僕も反論するときに言葉づかいが崩れる。


 ──あれ、もしかしてわざとかな? そんなにビゲートさんって知性高いのかな。


「──はぁ、もう、そう言うことでいいや。あと、僕のことはエルダで。僕もビゲートって呼ぶから」

『わかった、エルダ』

「うぐっ──」


 自分で言っておいて何だけど、ウンディーネ=ロペの美しい少女の顔でそのビゲートの言葉づかいは違和感がある。とはいえ今から直そうとすると今度は何を言われるかわかったもんじゃない。


 そのまま、受け入れることにするのだった。


『さっそくだが、エルダ』

「なに?」

『賃貸契約だ。レッドリザードが一個体、エルダの土地に居住希望だ』

「えっ、でも、どこ」


 僕は近くにレッドリザードが居なくて尋ねたのだが、どうやらビゲートは違うように受け取ったようだった。


 ビゲートの顔の横に表示されていた地図が変化する。それは地上の魔の森の地図だった。

 僕がここ地下に落ちてからどうやっても表示させられなかったもの。


 その地上の僕が通ってきた地図の一部が拡大されていく。どうも、居住希望の場所というのが、僕が木の上に登ってレッドリザードを間近に観察した場所のようだった。


『契約交渉だ、繋がるぞ』

「え、まっ──」


 僕の制止は、残念ながら通じず、レッドリザードとの契約交渉が始まってしまった。

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