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第17話 地上へ

『いつでもよんでねー、エルダちゃまー』


 そんなことを叫びなから飛び去っていくサリエ=リーゼを、僕は地面に座り込みながら手を振って見送る。


 辺りには草木の臭いがたちこめていて、しばらく地下生活を続けていた身としては、なんだか懐かしい。


 僕はサリエ=リーゼの背にのせられて縦穴から飛び出し、そのまま、サリエ=リーゼは上空を旋回をはじめたのだ。


 それは縦穴の中を飛んでいるのとはまた違った怖さがあった。


 遥か下に見える大地はまるで作り物のようで、強く吹き付ける風と、時折襲う、ふわふわとした内蔵が浮き上がるような感覚は死を感じさせるものだったのだ。


 どこでも良いからすぐ下ろしてと懇願する僕を、サリエ=リーゼは、おちゅちゅめのところがありますーとおろしてくれたのがここだった。


 そのまま飛びさって、サリエ=リーゼが見えなくなったところで、僕はようやく足に力が戻り立ち上がるとマッピングスキルで周囲の地図を表示させる。


 そして気がついてしまう。


「──、おいおい、嘘だろ……」

『これはまた、賃貸契約のしがいがありそうだな、エルダ』


 マッピングスキルと同時に現れたビゲートが、僕と同じものを見ながらわくわくした様子で告げる。


「ビゲートは前向きだなー」


 そのビゲートの様子に、僕はふっと気が楽になるのを感じた。

 これまでビゲートと共にたくさんの賃貸契約に臨んできた経験のたまものだろう。


 地図には、僕たちを囲むように無数のモンスター達の存在が表示されていたのだ。

 そのほとんどが、トレント系のモンスターだ。


『ほら、早速きたぞ』


 地図上に表示されたトレント系の中でも最大のモンスターが、その場に留まったまま、こちらへと広がってくる。


「トレントオブライフ? 初めて聞くモンスターだけど、え、もう一体?」


 地図上に表示されるモンスターが二重うつしになっていた。


 それを確認する間もなく、僕の目の前の大地が盛り上がると、弾けるように何かが飛び出してくる。

 それは巨大な植物の根っ子だった。


 その根のうちの一部が変化し、人形をとる。


「ど、ドリアード!?」


 それはウンディーネと同じ四大の精霊のうちの一つ、ドリアードだった。

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