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第12話 二つ目の効果

「確かに、見やすくはなったかも知れないけど、見た目が変わっただけ?」


僕は立体的に表示された地図を眺めながら尋ねる。

どうやら地図全体をくるくると回せて、色々な角度から眺められるようだ。

僕が通った場所は相変わらず赤色で表示されていて、モンスターの位置も高さまで見ることが出来るようにはなっていた。


『あわわ、回しすぎだ。目が回る──』

「あ、ごめん」


ビゲートに言われて、僕はくるくると回転させていた立体の地図から慌てて手を離す。


『ふー。気をつけてくれ。で、見た目が変わっただけかと言ったな。甘いぞ、エルダ。地図で表示されるということは、スキルの範囲も表示される場所まで拡張されたのだ』

「それって、もしかして……」

『そう、登れない場所にいて、賃貸契約出来ていないエレキマタンゴも、表示範囲内なら、下を通るだけで契約対象となる!』

「ああ、そう、なんだ──」

『なんだ。なんだ。反応が薄いぞ』

「いや、まあ、そりゃね」


 つまり、ここ最近の、壁を登って地道にエレキマタンゴの高さまで上る作業が不要になったとは言える。

 ただ、微妙にこれまでの頑張りが無駄だったようにも思えてきて、僕は素直に喜べなかったのだ。

 そんな僕をビゲートが不思議そうに見ている。


 ──いや、完全に無駄ってことはないな。地道に一体一体、賃貸契約を結んだからこそ、こうやってスキルが進化したんだ。それにおかげで筋肉もついたしな。うん、無駄ではない、無駄ではない。


 しかし冷静に考えて、僕は自分自身を納得させることにする。

 そうしないとやりきれない気持ちになりそうだったのだ。


「それで、この3D表示ってのが、一つ目なんだよね。もう一つは?」

『よくぞ聞いてくれた。こっちはもっとすごいぞ』


 立体的になったビゲートが再びどやってくる。進化したことでウンディーネ=ロペの顔から少し変化したので、そんなどや顔も、どこか可愛く見えてくる。


『もう一つの効果は、なんと延滞さんのお呼びだしが出来るのだ』

「延滞さん?」

『延滞さん。賃貸料を払ってない魔物のことだ』

「を、呼び出すの?」

『そうだ。賃貸料の取り立てがめちゃくちゃ楽だぞ! まあ、呼び出して、賃貸料を払えないと言われたら、その場で体で払わせることも出来る。どうだ、凄いだろ』


 なんだかビゲートがそんなとても不穏なことを言い出したのだった。


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