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7の7 興味がないのかな?

 ある時、『エルは他の女の子に興味があるみたいなの』と書かれていた。これを読んだオーリオダムは、すぐにイロフスキー侯爵の元へ行き、メールボックスを注文した。『もしかしたらチャンスは来るかも』今まで0だと思っていた可能性が、1になった。オーリオダムは、それだけで頑張れた。


 オーリオダムが、高等学校4年生になる頃、いわゆる『ビデオカメラ』が完成した。ガーリウム王国で、『黒い箱』と言われていたものだ。

 イロフスキー侯爵は、『ビデオカメラ』をいくつか用意し、付き合いの長いガーリウム王国へ、試し使いのために送るという。オーリオダムは、『メールボックス』の使い方を書いた紙を同封して、エマローズ宛に一緒に送ってもらうことにした。


 オーリオダムが送った『メールボックス』がそろそろ届くかと思われる頃、エマローズからの手紙がオーリオダムへ届いた。『私と私の友人が、婚約者たちに不誠実なことをされているの』という手紙だった。オーリオダムは、急いで返事を書き、『メールボックス』で、送信した。


 それから1週間して、やっと『メールボックス』がエマローズからの手紙を受信した。エマローズの驚きの気持ちが綴られていた。オーリオダムが本当に知りたいことは書かれていなかった。


 それから、『ダムに迷惑はかけられないわ、1日1回にしましょう』というエマローズの気持ちを優先して、二人は手紙のやり取りを毎日した。


 そうした、文章の中で、『エンゾラールからの不誠実な対応はあるということ』は伝わってきた。


 エンゾラールの不貞を知ったときには、怒り狂った。だが、たまたまそれを読んでしまったグレボウナの奥様リュドミーラさんに


「この女性の方、エンゾラールという方に全く興味をお持ちでないみたいですわね。不貞をされて、この冷静な対応はありえませんわ」

 と言われ、少し落ち着いた。


 エマローズの友人が1人また1人、自由を手にしていく。


 その日の手紙には、エンゾラールの金遣いについて、書かれていた。驚いたオーリオダムは、父親サンドエク伯爵へ、『僕のお金があるから、一族のためになら使ってください』と手紙を書いた。『メールボックス』の売上は、イロフスキー侯爵の計算のもと、オーリオダムに、多くの貯蓄をもたらしていた。

 3月後、父親からの手紙には、『ダムのお金はダムのものだ。逆に、エルのお金もエルのものだ。たとえそれが、借金というお金であったとしても。


そう、思ってはいるが、一族を道連れにはできない。その時には、ダムに私の爵位を買ってもらいたい。

すまない』と、書いてあった。

 驚いたオーリオダムは、グレボウナとイロフスキー侯爵にこのことを相談した。


「お父上がそう決断したときには、そうしてあげなさい」

と、イロフスキー侯爵から助言を受けた。


 父親とのやり取りの間もエマローズとの『メールボックス』文通は続いている。友人たちの心配をするエマローズ。オーリオダムは、リュドミーラに言われてから、エマローズからの手紙を意識して読むようになると、本当にエマローズはエンゾラールに興味がないのだと察せられた。

 オーリオダムは、それを喜ぶ気持ちと共に『僕のことにも興味がないのかもしれない』と怖くなった。まだエマローズに愛の言葉をかけることはできなかった。 


 年が明け、オーリオダムは、エマローズに会いに行く決心をした。グレボウナは、『連れて逃げてこい』とまで言ってくれた。イロフスキー侯爵も笑って、グレボウナに同意してくれた。

 

 ガーリウム王国の港までは、イロフスキー侯爵も、一緒に行ってくれることになった。日程に余裕を持って行ったはずが、雪で遠回りを余儀なくされたり、海が荒れていて、出港できない日があったり、とにかく遅れた。

 エマローズと『メールボックス』文通は続いている。卒業式一月前には、エンゾラールとエマローズの婚約が白紙となった。オーリオダムの気持ちは急いたが、天候ばかりは仕方がない。オーリオダムはエマローズに『大丈夫、僕が何とかするよ』と書き続けた。


 ガーリウム王国の港に着いたときには、残り日数が、エマローズの卒業式ギリギリであった。

 イロフスキー侯爵は、そこからまた、船で他国へ向かった。

 オーリオダムは、港から、馭者一人護衛として冒険者2人を雇い馬車で王都へ向かった。一度だけ野盗に襲われたが、護衛たちのおかげで無事だった。雨が降り足が遅くなる。


 エマローズとの手紙は続く。オーリオダムはエマローズに心配はかけたくないので、オーリオダムの状況は書かない。『エマローズたちが断罪されるようだ。助けにいかなくては!』オーリオダムは焦っている。ここからでは何もできない。


 とうとうエマローズの卒業式の日になってしまった。まだ、王都までの距離はある。オーリオダムは、馬車に荷物だけを頼み、自分たちは、馬で先に行くことにした。

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