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Please speak!  作者: 長野原春
87/113

校長先生と面接です

『さて問題、今日私がいつもと違うところはどこでしょう!』

「違うとこ?」

 何か変化があるだろうか。

 いつもしているヘアピンは変わらないし・・・。

「ヘアピンの敗色が違うわけでもないしな。」

『そんな細かいところじゃねえよ。』

「ちゃんとイタリアしてるもんな・・・。」

『イタリアいうな。』

 左側の横髪・・・触覚?っていうのかな。

 そこの部分にミー子がいつもつけているヘアピンは上から緑、白、赤の順でついている。

 イタリアにしか見えない。

「にしてもヘアピン多いよな。」

『そんなに?』

「6つもヘアピンしてるやつ他にいなくね?」

『まあいいじゃない。私なりのおしゃれというやつですよ。』

 触覚に3つ、左の後ろ側に(耳を出す目的で)1つ、逆側の前髪に銀色のヘアピン2つ。

 多いような気がする。

『というかそんなのいつもじゃない。今更?』

「まじまじと見るとちょっと気になってな。」

『減らした方がいいかな?』

「いや、別に減らす必要はないと思うぞ。面接の時は気を付けた方がいいだろうけど。」

『そりゃ外してますよ。』

 さて、ミー子のいつもと違うとこ・・・。

『いきなり何すんのさ。』

 ミー子の顔を触ってみた。

「化粧してないよなって思って。」

『したことないわ。大人になってから肌がボロボロになる原因になるからね。』

「んー、じゃあ何だろうなあ。」

『ちゃんと見れば気づくはずですよ。』

 ちゃんとねえ・・・。

 太っ・・・たわけでもなさそうだし。

 うん、いつ見てもミー子の脚はきれいだな。

 そしてそのすらりとした脚を包んで美しさをさらに引き立たせる黒タ・・・あれ?

 太ももが見えている・・・だと?

 いや、しかしちゃんと黒・・・ニーソだ!!

「珍しいなオイ!?そんなん持ってたのか!?」

『気づいたね。そうさ!今日の私は黒タイツではなく黒ニーソ!』

 黒タイツ大好きだけど、これもこれでなかなか・・・。

 うん、これが絶対領域というものですか。

 ・・・ほほう。

『というわけでね、今日は少しだけスカートが短いんだよ。』

「あ、ほんとだ。」

 いつもなら膝までとはいかなくても他よりも少しスカートを長めにしているミー子だが、今日はその絶対領域のためかスカートが短くなっている。

 たまには少しスカートが短いミー子も・・・いいな。

『でも少し恥ずかしいね。ここに視線が集まってくるのかと思ったりするとね。』

「やー、見ちゃうね。」

『これがHENTAI・・・。』

「なんとでも言え。」

 今はミー子のニーソを堪能させていただくことにしよう。

『やだー、なっちが見つめてくるー。』

「うへへへへ、さあ、我にその美味そうな絶対領域をさらせー!」

『ド変態やん。』

「急に真顔になるなよ。」

『めっちゃ変態ちっくじゃん。』

「ここは乗るのがお約束だろう。」

『わざと冷めるのもまた約束の一つ。』

「やだなそれ!」

 でも・・・なんだ、たまにはいいな。

『そんなに好きかい。』

「いや、珍しいし、たまにはこういうのもいいなって。」

『いいなってことは好きなのね。舐める?』

「舐めねえよ。」

 そこまでの趣味は持ち合わせていない。

 あ、でもニーソ合わせて太もも触りたいかも・・・言わないけど。

『なっちの視線がエロい。』

「そ、そんなことないぞ。」

『エロオヤジの顔してる。』

「そんな人聞きの悪い。」

 俺は健全な男子高校生だぞ。

 さて、そろそろ他のやつらも登校してくるだろうからやめておくか。

『この続きは家だね。』

「しません。」

 いや、魅力的なんだけどね。


「おいっす!」

 京介が登校してきた。

「今日早くね?」

 いつもは遅刻ギリギリのはずが、今日はまだHR10分前だ。

「あー、陽花と一緒に登校してきたからじゃね?」

「家の方面逆方向じゃなかったっけ。」

『まさかOTOMARI・・・。』

「してないよ!普通に早起きして陽花の家まで迎えに行っただけだから!」

「おアツいのう。」

『まったくですなあ。』

「普段からお互いの家にお泊りしてる上に毎日一緒に登校してる夏央と美衣ちゃんには言われたくないんだけど?」

『なっちは私の家にはあまりお泊りしないかな。』

「そういう話じゃないんだよ美衣ちゃん。」

 朝迎えに行くとかすげえじゃん。

 俺なんかいつも起こされてるのに。

「でもなんでまた急に?」

「一緒にいたい、ただそれだけサ。」

『京介くんってこんな感じだったっけ。』

「いや知らねえけど。」

「夏央も美衣ちゃんもひどいな!?」

 まあ俺とは違ってクラス替えで別々になっちゃったから会いたくなったんだろう。

 つっても京介と祈木が放課後何してるか知らないけど。

「そういえば夏央と美衣ちゃんが一緒に登校しなかったことってあるの?」

『去年私が休んでる間はあったじゃん。それに、なっちが入院してる間も私だけだったし。』

 去年・・・ああ、いろいろあった時か。

「あー、えっと、それ以外でさ。」

『ないかな。なっちのこと置いて私だけ登校したら間違いなく遅刻か休むかすると思うし。』

「確かにねえな。いつも感謝しております・・・。」

 とりあえず拝んどこ。

「俺らよりアツくね?」

『アツくはないかな。』

「そうなの?」

「・・・(こくり)。」

 ミー子はアツくないらしい。

 かくいう俺もアツいとは思っていない。

『私たちの中ではもうこれが当たり前って感じだし。』

 言いたいことをミー子が言ってくれました。

「それ、俺から言わせれば激アツだからね。もうまぶしいわ。」

「意味わかんねえよ。」

「・・・(こくり)。」

「もうなんか夫婦みたいじゃん。」

 夫婦か・・・。

『私が夫?』

「なんでだよ。」

『なっちは主夫でもいけるもんね。』

「いけねえよ。男として普通に家庭を養いたいわ。」

『でも私も一緒に働くじゃないの。』

「確かに・・・。」

 じゃあミー子と家庭を支えていこうということですかね?

「なんか、夏央と美衣ちゃんは絶対にはなれないような気がするよ。別れる気配全くないもんね。」

『多分一緒にいない方が無理よ。』

「俺もそう思う。」

 ミー子と離れるとか絶対無理だもん。

『もしなっちがフランスに修行の行くなら私もついていくから。』

「やっぱり夏央と美衣ちゃんはアツいな。」

 アツいの基準がよく分からなくなってきた。

「そういえば美衣ちゃん、声の復活は順調?」

「・・・ん。」

 相変わらず言葉は発しないものの、音は聞こえるようになってきた。

 まだ音も小さいけどね。

「じゃああれだ!これからは『うん』の返事だけ頑張って声出してみようよ!」

「・・・ん。」

 別に喉も痛くなさそうだし、大丈夫かな。

「で、夏央は声出せんの?」

「ナメてんのか。」

『なっち声出せたの!?』

「どういう意味!?」

 さっきも普通にしゃべってたよね!?

「あれ、美衣ちゃん今日タイツじゃないんだ。」

 俺への返答はどうした。

『気づいちゃった?なっちより気づくの早いじゃん。』

「おいおいそれでいいのかよ彼氏ィ。」

 ああ、勝手に話が進んでいく。

 こいつら本当に自由だよな・・・。

『どうなん?えろい?』

「確かに絶対領域はくるものがある・・・が!申し訳ない美衣ちゃん!」

「・・・?」

「俺はニーソなら太ももがきゅっとなってる方が好きなんだ!」

「祈木に頼めよ。」

 ミー子は足細いからね。

 ニーソの口ゴムで太ももが締め付けられてるわけじゃないんだよね。

『エロいかどうか聞いてるんだヨォ!!』

「そこ!?」

「美衣ちゃんか・・・陽花の方がエロい!」

 ミー子が両手を握りしめて机にダンッ!と腕を落とした。

 がっくりしているらしい。

『なっち、私の敗因は何だと思う?』

「そりゃ、祈木は京介の彼女だからな。そういうことだろ。」

『ちげえだルォォォォォ!?どうせ豊満なボデェーだルォォォォォ!?』

 なんだかんだ言ってやっぱり気にしてたのか。

『オラァ!なっちも正直に言ったらどうだ!!お前もおっきなおっぱいが好きなんだろ!?』

「だから俺は気にしてねえんだっつの・・・。」

『そんな甘い言葉聞こえぬ!!』

 甘いのか。

『私が陽花の胸を包丁で削ぎ落してやるゥ。』

「物騒だな!?」

『そんで私に取り付ける。』

「無駄な努力はやめるんだ・・・。」

『憐みの目で見るなよ!!』

 そんなに気にしてたのか、胸。


「では鈴波さん、あなたの趣味を教えてください。」

「はい!私の趣味は、写真を撮ることです。家族や友人と出かけた時などに、思い出に残るような写真を撮ることが好きです」

 ついに校長先生との面接が始まった。

 今日は校長と俺と京介の2対1の面接だ。

 実際は他にもいたらしいが、休んでしまっているらしい。

 京介、写真を撮るのが好きなのか。

 ・・・修学旅行の時写真とか撮ってたっけ?

 俺の周り写真が趣味の人多いな。

 紗由さんとか、春姉とか。

 あと、今の話が本当なら、京介も。

 まあでも面接って聞こえの良いように趣味をねつ造したりするからな・・・。

 だってきっと本当のことを言ったのなら京介の趣味はゲームセンターでゲームをすることだろう。

「では次は絢駒さんに質問します。」

「はい。」

 おっと俺の番だ。

 さて何を質問されるんだ・・・?

 どんな質問をされても答えるぞ。

「絢駒さん、あなたは2年時のみ欠席が非常に多いのですが、どうされたんですか?」

 その質問は予想してなかった!

 これってそのまま言ってもいいのかな?

 京介もそんな質問が飛んでくると思っていなかったのか、顔が少し驚いている。

「はい、私は2年生のころに事件に巻き込まれまして、その欠席はその時に入院していたものです。」

「そうでしたか、ありがとうございます。」

 そうか、欠席日数とかもあるんだよな。

 実際の面接でももしかしたら聞かれるかも。

「では絢駒さん、現在の総務大臣の名前は答えられますか?」

 総務大臣!?

 まったく予想してなかったんだけどそれ!?

 そ、総務大臣・・・。

 あれ、総務大臣って何だっけ・・・総理大臣とは違うんだっけ?

 それなら安住さんとは違うよな・・・。

 ええと・・・。

「の、野村さん・・・。」


「というわけで、私の面接練習は終わりです。じゃあまずは鈴波くんからコメントを。」

 京介からか。

 俺から先にしてくれよ、緊張しちゃうだろ?

「鈴波くん、趣味の話をしている時はとてもよかったです。あのように説明を交えることで、話している間にほかのことも考えられるでしょう。面接としてはいい時間稼ぎになります。」

 時間稼ぎ・・・?

「絢駒くん、急にあのような質問をしてすみません。ですが、面接では時々ああいう質問が飛ぶときがあります。ではその時、面接官は何を見ているか分かりますか?」

「ほ、本人の政治への関心・・・ですか?」

「そうではありません。本人の目線や、態度を見ているのです。ですから、適当に答えることや、下を向いて考える、沈黙と作るといったことは避けましょう。」

 そんなこと言われても。

 いきなりあんな質問されたら考えちゃうでしょうよ。

「分からないのであれば、「少し時間をいただいてもよろしいでしょうか?」と聞いたり、素直に分からないですと言ったりすることも大事ですよ。面接官に適当な人だと思われるのは、なによりも減点です。」

 くそう・・・突然の質問に戸惑ってしまった・・・。

「あとは、考えていても面接官の目を見ましょう。それだけでも、面接官の評価はだいぶ変わりますよ。」


「面接官の目を見る、か・・・。」

「目を見て話すのは夏央苦手じゃないじゃん。大丈夫じゃね?」

「いや、面接官とか怖いじゃん・・・?」

「気持ちはわかるけどもさ。」

 面接後、京介と教室で話す。

 ミー子は那空(なあ)さんと用事があるとか何とかで先に帰った。

「いきなりあの質問は卑怯だよな・・・。」

「案外普通の面接でも飛んでくるかもよ?特に就職面接なら答えた方がいいよね、きっと。」

「まあ営業とかそういう系の職業なら答えられた方がいいのかもな。」

 総務大臣とかそんなの答えられないっすよ。

 政治とか興味ないもん。

「でもあの問題は俺に飛んできても答えられる自信なかったなー。」

「だろ?さすが校長、意表を突いてくるな・・・。」

「でもこれで予測できるようになってよかったじゃん。本物の面接でいきなりアレされたらやばかったかもよ?」

 確かに・・・アレを本番でされてたら俺適当人間のレッテルを貼られてたな。

「そんで、やっぱり京介は考古学の方に行ってみるの?」

「そうだね、そっちやりたいや。」

「祈木には話したのか?」

「うん、ちゃんと話したよ。陽花も頑張れってさ。」

「そうか、それならいいんだけどさ。」

「子どもを心配する親みたいだね。」

「うっせ。」

 考古学はやっぱり家を空けることが多い。

 父さんは今家にいるけど、いつまた家を空けるかもわからない。

 そしてやっぱり家を空けていると寂しがる人がいるのだ。

 京介と祈木が絶対に結婚するとは言い切れないけど、残される方もちゃんと話してもらった方がいいだろう。

「夏央はあれだね、たとえば俺が世界の調査から帰ってきたら夏央と美衣ちゃんの作るお菓子で俺の心と体を癒してくれるんだよね。」

「金払えばね。」

「守銭奴!」

「こっちだって商売でやるんだよ!お菓子作るのは好きだけど!」

 さすがにね、採算が取れないと店もやっていけないだろうしね。

「夏央はどんなお菓子を作るのが得意なの?」

「んー、バイト中によく任せてもらったるのはモンブランかな・・・。」

「もうプロじゃん。」

「案外難しくないぞ?」

「いやいやいや、それは夏央だからでしょ。普通の人はそんなの得意とか言えないって。」

「そうかなあ。」

 まあもう慣れたっていうのが一番大きいんだと思うけど。

「しかもテレビとか見てると難しいとか聞くけど。」

「えー?」

 そんな気はしないな。

 やっぱり慣れかな。

「俺に作ってくれてもいいんだよ?」

「店に来て頼んでください。」

「いくら?」

「580円、飲み物も一緒に頼むとお得だぞ。」

「今度陽花と一緒に行くかあ・・・。」

 京介が財布の中身と相談する。

 大丈夫、ゲーセンを何日か我慢すれば余裕だよ。

「今度夏央の家に遊びに行こうかな。」

「どうしたいきなり。」

「いやほら、休みの日に美衣ちゃんとお菓子の練習とかしてるんでしょ?」

「結局食いたいだけじゃねえか。」

「あ、バレた?」

 バレバレですね・・・。

「普段は作った後どうしてるの?」

「んー、家族がほとんど食ってるかな。あとは春姉の友達とか。」

 春姉の友達で思い出した。

 今週の休みにでもチーズケーキを作ろう。

 心待ちにしている人がいる。

「じゃあ俺が食いに行っても問題ないな!」

「今はクリーム絞りの練習がほとんどだから来ても作ってない可能性が高いぞ?」

「えー・・・。」

「仕方ねえだろ、受験に必要なんだよ。」

「受験にクリーム絞りかあ・・・さすが専門学校って感じだね。」

「俺は一品作れって言われるのかと思ってたんだけどな。」

「それだったら夏央はモンブラン作っちゃうね。」

「確かにそれもアリだったな。」


「って、今日は俺と帰るのか?珍しいじゃん。」

「たまには夏央の家の方まで行こうと思ってね?」

「あんまり家近くないだろ。」

「いーのいーの、俺は夏央たちと違ってまだ受験まで時間あるから。またこれから追い込むよ。」

 ああそうか、京介は一般受験だったっけ。

 まあ京介のことだ、受験に関しては何も心配はしていない。

「そういえばさ、京介は前に事故って肋骨折ったよな。もうなんともないのか?」

「いつの話してんだよ。もう全然大丈夫。」

「いつの話って・・・結構心配したんだぞ?」

「夏央は優しいもんなー。そういう夏央こそ、刺されたときの傷は治ったのかよ。」

「バッチリ跡が残ったぜ。触るとくすぐったいんだよ。」

 結局あの時刺された3ヶ所は大きな傷跡となって残ってしまった。

 最近気にすることはなかった・・・まあもう痛くないしな。

「さすがに二度目はないと思うけど・・・夏央、気をつけろよ?」

「それを言うなら交通事故の方だろ。二度目あるかもだぞ?」

「大丈夫大丈夫、撥ねられても俺の華麗な舞空術で着地するから。」

「いつの間にそんなもん身につけたんですかねえ。」

 いっそのことびっくり人間コンテストにでも出たらいいと思う。

「ここだけの話だけどな、夏央が入院してた時の美衣ちゃんやばかったんだぜ?授業とか完全に上の空だったし、一回学校を遅刻してきたしな。髪もぼさぼさですごかったよ。」

「知らなかった・・・。」

「それだけ夏央が大切だったってことだろ。」

「それ言ったら京介が入院してる時の祈木も相当だったぞ。」

「そうなの?どんな感じだった?」

「そうだな・・・。」

 久しぶりに京介と一緒に帰った。

 このまま進学したら、もうこういうこともなくなるんだよな。

 何気ない時間だけど、大切にしなきゃな。

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