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Please speak!  作者: 長野原春
25/113

友人が心配です

「おいおいまじかよ夏休みってこんな短かったっけ。」

『楽しかったから仕方ないね、旅行。』

「いやそれだけかよ。」

 えっと、ゲームして、宿題して、旅行に行って、バイトして、ゲームして、ゲームして。

 うおおおまじかよこの夏ゲーム三昧で終わった・・・。

 結局あいつらともプールとか行けなかったし。

 あああミー子の水着見たかった・・・。

『まあでもなっちのおかげで宿題が早く終わったからよかったよ。』

「な?先にやっとけば後が楽だっただろ?」

「・・・(こくり)。」

 思えばゲーム三昧はこれが原因だったかもしれない。

 おかげでキャラクターもほぼフルまで育ったし。

『とりあえず、起きて。』

「はい・・・。」

 7時に無理やり起こされ、まだ眠いのにベッドから落とされた。

 これだから学校は・・・。

『ほら、制服用意しておいたから着替えて。』

「すんません。」

 そしてお前は母ちゃんか。


「おはよう・・・。」

「まったく朝からミーちゃんに迷惑かけてんじゃないよ!」

「へいへい。」

 母さんは朝食を作ると、さっさと出て行ってしまった。

 ・・・仕事が大変なら、俺が一人で作るのに。

 もしくはミー子が作ってくれるのに。

『ほーら、早くいきますよ。』

「わかったって。」

 せかしてくるので急いで飯を食う。

 まったく、早く食べたら味が分から―――このウインナーいつもと味が違う。

 なんかのタレで焼いてあるな。

「なあミー子、台所になんかタレみたいなの置いてない?」

『ああ、源たれ。』

「源たれ?」

 なんだそれは。

『実家から送られてくる。うまいたれです。』

「たしかにこれうまいな。」

『こっちで買うとお高いのよ。』

「これ青森のやつなのか・・・。」

 ミー子の実家は青森であり、たまーに夏休みに帰ったりしている。

 その間ミー子が3日間くらいいないので少しさびしかったりする。

 まあ、大体うちに京介を呼ぶんだけどね。

「さあ行くぞ。」

『待ってたのこっちだぞ。』

「ごめんなさい。」

 まだ暑い外に出て、学校に向かった。


「へーいアヤ!かがみん!おひさ!」

 教室にまた祈木の元気な声が響いた。

「もー!結局みんなでプール行けなかったじゃん!」

「しかたねーだろ?バイトの休みの日が合わなかったんだから。」

「バイトしてるのアヤとなーみんだけだよ!」

 仕方ない、京介と俺の休みが合わなかったんだ、仕方ない。

『私胸無いから水着着たくない。』

「ミー子、お前ふだん気にしてないって」

「・・・(どっす)。」

「ごふぉぁあ!?」

 強烈な右ストレート。

 腹に一直線できました。

 直前に腹筋に力を入れるとあまり痛くないよ!

「もー、アヤもばかだなあ。」

「なにおう!」

『さすがに人がいっぱいいれば気にするわ。それにこの隣の人も大きいんだから。』

 隣の人、と言われて思わず祈木を見る。

 ・・・ほほう、制服の上からでもわかるふくらみが。

『なっち目が変態。』

「それどうすればいいんだよ!?」

 目が変態って治しようがないだろっ!?

 いいんです、男はみんな変態なんです。

『ばっかやろー。』

 ミー子がそっぽを向いてしまった。

 京介はまだ来てないのか。

 そのあと、チャイムが鳴っても京介が来なかった。


「えー、皆さんにお知らせがあります。」

 HRの時間に少し遅れた先生が、ちょっと真剣な面持ちで話し始めた。

「―――鈴波京介が、事故にあいました。」

 思わず立ち上がった。

「ど、どういうことですか!?」

「ま、まあ落ち着いてくれ、絢駒。」

 先生がなだめるが、そんなことは気にしていられない。

 きょ、京介が事故・・・!?

「鈴波が、通学中に車に当たっちまったらしい。今は近くの病院に運ばれてる。死んではいないみたいだ。」

 それを聞いて安心する。

 ・・・が。

「い、今からお見舞い行っても大丈夫ですか?」

「欠席扱いになるけど大丈夫か?」

「皆勤はもう狙えないんで!」

 あわてて教室を飛び出した。

「京介・・・!」

 急げ、急げ。


「京介!」

「お、夏央じゃん。どした。」

 病室には、意外なほどケロッとした京介がいた。

「へ、平気そうだな。」

「当たり所がよかったんじゃね。」

 京介が笑う。

 一気に体の力が抜けた。

「は~~~・・・ぁ。よかったー・・・。」

「え、俺の事心配してくれてた感じ?」

「あったりまえだろ・・・。俺が認める数少ない男友達なんだからよー。」

「おーマジか。俺感動だわ。うわぁぁぁあぁん。」

 京介が棒読みでうそ泣きをした。

「・・・っ!」

「なーみん!」

 そして、病室に駆け込んできたのは俺だけではなかった。

「美衣ちゃん、陽花!」

『大丈夫?』

「平気!?なんともない!?」

「ん、ああ、大丈夫だぜ、HAHAHA。」

 京介が大げさに笑った。

「あーもーマジ心配した!車にひかれたって言うからさー!」

『何事もなくて何より。』

「大丈夫大丈夫。すぐに退院するって。」

「なーみんがそういうならいいけどさー。かがみん、学校戻ろうか。」

「・・・(こくり)。」

「なーみん、早く戻ってきてよね!」

「すぐに戻るって。」

 2人は京介の無事を確認した後、学校に戻った。

「・・・お前、俺の笑いパクるなよ。」

「え?パクってねーだろー。自然と出ただけで。」

「もしや、無理してる?」

 大丈夫、とは言っていたが、腕には包帯が巻かれ、足は止血の跡がある。

 すげえ大事ってわけではなさそうだけど、それなりに怪我をしてるみたいだ。

「・・・ばれた?」

「いや、聞いてみただけ。というか無理してたのか。」

「肋骨が折れてるってさ。」

「・・・マジか。」

「んま、すぐに学校には戻れるけど、しばらく激しい動きはできないって。」

「ゲーセンお預けか。」

「音ゲーも結構体使うからなあ・・・。」

 京介がしょんぼりする。

「あと、しばらくは咳とかすると痛むらしい。」

「肋骨だもんな。」

「困ったなあ・・・。」

「仕方ねえよ。しばらくゆっくりしてろって。」

「バイト、休んじゃうことになるよなぁ・・・。クビにされなきゃいーが。」

「さすがにんな事はなんねーだろ。」

「あと、病院ってヒマだよなあ。」

「見舞い、ちゃんと来るから。」

「おお!夏央くん優しいですなあ。」

 病人には優しくして当然だと思う。

 ・・・こいつなら別にいいか。

 いや、でも。

「当たり前だろ?俺の数少ない友達なんだから。」

「かっこよくねーな。」

「うっせ。」

 かっこよくなんてなくていいんだよ。

 いいんだよ、俺の友達なんだから。


「にしても、京介が事故るとはなあ。」

『大事にならなくてよかったね。』

「確かにな。」

 学校に戻ると、始業式が終わっていた。

「ほんとにやめてほしいよね、あーいうの。あたしたちの心臓に悪い。」

「まったくだ。」

 京介のいないところで文句を言う。

 でもそれは悪い文句じゃない。

 平常心を保つための文句だ。

「ま、放課後にお見舞い行ってあげよっか。」

「・・・(こくり)。」

「あいつ寂しがり屋だからな。行ってやってくれ。」

「え、アヤは来ないの?」

「バイトなんだ。」

「えー。」

『えー。』

 仕方ないだろ。

 それに、京介の前でカッコ悪いこと言った手前、今日は会いたくない。

 顔赤くなっちゃう。

「よーし、2人で行こうか、かがみん。」

「・・・(こくり)。」

「ミー子は任せた。」

『保護者気取りですか?』

「最近なんかひどくね。」

 だんだん俺の扱い変わってきてませんかね?


「おーい、絢駒君、手が止まってるぞー。」

「あっ店長。すいません。」

「んー、何かあったの?」

「あー、友だちが事故にあいまして。」

「あらそれは大変!・・・かもしれないけど、今は仕事中だよ?」

 仕事中つったって割と京介のことが心配なんだよ。

「あのね絢駒君。確かに友だちが事故にあったら大変だね、心配になるよね。」

「はい。」

「でもね、お客さんからしたら絢駒君個人の事情なんて知ったこっちゃないんだ。そこは分かる?」

「・・・はい。」

「仕事終わったらお見舞い行くのもいいよ。でも、仕事中は仕事に集中しなきゃ。お金もらってるんだよ?」

「・・・そうですね。すみません。」

 店長の言ってることは正しい。

 ・・・感情では納得いかないけど。

 それでも、仕事にあまり集中できなかった。


「さっきは厳しいこと言っちゃったね。でもこれが社会よ?」

「働きたくねえ・・・。」

「なーに言ってんの。ここで働いてるでしょ?」

「じゃあずっと店長の下で・・・。」

「お、働いてくれるの?」

「・・・すいません考えさせてください。」

「私はいつでもオーケーよ?従業員募集中だから。」

 店長が笑った。

「あとね、集中できてなさが味に現れてるよ。あんまり露骨だとお客さんに気付かれるからね?」

「すいません・・・。」

「今日、謝ってばっかりだね?」

「まあ俺が悪いんで・・・。」

「そうだね、それが分かっただけでも十分だよ。」

 なんだかいつもより疲れた気がして、バイト上がってからすぐに家に帰った。


「ただいまー。」

「あ、夏央。お帰り。」

 家には、冬姉がいた。

 というか、冬姉しかいなかった。

「話聞いたからお見舞い行ってきたよ。京介の。」

「あ、ああ。」

「いやあ何とか生きててよかったね。なんかあいつ強がってたけど。」

「肋骨折れたんだと。」

「そんでなんともないって言ってたんだ。アホだねあいつもさ。」

「ホントだよな。」

「あと、夏央がカッコつけてカッコ悪いこと言ってたって聞いたよ~?」

「あ~・・・うん。」

「俺の数少ない友達なんだから、だっけ?」

「やめてくれ。」

 顔が熱くなる。

 いや友達が少ないのは本当なんだけど、何でカッコつけちゃったんだろ俺・・・。

「というか、母さんは?」

「仕事。今日は帰ってこないよ。」

「春姉は?」

「友達の家に泊まるって。」

「てことは。」

「今日はあたしと二人きりだね!」

 マジですか・・・。

「よっしご飯はできてるから食べたらお風呂入ろうか!」

「一人でいいです。」

「大丈夫、乱入するから。」

「風呂に鍵つけてえ・・・。」

 何で社会人の姉と風呂に入るんですかねえ・・・。


「どうどう?姉ちゃん、料理うまくなったっしょ?」

「確かに。練習でもしてんの?」

「そうそう。これなら家に誰呼んでも平気だよね!」

「え、冬姉、結婚でもすんの?」

「まさか。あ、でも夏央とならいいかな。」

「冗談はよしてください。」

 姉弟で結婚できるわけないでしょーが。

「さあさあもっと食べて!男の子なんだから、もっと食べれるよね?」

「それってある意味セクハラなんだよなあ・・・。」

 男だからって大量に食えると思うな。

 まあまだまだ食えるけど。

「社会に出ればセクハラなんて日常茶飯事だからね・・・。」

 なんだか冬姉が遠い目をしている。

 会社でセクハラでも受けているんだろうか・・・。

「いやあ、自分の作ったものをうまいうまい言って食べてくれるのは、なんかあれだね、いいね。」

「俺はその良さに中学生のころから気づいてたかな。」

「夏央の作るお菓子、おいしいもんねえ。」

「今度なんか作ろうか?」

「じゃあ今年の誕生日には夏央にチーズタルトでも作ってもらおう。」

「ん、りょーかい。」

「さあさあ、ご飯も食べたことだし、お風呂はいろっか。」

 本気かこの姉。

 いや、お腹を少し休ませてですね・・・。


「そういえば、夏央少し焼けた?」

「結局こうなるのか・・・。」

 今風呂で冬姉に背中を流してもらっている。

 お願い、ボディースポンジあるんだからそっち使って。

 素手で俺の背中洗わないで。

 すっごいヌルヌルする。

「エロゲだとこっから手じゃなくて」

「それ以上言うなバカ。」

「むー、姉にバカとはなんだバカとは。」

「何でここでエロゲの話になんだよおかしいだろ!」

「おや?興奮しちゃう?」

 興奮しちゃう。

 だからやめてください。

「大丈夫!安心して!姉ちゃんエロゲの原画とかはやってないから!」

「なんの安心なんですか・・・。」

 あとあんまり体よせないで。

 あんた胸大きいんだから。

「にしてもさー、あんたたち、そこまでいってホントに付き合ってないの?」

「何度も言ってるだろ?俺とミー子はそういうんじゃないんだよ。」

「ミー子は俺が守る!ってか?」

「ああそうだよ。ミー子がいじめられたのは、俺のせいなんだよ。」

「へー、それで?」

「それでって・・・。だから、俺は約束したんだよ。喋れるようになるまで、ミー子のそばにいるって。」

「うんうん、そうかそうか。でもさ、それとこれとは別じゃない?」

「だから!それだと俺の気が済まないんだよ!ミー子の傷が治るまで、俺が罪を償うんだよ!そうじゃないと!」

 そうじゃないと、好きだからだけでなく、罪悪感とも付き合わなければいけない。

 俺はそんなの絶対に嫌だ。

「そーやって、自分に言い聞かせてるだけじゃない?」

 また冬姉が勝手なことを言う。

「最近の美衣ちゃんを見てみなよ。だいぶ変わったよ?もしかしたら、夏央とは考えが違うかもよ?」

 最近のミー子。

 なんだか、前よりもくっついてくることが多くなった気がする。

 あと、頭を撫でると照れたり。

 積極的なのか恥ずかしがりなのかよく分からない。

「もしかしたら、美衣ちゃん、夏央のこと大好きかもよ?」

「なんて傲慢なことを言うんだ冬姉は。」

 ミー子が俺の事を好いてくれている、そんなことを考えるのは傲慢じゃないか。

「だからさ、自分の気持ちに素直になってさ、美衣ちゃんと向き合ってみるのもいいんじゃないかな。」

「ミー子と、向き合う・・・。」

「そうそう、彼氏としてずーっとそばにいてあげる、とかさ。」

「かかっ、彼氏!?」

「わー赤くなってる。夏央はウブだなあ。」

「だ、誰が!」

「そんなんだからは夏央は童貞なのね。」

「そんなこと知るかあああぁぁぁぁぁあああ!!!」

 さっきまでの真剣な雰囲気はどこへやら。

 家に俺の絶叫が響いた。


 実のところ、ミー子は俺の事をどう思っているんだろう。

 使い勝手のいい人?

 優しい人?

 ただの男友達?

 幼馴染み?

 それとも・・・、好きな人、とか。

「何考えてんだ俺・・・。」

 ただ何となく前より変わったのは分かる。

 そもそも前は表情が変わること自体なかったし。感情表現は豊かだけど。

 特に、2人でいるときの態度はだいぶ変わった。

 手をつなごうと、握ってきたり。

 アイスとか、あーんさせようとしてきたり。

 帰ってきて、いきなりハグされたり。

 座っていると、寄り添ってきたり。

 なんというか、前よりかわいい行動が増えた。

 対して俺はどうだろう。

 今までと、特に変わらない。

 それは、冬姉が言った通り、自分を抑えつけてるからかもしれない。

 もし、それに対してミー子が不満に思っていたらどうしよう。

 もっと、ミー子の行動に応えてあげたほうがいいんだろうか。

 うん、そうだよな。 

 ミー子は俺にとって守ってあげる対象。

 それなら、ミー子の望みに沿ってやるのが道理だろう。

 そうしたらミー子の回復も早くなるかもしれないしな。

「うん、そうだ。俺が、ミー子が喋れるようになるまで隣にいてやるんだ。」

 ・・・でも、もしミー子が喋れるようになったらそのあとはどうなるんだろう?

 俺の約束は、ミー子が喋れるようになるまでずっと一緒にいること。

 なら、喋れるようになったら?

 ・・・ミー子が離れて行ってしまうんだろうか。

「・・・なんかやだな。俺だって、ミー子がいないと・・・。」

 とそこまで考えて思った。

 今何を言おうとしたんだろう。

 ミー子がいないとなんだ。

 いないとどうなる?

「・・・ミー子がいないと、さびしいもんな。」

 ・・・なんだよ、俺、ミー子のこと大好きじゃん。

 いないとさびしいなんて、大好きだって言ってるようなものじゃん。


「これ、どうやって伝えればいいんだ・・・?」

 考えてみたものの、なんだか今さらな気がしてならない。

 それに、ミー子がどんな反応するかも気になる。

 どうやって伝えるのがいいんだろう。

 普段通り、俺の部屋で?

 それだとなんだか違う気がする。

「・・・とりあえず、今からミー子のとこに遊びに行くか。」

 そうと決まればすぐ出発だ。


「・・・(びくっ)。」

「よっ、来たぞ。」

『どうしたのいきなり。』

「いや、まあゲームしたくなってな。」

『ほう、じゃあ手伝って。新しいクエスト配信された。』

「おっけー。」

 二人でミー子のベッドに座ってゲームをする。

「・・・(すすすっ)。」

 ミー子が寄り添ってきた。

 くっついてゲームすることになった。

 ・・・なんかあったかいな。

 というか暑い。

 ミー子さん、体温高いです。

 クエストを終えると、ミー子がお茶を持ってきてくれた。

「ありがとう。」

「・・・(こくり)。」

 そして、また俺の隣に座って、すり寄ってきた。

『なっち、顔赤い。どうしたの?』

 そういって、ミー子が覗き込んできた。

 ・・・言えません。

 自分の気持ちに気付いちゃったとか、言えません。

 どっか、なんか言えるような場所ないだろうか。

『そういえば、もうすぐ修学旅行。』

「あ、そうだな。」

 そうか修学旅行!

 そうだ修学旅行の時に言えばいいのか!

 よしそうしよう。

『この前の旅行みたいに二人でいるのは無理そうだけど。』

「たしかにな。」

『あ、でも行動班は一緒だね。』

「え、と、夜とか、会えたりしないかな?」

「・・・?」

 ミー子が首をかしげた。

『どうしちゃったの?私に会えないとさびしいの?』

「ま、まあそんな感じ。」

「・・・(なでなで)。」

 ミー子が突然俺の頭を撫でた。

「・・・(にこっ)。」

 そして、ちょっといたずらっぽい笑みを浮かべて、

『じゃあ、どこかでちょっと抜け出しちゃおうか。』

 と言ってくれた。

 やっぱり、なんだか雰囲気が変わったような気がする。

 前は、どこか諦めていたような感じがした。

 それこそ、吉田が事件を起こした後なんか大変だった。

 でも、今はこの、年相応に笑うミー子がたまらなくかわいい。

「ちょっと、話したいこともあるし。」

『おっ、もしかして愛の告白?』

「な、い、いや、違う、と思う・・・。」

 ああばれたこれはダメだ。

『じゃあ、楽しみにしておくね。』

 ミー子が笑った。

 これは・・・ちゃんと伝えてあげないとな。

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