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 手を振って見送った後、トントンと肩をルディさんにつつかれ何ですかと聞けば、「俺にも帰る時手ぇ振って」と結構な真顔で言われた。何故そんなに手を振られたいんだろうか?振って喜んでた私が言えた事じゃないけどさ。


 そう言えば、ルディさんの服装だけど私と同じつなぎだ。色はくすんだ、いや使い込まれて色が落ちたのかな?まあいい感じの緑で持ち物って髪の色でそろえてるのかな?凄く似合っているので福眼。ルディさんはワイルド系なイケメンで、捲った袖から見える二の腕の筋肉もがっしり付いてるし、会話力も高そうな気もするし、さぞモテるだろう。



 「モテモテか‥‥」


 「ん?なんだ、しみじみと俺に見とれたか?」


 「まあサイラスさんも格好いいですけど、ルディさんも格好いいですもんね。やっぱり彼女沢山居るんですか?」


 「なんで沢山居ると思われてんの?俺はお遊びしかしないぜ、店には行くが彼女なんざ居ねぇな。そこら辺はキチッと弁えてるとこに行くんだよ」




 清々しい位遊びしかしない宣言された。

 初対面からの印象的にルディさんとシュリさんは彼女沢山だろうな~、とか思ってたけど、これはこれで釈然としないよね。

 苦笑い気味に頻繁に行ってる訳でもねぇぞ?と続けられたが、ルディさんはきっぱり遊びと割り切ってるようだが通ってる店での女性達が本気で割り切ってるかは謎だよなぁと私は思う。でも、弁えてる店行ってるって言うし‥‥でももし修羅場とかなったらこっそり見てみたい。野次馬根性はそこそこ有るのだ私は!あんまり泥沼なやつは嫌だけどね。



 「スイ様変な事考えてるだろ」


 「そそそそ、そんな事ありませんけどもっ」


 「ぷっそれじゃ考えてるって言ってんのと同じだろ、ははっ本当に愉快な姉ちゃんだなぁ」



 ルディさんはエスパーか何かだろうか、それとも私が顔に出過ぎなんだろうか‥‥多分、後者だろうな。腹芸はなんとも苦手だ。と言うか、腹の探りあいって必要なのかな?他の大陸と交流ってしてるんだろうか、明日サイラスさんに聞こう。


 



 「よし、じゃまず軽く走るから着いてくる感じで行こうぜ」


 「はい、出来ればゆっくりめでお願いしたいです」


 「心配しなくとも大丈夫だ、スイ様に合わせるから。まだ魔人としての体に慣れてないだろ?走りながらちっとは何かしら教えてやるよ」


 「う、‥‥はい、よろしくお願いします、ね」



 にかっと笑うルディさんが格好良くて赤面してしまう、なんだってこんなに格好いい人が多いのだ!些細な事で一々赤面してちゃ面倒くさい奴になるじゃない‥‥、ルディさんはルディさんでなんかそっぽ向いちゃったしどうしたらいいのさ。


 二人で何故かソワソワとしてしまい、何とも言えない空気になったのでわざとらしく「じじじゃぁ始めましょう!」と盛大にどもりながらの発言は頑張ったと自分では思う。それに一瞬キョトンとしてから、ポンポンと頭を撫でられた。もう卑怯だ、私の顔はまた暫くは赤いな‥‥。








 「なんか案外、疲れないものですね」


 「これだけ走ってそれなら、その身体に慣れ始めてるな。あともう一周したら、休憩にしよう」


 「はい」



 あれからちょっとぎこちない感じで走りはじめた。演習場の周り一周がルディさん曰く大体1㎞らしいので、あと一周で10周になるけれど、私息切れ一つないんです。確かにゆっくりめではあったけど、それでも私の感覚では今の自分は驚異的だ。あの短距離派の私がこんなに走れるなんてとちょっと感動してる。本当に危うく叫びだしそうなる位感動した。


 演習場の端にある休憩スペースで一息つく事になり、私は深呼吸で自分を落ち着かせながら歩いていく、ルディさんがやや不審がってるのはスルーだ。

 休憩スペースには、簡易的なテーブルと長椅子が五脚ずつ置いてあり、影を作る為のパラソルが其々のテーブルに付けてある。

 小花柄のパラソルで可愛いなと見ていたら、ルディさんがパラソルは周りを快適な温度に保つよう魔道部隊が作ったもので柄なんかはフルーさんの趣味だからな俺の趣味ではないぞと教えてもらった。別にルディさんの趣味ですかとは聞いてないのに‥‥。


 魔道部隊って備品とかも作るんだなぁ、しかも快適な温度にしてくれる効果とか凄いよね。まあ、明らかに男向けな演習場で小花柄のパラソルは異様に浮いてるけれども。私は可愛いと思う!



 「俺達魔族とスイ様やフルーのような魔人族は、基本的な能力が他とは段違いってのは聞いたか?」


 「それは聞きました。」


 「俺達魔族や魔人族は、他と違って個体数が多くはない。どの大陸も領土は同じ程だが、人口密度で見ればリバルデールは著しく低い。寿命が長い分中々、子供を授かりにくいんだ」


 「‥‥あの、寿命ってどれくらいですか?」


 「なんだ、聞いてないのか。午前中フルーに教わってたんじゃねーの?まあ、魔力の保有量によって差は有るが、魔人族も魔族も大体千年位は有るな。長い者だと、今二千歳近い婆さんが居るな。」



 最低でも千年‥‥、しかも魔力の保有量によって差が出るなら私って確か無尽蔵の魔力が~みたいな事言われなかったっけ?え?私って、もしかしてとんでもない寿命なんじゃなかろうか‥‥。驚きでルディさんが持ってきてくれた水を飲んでいたのに吹き出して、それは綺麗にルディさんに掛かっている。



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