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あり奇たりな出会い

■■■■■


 少年は街の外れにある廃屋を訪れていた。廃屋の中からは男達の話し声が聞こえてくる。少年は廃屋の中に入っていく。


「あ?ガキがなんのようだ?」


 男達がこちらに気づく。少年はいきなり男の一人を銃で撃ち殺した。


「な、何しやがる!!死にてぇのか?あぁ?」


 リーダーと思われる男が、少年に向かって手を突き出すと、その手からレーザーのようなものが撃ち出された。しかし、そのレーザーは少年に当たる前に消滅した。


「何!?俺のレーザーが…!?てめぇ、何をした!?」


 男が再びレーザーを撃とうとするが、何も起こらない。少年は男を撃ち殺した。そして、残りの男達に向けて話し出した。


「あなた達のやって来たことは全て把握しています。麻薬の密売、誘拐、強姦、殺人…。挙げていくとキリがない。まぁ、これだけなら別に警察に任せれば良いんだけど…。」


 少年は男達に向かって手を突き出した。


「その犯罪に能力を使ったでしょ?それだけは許せない。」


 少年の手が輝き出す。


「えっ!?それはリーダーの…!?」


 少年の手から放たれたレーザーが、男達を撃ち抜く。


「知らなかったの?能力は、持ち主を殺した人間に所有権が移るんだぜ。」


 さっきまで男だった肉塊に話しかけながら、少年は廃屋を後にした。



■■■■■



 いいこと考えた!別に俺が主人公って決まった訳じゃないなら、他に能力者を見つけて、脇役として過ごせばいいじゃん!俺は昔から、解説役のモブキャラに憧れてたんだよ!


「どうやって見つけるんだよ…」


 今まで「俺は能力者だ!」とか言ってるような奴は見たことがない。俺みたいに隠してたら、見つけることは不可能だ。


「駄目じゃん…」


 俺は肩を落として、学校を出た。


----------


 と言うわけで、俺は、これからどうしたものかと頭を抱えながら帰宅している訳だ。


「………ッ!!」


 突然、謎の悪寒が走った。今まで感じたことがない、気味の悪い感じだ。


「お、能力者じゃん。」


 急に後ろから話しかけられた。


「能力者?あなた、何を言ってるんですか?」

「何とぼけてんだよ。さっきの魔力感じただろ?あの、寒気が走ったような感じのやつ。顔に出てるぞ。」


 どうやら完全にばれてるらしい。俺は隠すことを諦めた。


「そうですよ、僕は能力者です。一体何のようですか?てか、何で分かったんですか?」


 俺は警戒しながら問いかける。しかし相手は、軽い態度で語りかけてくる。


「そんなに睨むなって。俺はお前に手を出したりしねぇよ。その様子だと、お前、能力者になったばかりだな。色々教えてやるから少し聞いていけ。これから絶対に役に立つ。」


 とりあえず、悪いやつではなさそうだ。彼の指示に従うことにした。


「まず、さっきの質問の答えだが、これは自分の魔力を広範囲に飛ばしただけだ。能力者なら誰でもできる。で、他人の魔力を当てられると、互いの魔力は共鳴する。このときの気持ち悪さは我慢できるようなもんじゃねぇ。つまり、近くのやつの反応をみとけば、能力者は簡単に見つかるって訳だ。」


 俺が知らなかっただけで、能力者を見つける方法はあったらしい。しかも、超簡単。少し練習しただけで俺にも出来るようになった。


「この世界には、知られてはいないが能力者が何人もいる。俺は、定期的に魔力を飛ばして新しい能力者を探して、そいつに能力者としての過ごし方を教える仕事をしているんだ。まぁ、教えることは、能力は他人にばれるなってことと、能力を悪用するなってことだけなんだけどな。お前はそれが出来てるらしいからもう帰っていいぞ。またどこかで会おう。」

「ありがとうございました。」


 そうして俺は、彼と別れた。彼のお陰で問題は解決した!これで俺の代わりに主人公となる能力者を見つけることができる!明日学校でやってみるかな。


----------


 翌日。今日の朝はいつもと少し違っていた。


「今日からこのクラスに転校生がくる。みんな仲良くするように。さ、入ってきなさい。」


 担任のジジイがそんなことを言い出し、転校生が教室に入ってきた。


「はじめまして。霧神きりがみ 重樹しげきです。よろしくお願いします。」


 なかなかのイケメンだった。俺とは真逆で優しそうな雰囲気の、いかにも好青年といった風貌だった。


「霧神君の席はあそこだ。慣れないことが多いかもしれんが、頑張りたまえ。」

「はい、ありがとうございます。」


 そう言って霧神は自分の席に向かおうとした。そうだ、今のうちにこのクラスに能力者がいないか探してみるか。俺は 魔力を飛ばしてみた。


「………ッ!!」

「…………!?」


(反応が2つ…!?)


 まさかこのクラスに二人も能力者がいるなんて…!!

 ひとりは完璧に霧神だな。俺のほうをめっちゃ見てるし。あとひとりは…誰だ?それらしい反応をしてるやつがいない。見逃したかな?

 まぁいい。とりあえず、霧神に引っ付いてモブキャラ感を出すことにしよう。丁度俺のとなりの席みたいだし。


「よっ、俺は 風裂かぜさき 翔渡そらと。よろしくな、霧神。」

「………や、やぁ、はじめまして。僕は 霧神 重樹。よろしくね。」


 よし、主人公確保!これからは安心して過ごせそうだ!


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