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凡才剣士は死に戻りで最強に至る  作者: 結城 からく


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第2話 中編

 リチャードはゴブリンの魔神の前に進み出る。

 虚ろな眼差しは形容しがたい威圧感を放っていた。

 それを気取った魔神は咆哮を上げる。

 刹那、配下のゴブリン達が一斉にリチャードへと襲いかかった。


 リチャードは慌てることなく、身体を揺らした。

 揺れに合わせて剣が閃き、次の瞬間には間合いに入ったゴブリンを解体する。

 何の特殊能力でもない、純粋な身体操作による剣技だった。


 異様な光景にニーナは驚嘆する。


「今のは……!?」


 一方、リチャードはゆっくりと歩いて魔神と対峙する。

 魔神はもう吠えなかった。

 代わりに大刀の振り下ろしをリチャードに叩き込む。


 リチャードは僅かに横へずれることで、斬撃を紙一重で躱した。

 そこからすり抜けるように前進し、剣の刺突を見舞う。

 胸を狙った刺突は、切っ先が魔神の肌に食い込むだけで終わった。

 僅かに血が滲んだだけで、致命傷には程遠い。


「やはり駄目か……」


 呟くリチャードの首を大刀が刎ねた。


 視界が切り替わり、リチャードは草原でゴブリンと対峙する。

 彼にとってはもはや見慣れ過ぎた状況だった。

 リチャードはゴブリンを瞬殺すると、己の手を見てぼやく。


「今のままでは絶対に勝てない……新しい力が必要だ」


「おっ、すごいじゃん! 見事な手際だねぇ」


 感心した様子のニーナがやってくる。

 リチャードは何気なく目を凝らす。

 すると、ニーナの全身から迸る魔力を感じ取った。

 目を見開いたリチャードは彼女に詰め寄る。


「ニーナ!」


「な、何? どうしたの」


「魔力による身体強化のやり方を教えてくれ! 今すぐにだ!」


「いや……結構難しいと思うよ。リチャードには厳しいかも……」


 ニーナは戸惑い気味に答える。

 それでもリチャードは食い下がって頼む。


「時間がないんだ。基礎だけでもいいから教えてくれ」


「わ、わかったよ……」


 その時、村が爆発した。

 ゴブリンの魔神が降臨した合図だった。

 ニーナは血相を変えて驚愕する。


「えっ!?」


「村に向かいながら教えてくれ。さあ、行こう」


 リチャードはニーナの手を引きながら言った。

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