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第8話 中編
苦し紛れの刺突は鎧を貫けなかったが、十分な威力が込められていた。
騎士は身体を折って後ずさり、腹を押さえて咳き込む。
その隙にリチャードは立ち上がった。
雷撃による痺れは幾分か解消されていた。
息を吐いたリチャードは己の愚考を反省する。
(死ぬことに慣れ過ぎたせいで、諦めやすくなった気がする……良くないな。俺はまだ生きている。命を無駄にするな。そうしないと強くなれない……)
一方、騎士は兜を乱暴に脱ぎ捨てる。
煩わしそうに血を吐き捨てたのは、紫色の髪の美女だった。
美女はリチャードを睨み、怒りのままに名乗る。
「我が名は"雷天"のエレア! 魔神よ、貴様の名は何だッ!」
「俺は魔神じゃない……」
「嘘をつくな! 貴様の全身から魔神の力を感じるぞ! 人間に擬態しても丸分かりだ!」
そう言って騎士エレアはリチャードに殴りかかった。




