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凡才剣士は死に戻りで最強に至る  作者: 結城 からく


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第7話 前編

「時間操作……? 何のことだ」


「とぼけても無駄だぞ。お主の肉体を巡る魔力の質が豹変している。洞窟に入る前とはまるで別人だ」


 ルカが愉快そうに笑って指摘する。

 嘘は決して見逃さない、とその自信に満ちた目つきが物語っていた。

 静寂を挟み、観念したリチャードは正直に打ち明ける。


「……死ぬと時間が少しだけ戻る。何度も死ぬ中で剣技を鍛え上げた。どうしてそんな現象が起きているのかはわからない」


「なるほどな……ちなみに蝙蝠の魔神とは何回戦った? 百か? それとも千?」


「六十九万三千四百十一回」


「……ん?」


 ルカが首を傾げて固まる。

 リチャードは当然のように語り出した。


「六十九万三千四百十一回。毒持ちの蝙蝠が透明になって噛み付いてくるのが厄介だった。最初は回避や防御を試してみたが、まったく通用しなかった。だから攻撃に特化したんだ。洞窟の中ではそれが最適解だった」


「お主……想像以上に狂っているな」


「別にこれくらい普通だろ。何度だってやり直せるんだ。恐れることなく挑むことができる」


 リチャードは淡々と述べる。

 ルカは、目の前の少年の異常性を理解し始めた。

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