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凡才剣士は死に戻りで最強に至る  作者: 結城 からく


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第6話 後編①

 そして、数十万回目の戦闘が始まった。

 リチャードは動かない。

 だらりと下げた状態で剣を保持し、ぼんやりとした眼差しで佇んでいる。

 拡散された意識は肉体の枠を逸脱して洞窟内の全域を捉えていた。

 体表から滲み出した魔力が神経のように張り巡らされて、第六感の如き探知能力を構築する。


 対する蝙蝠の魔神は微動だにしない。

 否、放射されるリチャードの魔力に怯え切っていた。

 繊細かつ濃密な殺意が魔神に絡みつき、些細な動きが死に直結すると伝えている。


 暫しの静寂を経て、リチャードは一歩踏み出した。

 下げたままの剣に魔力を浸透させる。

 そして、ごく自然な動作で、ゆっくりと剣を振り上げる。


 放たれた斬撃は決して速くなかった。

 むしろ異常なほどに遅い。

 子供でも見切れるような遅々とした速度で宙を滑空する。


 魔神は斬撃を避けるために後退した。

 刹那、それまでの挙動が嘘のように斬撃が加速し、魔神の胴体に炸裂する。

 そこから貫通することなく魔力が膨張し、轟音を立てて爆発した。

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