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第4話 後編①
リチャードは周辺一帯に意識を向ける。
隠れている者はいない。
彼を狙った盗賊は全滅した。
(この程度なのか。いや、俺が強くなったんだな)
自己分析をしつつ、リチャードは盗賊の死体を漁っていく。
出てくるのは酒や保存食や僅かばかりの貨幣だった。
リチャードはそれらを適当に鞄に詰め込む。
装備は重たいので放置した。
魔神の骨だけで彼は十分だった。
「ん? 何だこれ……」
リチャードが手を止めたのは、盗賊ガニルの死体を調べていた時だった。
懐から転がり出てきたのは、赤黒い宝石だった。
夜空にかざして見つめていると、内部から声が響いてくる。
「クハハ、面白い魔力を感じるぞ……」
「誰だ?」
「我は魔神なり! かつて世界を闇に――」
相手の言葉を最後まで聞かず、リチャードは宝石を投げた。
そして短剣で真っ二つに切り裂く。
分断された宝石の内部から赤い煙が噴き出した。
煙は変幻自在に形を変えて高笑いを発する。
「クハハハハハハ! 馬鹿め! まさかこの忌々しい封印を解く者がいるとは! 騙す甲斐が省けたぞ!」
煙が空中で終息し、次第に輪郭を帯びた人型へと変貌する。
やがて煙は赤いドレスを着た美女になった。




