表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

72/101

第71話:世界が俺を呼んでいる……というか、コメント欄がうるさすぎる

──ラース王国、北境平原・特設中継拠点。


九十九ツクモとの激戦から一夜。

 カイトはアヴァロンの脚部に腰掛け、携帯端末(魔法通信機)の画面を眺めていた。

 

「……よし、通信プロトコルは安定。パケットのドロップも許容範囲内だな」


カイトがそう呟いた瞬間、リナの周囲に展開された「魔法スクリーン」が、爆発したかのような勢いで文字に埋め尽くされた。


『うおおおお! 本当に書き込めた!』

『カイト様、見てるー!? 王国最高!』

『昨日の戦い、マジで神でした! 抱いて!』

『リナ様マジ天使! 投げ銭(魔力)送らせて!』


それは、この世界の人々が初めて体験する「リアルタイムの双方向交流」だった。

 あまりの勢いに、隣で見ていたセレナが目を丸くする。


「……凄いわね、カイト。……民衆の『熱量』が、そのまま目に見えるデータになって流れていく。……これ、情報の流れそのものをあなたが変えてしまったんじゃないかしら?」


「——情報の民主化、って言っただろ。……これまでは王族や教会が独占していた『発信』を、名もなき民衆に開放したんだ。……まあ、予想以上にノイズ(うるさいの)が多いけどな」


カイトは苦笑しながら、流れるコメントをフィルタリングしていく。

 すると、画面の端で一際大きく輝く「黄金の文字」が流れた。


『【ラース国王より】カイト殿、そしてリナ。王都にて最高の宴を用意して待っている。この奇跡の技術に、国を挙げて感謝したい』


『えええっ!? 王様からコメント来たー!!』

『公式が最大手www』


コメント欄がさらに加速する。カイトの技術は、一国の王すらも「リスナー」に変えてしまったのだ。


「ふふっ……。相変わらず、世界をひっくり返すのが好きね、カイト」


後ろから、呆れたような、それでいて誇らしげな声が聞こえた。

 赤い軍服をなびかせて歩いてきたのは、スミレだ。彼女はカイトの隣にどっかと座ると、流れるコメントを物珍しそうに眺める。


「……私のことも書かれているわね。……『スミレちゃん、カイト様にデレすぎw』? ……なっ、なによこれ! 誰がデレたっていうのよ!」


「——はは、スミレ。……全世界にバレてるみたいだぞ。……ほら、こっちのコメントは『スミレとセレナ、どっちが正妻か議論』だってさ」


「……はぁ!? ……そ、そんなの、議論するまでもないわ! 私が彼の『剣』で……その、……特別な存在なんだから……っ!」


スミレが顔を真っ赤にして叫ぶと、コメント欄には**「スミレちゃんチョロ可愛いw」「顔真っ赤www」**という文字が滝のように流れる。


「……あら、スミレ。若さに任せて勢いだけじゃ、カイトの『仕様』は理解できないわよ? ……ねえ、カイト?」


セレナがカイトの腕にそっと自分の腕を絡め、挑発的に微笑む。

 

「……っ、セレナ! あなた、ドサクサに紛れて何を……!」


ヒロインたちの火花散るやり取りが、リナの配信を通じて全世界に「生中継」される。

 それは、戦いよりも平和を実感させる、賑やかで幸福な光景だった。


だが、そんなお祭り騒ぎのコメント欄に、一つだけ異質な書き込みが混ざった。

 それは一瞬で流れ去ったが、カイトのエンジニアとしての目は、そのログを逃さなかった。


『【Unknown】アヴァロンの論理構造を確認。……素晴らしい。……だが、そのOSは「ソウル」の負荷に耐えられるかな?』


「……魂の負荷?」


カイトの指が止まる。

 この世界の魔法技術には、まだカイトの知らない「レガシーシステム」が眠っている予感がした。

 

 意思を持つ伝説の魔法兵器、あるいは「勇者」と呼ばれた個体たち……。

 

「——面白い。……未知の仕様があるなら、デバッグしてやるまでだ」


カイトは不敵に笑い、新たなコードを打ち込む。

 

 平和な日常の裏で、次なる物語の「歯車」が、カイトの技術によってゆっくりと動き出していた──。

最後までお読みいただき、ありがとうございます!

第6章の開幕は、新機能「双方向コメント」が世界を震撼させる様子を描きました。


王様からのコメントや、ヒロインたちの「正妻争い」が生配信されるノリ、なろう読者にはたまらないカタルシスになったでしょうか?

ラストには、何やら意味深な「Unknown」からのコメントも……。


続き読んでもいいなと思っていただけましたら、評価、感想、ブックマークなどで応援いただけると嬉しいです!

皆様の★評価が、次回の『全世界アンケート回』の解像度を上げます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ