いざ冒険
空は、いや…
勇者は、姫を迎えに出た。
そして姫を迎えに行くと、いきなり現れた
ボス。
…いや、穂乃果ちゃんのお父さんだ。
「あ、ご無沙汰しております。」
「おー、空くん。久しぶりだね」
お父さんは、ニッコリした。
…お父さんのニッコリは、とても怖い。
そして無事穂乃果ちゃんを…
いや、姫をなんとか略奪した。
「さぁ、姫!いざ冒険へまいろう‼︎」
「はいです!勇者さま」
オレたちは、緩いズボンを装備してとある
場所へ向かった。
多分あそこだろうと検討がついている空だ
った。
そして、やっぱり思った通りのスイーツバ
イキングだった。
しかし‼︎
ただのスイーツバイキングでは、なかった。
カップル限定のお店だった。
…えーと。
うん。
カップルだし問題ないよねと思い余裕で並
ぶ空。
しかし、席に案内されてストンと座ると店
員さんが思わぬことを口にした。
「では、恋人の証をお願いします。」
と。
…え⁈
えと…。
ええええぇ⁉︎
オレは小声で穂乃果ちゃんに耳打ちした。
「穂乃果ちゃんこんな証明あるって知ってた
?」
「あー…はいです。なので大冒険と一応お伝
えしたのですが。無理ならこのままゲーム
オーバーでも大丈夫です」
なんて穂乃果ちゃんが言い出した。
ゲームオーバーなんてしてたまるか!
「よし‼︎穂乃果ちゃん。いざ‼︎」
オレは穂乃果ちゃんの肩を抱き寄せてキス
をした。
これが恋人の証だ‼︎
「はい。じゃあ、恋人と証明されましたので
バイキング開始してくださーい」
と店員さんは、明るく言った。
…店員さんのテンションとオレのテンショ
ンの差ありすぎ。
ってか、これはもう誓いのキスじゃん…。
ハズっ。
と思っていたら穂乃果ちゃんが、
「あ、あの、ここまでしていただきありがと
うございます。」
と顔を赤らめた。
えっ…
辺りを見渡すと、恋人の証として手を繋ぎ
合わせたり、
「オレたち付き合ってます。」
「ねーっ。」
なんて返事したりペアルックのカップルが
いたりした。
…あ。
オレやり過ぎたんじゃね⁉︎
ま、いっか。
そしてたくさんのケーキやスイーツを穂乃
果ちゃんとイチャイチャ仲良くいただいた。
空腹で来たからかなりレベルが回復した。
いや穂乃果ちゃんとキスしたからもう、宿
で休んだくらいの回復をみせた。
そしてたらふく食べてご満悦。
「じゃ、穂乃果ちゃん帰ろっか」
「はいです!」
仲良く手を組んで帰った。
ルンルンの空。
だった。
…さっきまでは。
しかしルンルンから一転の出来事が起きる
のでありました。
「あ、穂乃果先生」
んっ⁉︎
男子の声がしたぞ。
しかも、穂乃果先生と⁉︎
慌てて声の方に目をやる空。
…え。
そこには、背は低いけどとてもかわいい癒
し系の男の子がいた。
「あ、海くんじゃありませんか。空先生、こ
ちらわたしの家庭教師の生徒の海くんです
の」
と紹介された。
マジかー…。
オレは穂乃果ちゃんの一つ年上。
そしてこの海くんとやらは、穂乃果ちゃん
の一つ年下。
…穂乃果ちゃんが年下もありならこの子全
然アリじゃね⁉︎
まさか、こんな癒し系男子が生徒だったな
んて。
「あ、どうも」
テンパりながらも挨拶をした。
「どうも。…あ、じゃあオレ用事あるのでま
た明日ね。先生」
「はいです。また明日伺います」
軽く会釈をしてその子は行ってしまった。
…あぁ。
明日この二人は、密室で会うんだ。
イヤイヤ、家庭教師だ。
密室なんて意味深じゃないか。
落ち着きなさい。
空よ。
小人たちがなだめても聞く余地もないので
ありました。
続く。




