負けてられない
本日家庭教師がお休みなのですが、修と遊
ぶ為に穂乃果ちゃんのおうちにお邪魔しよ
うとしている空。
インターホンを鳴らそうとしたら穂乃果ち
ゃんが元気よく出てきた。
よそみをしながら穂乃果ちゃんが出てきた
もんだから軽く抱きしめたみたいになって
しまった…
「おっと」
穂乃果ちゃんをキャッチした。
「あ〜っ、先生…」
「大丈夫?穂乃果ちゃん」
「あっ、大丈夫でした。すみません」
赤く頬を染めながらもサッと離れる二人。
しかし、空は脳内変態だ。
穂乃果ちゃんあったかかったなぁ、なんて
密かにほっこりしているのでありました。
穂乃果ちゃんあんなに慌ててどこ行ったん
だろう…?
ゲームをしながらそれとなく穂乃果ちゃん
の兄である修に聞いてみた。
「さっき穂乃果ちゃん出かけて行ったけど、
慌ててどこ行ったんだろう?」
「あー、毎週月曜日は一之介くんに会うとか
言ってたな」
「えっ⁉︎だれ⁈」
「さー…あんま興味ないから聞いてない」
…あー。
そうだよなー…。
家庭教師の日それとなく穂乃果ちゃんに聞
いてみよっかな…。
でも、なんて聞けばいいんだ…?
もしかして彼氏できちゃった⁉︎
オレがもたもたしてたから?
もたもたしてなくてもどっちみちオレは対
象外だったかもしれないけどさ…。
だからって彼氏できちゃった⁈
なんて聞けない…
しばし考えてたら穂乃果ちゃんがしばらく
して帰ってきた。
あー…一之介くんってだれだよ。
気になる…。
今すぐ聞く?でも聞いてどうする?
あんたに関係ない‼︎キモいって言われたら
どうする?
ってか、そもそも受験生だからって手を出
さないとか言ってるけど、本当はオレびび
ってただけじゃね⁉︎
ただの意気地なしじゃね⁉︎
なんて考えてたら修が、
「なー、さっきテーブルにお茶置いてきちゃ
ったんだけどオレさ、足痺れちゃったから
持ってきてよ。」
なんて言われた。
…うん。
「わかったー、持ってくるよ。ついでにトイ
レ貸してー。」
「ウイー」
部屋から出るとちょうど穂乃果ちゃんが下
に降りようと通りかかった。
「おっと」
狭い廊下で本日二度目の穂乃果ちゃんをキ
ャッチ。
「はうっ」
キャッチされた穂乃果ちゃんが固まった。
意気地なしのオレはいつもなら慌てて離れ
る。
しかし‼︎今日のオレは違う‼︎
キャッチしたまま、穂乃果ちゃんをギュ〜
って抱きしめた。
そして、
「おかえり。穂乃果ちゃん」
って言った。
穂乃果ちゃんは、オレに抱きしめられたま
ま、
「た、ただいま…です」
と答えた。
あー…オレ大胆。
穂乃果ちゃんやっぱりあったけー。
なんて癒されていた。
はっ‼︎
オレよ‼︎
いつまで穂乃果ちゃんにくっついてんだ。
慌てて穂乃果ちゃんから離れようとしたら
今度は、穂乃果ちゃんが離れない⁉︎
「えっ⁉︎穂乃果ちゃん?」
「あー…なんか力抜けてしまいました…」
…オレがいきなり抱きしめたせいっすね…
「ごめん、穂乃果ちゃん」
「あぁ、いいんです。」
「ごめんついでに失礼します」
ヒョイ
穂乃果ちゃんをお姫様抱っこした。
「ウキャァ〜、な、なんですー⁉︎」
「ベッドに運ぶよ。腰抜かしちゃったんだよ
ね」
「あー…でも…でも恥ずかしい」
赤面する穂乃果ちゃんをベッドに寝かせた。
「あのー…ありがとです」
「ううん。こっちこそごめん」
「いえいえ。」
「じゃあ、また明日勉強教えにくるね」
「はいです…。また明日です」
オレは穂乃果ちゃんの部屋を出た。
…オレいきなりやりすぎた?
でも、一之介くんに負けていられない。
…すでに負けてるかもだけどな…。
次の日穂乃果ちゃんの部屋に入るなりいき
なり棚の上の物が気になった。
…なんなんだ。
アレは。
見るからに誰かにプレゼントするやつじゃ
ん。
「あのー、穂乃果ちゃん。アレってー」
ラッピングされたものを指差した。
「あー、アレは誕生日プレゼントなのです」
‼︎プレゼント⁈
まかさ、一之介くんじゃないだろうなぁ…
頼む‼︎穂乃果ちゃん。
女友達のプレゼントと言ってくれ!
「…ちなみに、どなたに…?」
「あー、一之介くんっていうんですがね。と
にかく鼻筋が通っていてイケメンなんです
よ」
…あー。
終わった。
オレの恋さようなら。
あははは…。
その会話以降オレはあまり記憶が定かでは
ないのでありました。
続く。




