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レイドボス、アイドルになる  作者: こくそ
メインストーリー
15/40

15 友だちではなく

クモマはクモリたちの説得にも耳を貸さず〈夢魔インプ〉主催のライブへと戻っていった。

レインは彼の腕をつかみ引き戻そうとしたが、すり抜けてしまい失敗した。


「ゴースト型のモンスターと同じだ。多分、魂だけこの世界に来ているのだろう」


クモリが意気消沈した声で言った。

結局二人はただ〈純真の夢歌姫イノセント・ドリームディーヴァ〉のライブを眺めることしかできなかった。

アンコールも済まして歌姫が去ると、〈星詠み〉たちは再び地面に横たわり、だらけ始めた。

ある者は地表の綿菓子をちぎって口へ運び、またある者はチョコレートの石畳を舐めだした。

クモリは集団の中からクモマを見つけだし、心のうちを聞いた。


「どうして帰らないんだ!」


クモマは姉の言葉にも動じず、遠く広がるホールケーキの山々をボッと眺め続けた。


「クモマ!」


クモリが呼びかけに怒気を含ませると、彼はようやく口を開いた。


「仕事がつらいから……」


「なんだって?」


「仕事がイヤ。だから帰りたくない」


「そ……」


"そんなことで"とクモリは言いかけたが、言葉を飲み込んだ。

実際〈星詠み〉の労働環境は過酷そのものであった。

〈大災害〉以降、日々増長する冒険者への対抗策を、西の大地人貴族は託宣を通じて求めようとした。

そのため〈星詠み〉は、"主人が納得する託宣"を得るまで、夜通し働かなければならなかった。

寒風に耐えながら、夜通し野外でジッと星を眺め続ける作業の熾烈さは想像に難くない。

それでも彼らは主人のため、国のため、唯々諾々(いいだくだく)を貫いた。

クモマの主張に反応した他の〈星詠み〉たちも口を開きだした。


「児童の深夜労働は労働基準法第六十一条第五項に違反している!」


「深夜労働は基礎賃金の二十五パーセント増しで払われなければならないはずだ!不払いの差額分をもらうまでは帰らないからな!」


「三六協定を結んでないのに残業させるのは違法だ!」


「我々がしているのはストライキであり、労働者の権利に即した行為である!」


「殺す!」


下は七歳、上は十八歳まで、見た目も性格もバラバラな少年少女たちは団結して現状の不満をぶちまけた。

もっともクモリ・レインにはその内容を理解できなかった。


「"ろうどうきじゅんほー"ってなんだ?」


レインがクモリに聞く。


「知らん。きっと冒険者の言葉だろう。託宣で聞こえるのは多くの場合、冒険者の言葉らしいからな。まぁでも、仕事するのが嫌なのは伝わる」


「だから〈妖精郷〉に逃げてきたのか」


「ああ。激務に耐えかねた〈星詠み〉たちは異世界への逃避を強く望み、ついにそれを叶えることができたというところだろう」


「願いが叶ってよかったな」


「いいもんか。このままじゃ"歌姫"の感情(しょくりょう)の発生装置として使い潰されてしまう」


「ファンを潰すなんて、アイドル失格だな。で、どうする?歌姫を倒すか?」


「いや、まずは尋問だ。クモマたちを解放する方法を聞き出そう。殺すのはその後でも遅くない」


少女二人は悪のアイドルを探すため、その場を後にした。


◆2◆


歌姫は〈夢魔〉の間でも有名だったらしく、簡単に居場所をつきとめることができた。

街からほど近い、小高い丘の上にポツンと建てられたお菓子の家を、クモリはひとりで訪ねた。

敵に悟られぬよう冷静にドアをノックする。

しかしドアはチョコモナカでできていたため、メシャァとしか鳴らず、住人に聞こえる音は出なかった。

仕方がないのでマフィンのドアノブをひねる、

鍵はかかっていなかったようで、軽く開いた。

中には〈夢魔〉の少女がひとりテーブルに腰掛けていた。

肌の色は〈夢魔〉らしい紫色で、先ほどの"女子高生風アイドル"の姿はどこにもなかったが、ステータス画面を見れば彼女が歌姫であることは容易に判別できた。

純真の夢歌姫イノセント・ドリームディーヴァ〉はイスに座り、膨らんだ腹を満足げになでていた。

あの腹の中に、〈星詠み〉たちから奪った夢や希望が詰まっているのだろう。


「誰デスか?」


訪ね人の存在に気づいた"歌姫"が目を細めクモリの方を見た。


「突然すみません。あなたのファンのクモリと言います」


「アタシの?」


歌姫は目を大きく見開いた。


「ダメデスよ〜!ファンがアイドルの自宅を訪ねたら〜!」


両手を頬に当て、身体をくねらせながら注意する。

まんざらでもないような反応であった。


「サインください」


クモリはビスケットの板切れを差し出して頼んだ。


「しょうがないな〜。今回だけデスよ〜」


歌姫が身体をくねらせこちらに向かってくる軌道は〈人面樹(トレント)〉の〈ダッシュ〉を思い出させる不気味さであったが、クモリは耐えてビスケットとチョコペンを渡した。

歌姫が慣れた手つきでサインを書き出したところで、クモリはすかさず彼女の背後に回り込み手足を縛った。


「ちょっ……!なに!?どういうことデス!?」


そして歌姫を材木のように肩に乗せ、家の外へと運び出した。

クモリが上を向くと、上空で〈天泣ノ蒼龍〉が綿菓子の雲にかぶりついているのが見えた。

〈天泣ノ蒼龍〉は歌姫の姿を一(べつ)すると黄色い雨を降らせた。


「この雨は〈黄ノ雨(キノウ)〉と言ってな。浴びる限りダメージを受け続ける魔法の雨だ。一分も浴びればお前は死ぬことになるだろう」


雨に触れた歌姫は一ダメージを食らった。


「ちょっ!え!?マジ意味分かんないデスけど!」


「〈星詠み〉たちを現世に帰すか!死ぬか!選べ!」


クモリが脅迫する。


「〈星詠み〉!?誰!?」


歌姫は二ダメージを食らった。


「さっきお前がたぶらかしてた子どもたちだ!」


「え!?あー……あの子たち……知らないデス……!アタシ関係無いデスって!」


「嘘つけ」


歌姫は十六ダメージを食らった。


「知らないのデス!」


歌姫は二百五十六ダメージを食らった。


「あと二十秒で死ぬぞ」


「帰れる方法を教えマスから!助けて!」


「本当か?」


歌姫は千二十四ダメージを食らった。


「マジマジ!マジ!マジデス!」


歌姫は二千四十八ダメージを食らった。


「助けて!何でも話しマスから!」


クモリはレインに合図を送った。

すると今度は緑色の雨が降り出した。

回復効果のある〈緑ノ雨(リョクノウ)〉だ。


「さぁ、話せ」


クモリは小刀を歌姫の首筋に添えて言った。


◆3◆


歌姫をイスに縛りつけ終えると、クモリ・レインの二人は尋問を開始した。

レベル70と比較的高レベル帯の敵ではあったが、筋力は弱く、抵抗を見せる様子も無かった。


「安心しろ。真実を教えてくれれば殺しはしない」


クモリが言うと、歌姫は帰還方法について話し始めた。


「要するに帰りたいと思わせればいい、と」


「そうデス。〈夢の妖精郷(ここ)〉と〈セルデシア〉とを心の天秤にかけて、〈セルデシア〉の方が価値があると判断したら、あの子たちは帰れマス」


クモリは安堵の息をもらし、背もたれに比重を傾けて


「拍子抜けした。条件はそれだけか」


と言った。


「簡単なことではありまセン。そもそもあの子たちは〈セルデシア〉がイヤだから、この世界まで魂を迷い込ませてしまったのデス。〈夢の妖精郷〉は快適デスから、元の世界に帰ろうとする人間なんていまセン」


歌姫がそう言うと、レインも同調するように首を縦に振った。


「わかる。うんこまみれの〈セルデシア〉より、こっちの方が良い。空気はうまいし、雲もうまいし、地面もうまいし」


「レインまで何を言うんだ」


〈セルデシア〉の方が素晴らしいじゃないかと、クモリは"雄大な自然"を例にとって説いたが、モンスターニ体にはまるでこたえなかった。


「山脈や樹海がたくさんあるのがそんなに良いことか?〈セルデシア〉には危険地帯がいっぱいあることしか伝わらなかったぞ」


レインが言う。


「アタシも岩や木ばっかりの世界より、ケーキやクッキーがたくさんの世界の方が良いと思います」


歌姫も同調した。

次にクモリは"豊かな文化"を例にとって反論を試みた。


「アナタの言う"豊作祈念の祭"も"星辰信仰行事"も、全部人々の"恐怖心"を克服するための涙ぐましい努力にしか思えまセン。〈セルデシア〉はそんなに恐い世界デスか?」


「神に祈るなんて、人間は弱いな」


「レインはどっちの味方なんだよ!?」


"歌姫"と論戦を続けても仕方ないと考えたクモリは


「こんなダラけた世界が良いものか。あいつらは私が連れて帰るからな」


と吐き捨て、出口へと向かった。


「あの子たちは既にアタシのファンになってマス!アタシがこの世界にいる限り、〈セルデシア〉に戻ろうとはしないデス!あきらめるデス!」


歌姫は煽り立てた。


「ならお前を倒せば〈星詠み〉たちは帰ろうとするんだな?」


クモリは腰に差した小刀を抜き、引き返した。


「ア、アタシがいなくても、ここが〈セルデシア〉よりも良い世界なのは変わりまセン!殺してもムダデス!」


彼女は足をバタつかせながら言った。


「お前と違って、クモマたちは〈セルデシア〉の良さをよく知ってる。説得できるはずだ。レイン行くぞ!時間が惜しい!」


クモリは歌姫をにらみつけると、レインを連れて〈星詠み〉たちのもとへ戻って行った。


◆4◆


〈夢の妖精郷〉は昼も夜も無い世界であった。

太陽も月も存在せず、空はまっさらな薄ピンク色に覆われていた。

クモリはここへ来てからもうニ三日経過してしまったのではないかという不安にかられた。

それほど長い時間、〈星詠み〉たちの説得を続けていた。

しかし彼らは"あー"だの、"うー"だのしか答えず、牧場の家畜のように身体を投げ出し地面や壁を舐めていた。


「とうとう獣になってしまったか……」


悲嘆に暮れるクモリをよそに、レインは〈星詠み〉と一緒になって噴水のタピオカミルクティーを飲んでいた。


「おいレイン。お前も考えろ」


「あー」


「お前まで獣に……いや元々獣か……」


「獣じゃない。真竜だ」


「なんだしゃべれるのか」


「当然だ。別に他の〈星詠み〉だって正気だとは思うぞ。ただクモリに返事するのが面倒なだけだろう」


「私の説く"主のために働く素晴らしさ"や"社会生活への復帰の必要性"の話はそんなにつまらないか?」


「うん」


「ぐぅ!だったら早く止めろよ!」


「ここはいいよな。〈セルデシア〉と違って働かなくていいし」


「お前までこの世界に居続けるつもりか!?」


「いや、我は〈セルデシア〉に戻りたいと思っているぞ」


「だろ?労働のーー」


「労働は一旦置いとこう。理由はそこじゃない」


「じゃあどこにあるんだ」


「タイヨウだ。我はタイヨウと一緒にいたい。あいつは〈セルデシア〉にしかいない。だから戻る」


「相変わらずタイヨウが好きだな」


「ファンだからな。クモマたちの"推し"は妖精郷にいるようだし、連れて帰るのは無理じゃないか?」


クモリは歌姫のライブに熱狂する彼らの姿を思い浮かべた。


「そうかもな。歌姫がいる限り、帰ろうと思わないだろう」


「諦めようぜ」


「レイン。それでいいのか?」


「仕方ないだろ。"推し"がこっちの世界にいるんだぞ」


「"推し"?無理やり推させてるだけだろ?あれは無垢な少年少女の希望を蝕む悪のアイドルだ。打倒すべき敵だ」


「倒すのか?」


「倒す。アイドルとしてな」


「ライブか!」


「そう。"推し変"させるのさ」


「でも音痴のクモリにそれができるほどの魅力は無いと思うぞ」


運痴(うんち)のレインに言われたくない」


「誰がうんちだ!?」


「事実だろ」


「音痴とうんちじゃ勝ち目がないぞ!タイヨウを呼ぶか?」


「真竜のくせしていつまで冒険者に頼るつもりだ」


「でも、タイヨウがいないとライブは開けないぞ」


「いや開ける。だから力を貸してくれ。レイン」


◆5◆


どうにか縄をほどき、イスから解放された歌姫は、腹ごしらえのために再び噴水へと向かった。

彼女は街道を歩きながら、クモリに拘束された時間を振り返った。

殺されなかったことへの安心感を噛みしめるとともに、人間に対する憎悪がふつふつと沸き出す。

こんな理不尽なことは無い。

私はただ人間に夢と希望を与えて、彼らの心の器から漏れ出た分を腹に入れただけではないか。

なぜ詰問されなければならないのか。

彼女はバームクーヘンの切り株を思い切り蹴り上げた。


「お腹ぺこぺこでイライラしマス!早く街に行くデス!」


バウムクーヘンも、チョコレートもクッキーもジュースも、〈夢魔(インプ)〉にとって興味を抱く対象ではなかった。

彼らの食料は人間の感情であり、お菓子を食べても腹がふくれることはない。

〈夢魔〉はわざわざ人間界に赴かなければ、食欲を満たせない種族であった。

この状況は、怠惰な彼らにとってはあまりに面倒くさかった。

だからこそ、わざわざ"お菓子の国"という大層な世界を作り上げたのである。

おかげでこの〈妖精郷〉には、多くの人間の魂が集まるようになった。

特に最近迷い込んだ〈星詠み〉は極上の飯ダネであった。

労働の抑圧から解放されたことで生まれる歓喜の情は、味・香りともに申し分ない。

こんな素晴らしい"食料源(ファン)"を手に入れたアタシは特別な存在なんだろうな、と歌姫は思った。

街に到着した直後、彼女は異変に気づいた。

噴水の方から音楽が聞こえる。

食事と手芸以外にはとことん無気力なこの世界の〈夢魔〉が音楽を奏でるとは思えない。

急ぎ音の方に向かうと、そこではライブが開かれていた。


「どういうことデスか!?」


すでに会場のボルテージは最高潮。

〈星詠み〉たちはそろって手を掲げ、後列の者などは自分の存在を示さんとしきりに飛び跳ねていた。

噴水の上には、踊るレインの姿が見えた。


「さっきのドラゴン……!なぜライブ!?あいつもアイドルだったんデスか!?」


レインは噴水の上をステージとして自在に跳ね回っていた。

水の抵抗をものともしない、キレのあるステップ。

あの鈍くさそうな小娘の動きとは到底思えなかった。

しかし目の前いるのは、歌姫よりもはるかにアクロバティックな動きをするドラゴンの少女。


「アタシのファンを奪うつもりデスか!?ナメるな!ダンスがいくらうまくても、歌声がダメならーー」


彼女は叫んだ。

しかしその言葉はすぐに遠吠えに変わる。

レインの歌声を聞いた歌姫は、全身が微動するのを感じた。

心臓は激しく拡張収縮を繰り返している。


(きれいな歌声……)


声に誘われ、歌姫は身体を傾けた。

そして彼女は、聴衆のひとりとなって群衆に飲み込まれていった。


◆6◆


「次は〈キョウの都〉でライブするからな!絶対に来てくれよ!」


「うぉおお!!」


「絶対行くぜぇ!」


レインの差し向けたマイクに、〈星詠み〉たちは精一杯の感情を注いだ。

そして彼らは光の泡となり、昇華した。

その様を満足気な表情で見届けたレインは、両手で印を結んだ。

ボワッと煙が立ち、晴れた先にはクモリが立っていた。

そして彼女は噴水の下、唖然として尻餅をつく歌姫を見下ろした。


「この勝負、我々の勝ちだな。歌姫」


「忍者!なんで忍者!?ドラゴンは!?」


「最初から私が踊ってたんだよ。〈変化の術〉でレインになりきってな。あいつがこんなにうまく踊れるはずないだろ」


この発言にカチンときたレインが噴水裏から姿を現した。


「歌は我が歌ったんだからな!感謝しろこの音痴!」


「あん!?運痴が何を言う!踊ってやったんだから感謝しろ!」


歌姫はここで始めて先ほどのライブが二人羽織りで行われていたことを理解した。

それ程までに歌と口の動き、踊りが完全に調和していた。

冷静に見れば違和感を感じたのかもしれない。

しかし会場の熱・振動・音はそれを許さなかった。

仕組みを理解し、幾分か冷静さを取り戻した歌姫は、かつてないほどの空腹にさいなまれていることに気づいた。

体内に蓄えた感情を、先ほどのライブであらかた発散してしまったのである。

腹を抱え、その場にうずくまる。


(動けない……このままだと……死……)


彼女は、噴水の中で取っ組み合いの喧嘩をしている小娘二人を見上げ、奥歯を強くかんだ。

やつらは私の〈食料源(ファン)〉を奪った。

しかも二人羽織りという邪道な方法で。

歌姫は、モンスターらしいうめき声を上げた。


◆7◆


クモリとレインは喧嘩に飽きると、お互い顔を見合わせた。


「クモリはやっぱりズルい」


レインが言った。


「ズルいのはレインの方だろ。歌うだけで他は私任せじゃないか」


クモリは噴水にたまったタピオカミルクティーをすくい顔を洗った。


「いやズルい!クモリは二回もステージの上に立って踊った!我はまだステージに立ててない!」


「それはお前が踊れるようになればいいだけの話だろ」


「それができれば苦労しないぞ……。我、アイドル向いてないのかなあ」


レインはいつになく落胆した表情を見せた。


「気に病むな。踊りさえうまくなればレインだって立派なアイドルになれるはずだ」


「そうか?」


「さっきのライブを思い出せ。あれが未来のレインの姿だ」


「そ、そうだな!」


レインはニッっと白い歯をのぞかせた。


「クモリもきっと立派なアイドルになれると思うぞ!」


「まあ、私は天才だからな」


そう返すと、二人は笑顔で笑い合った。

この時クモリの脳裏に"友情"というワードが一瞬浮かび上がったが、彼女は必死でそれを押さえつけた。

するとレインは突然


「よし!我はクモリと友だちになることを諦めた!」


と宣言した。


「はぁ?」


「これからは“ライバル“だ!一人前のアイドルめざして競争しようぜ!」


彼女は片手をグーにしてクモリに突き出した。

この発言にクモリはウッとした顔をしたが、すぐに観念し


「シノビに競争を挑むとは、いい度胸だ」


と言って拳を突き合わせた。

レインの目は太陽のように、赤々と光り輝いていた。

そして噴水の下では、二人から発された感情を食した歌姫が満足げに寝転んでいた。

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