第3話 "村人R" は 逃げ出した
レオンは不思議に思う。
「痛くない…?」
本当なら今頃、矢が脳天を貫いていて生きているはずはない。目の前は天国だろうか?
レオンは恐る恐る目を開ける。
体から飛び出た真っ赤な肉片が矢を掴んで止めていた。
「なんだよ、これ」
レオンが状況を理解する間もなく、大量の攻撃がレオンの家を襲う。
肉片は前方に大きく広がり、攻撃を全て受け止めながら、それを跳ね返したりしている。
「逃げなきゃ…」
レオンは残りの貯金とほんの少しの食糧を持って、家の窓から飛び出した。
「逃げたぞ追え!」
そんな声が遠くから聞こえる。
(ちくしょうなんだって俺がこんな目にあうんだよ…)
『疾風怒濤』
レオンは振り返らず、森の中へと姿を消した。
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「はぁ、はぁ」
どれくらいの時間が経ったのだろう…どれほどの距離を走ったのだろう。レオンは息を切らしながら、岩にもたれかかる。
⦅なかなかやるじゃねーか坊主⦆
そんな声と共に、体から肉片が生えてくる。見た目は昔絵本で見た、人喰いの化け物ような大きな口に腐った肉みたいなおどろおどろしい色をしている。
「お前…なんなんだよ…」
レオンは息を切らしながら問う。
「俺様は『腐食』のフレッシュ、俗に言う呪縛者ってやつだな。気軽にリ《《フレッシュ》》してくれや」
「お前が呪縛者?じゃあ俺を追ってる奴らは…」
「『円卓』って呼ばれてる奴らだな、聞いたことくらいあんだろ」
呪縛者達を裁く集団、『円卓』
彼らに狙われて逃げ切れる呪縛者は一握りしかいないという。
「終わった俺の人生…」
一度捕まったら最後、二度と自由にはならないだろう。冒険者になるなんて夢のまた夢だ。
「まぁ、そんな凹むなって」
「お前には分かんないだろうな!」
レオンは叫んだ。
「そもそもなんで俺の体の中にいる!」
「俺様の『腐食』は厄介でね、ほっとくとドンドン体が溶けちまう、だからこんな風に他人の身体の中にいねぇといけねぇんだわ」
「じゃあ俺以外の誰かのところに行けばいいじゃないか!」
「いや、それは無理だな。俺様は一度誰かの身体に入るとその身体が死ぬまで出れない。」
「そんな…」
レオンは真っ青になる。
「そんな落ち込むなって坊主、世界はこんなにも広いんだからよ」
フレッシュが肉片をレオンの手元に伸ばす。
「うるさい!」
レオンはフレッシュの肉片を弾く。
「俺はもう冒険者にはなれないんだよ!冒険者になって、強いモンスターと戦ったり、困っている人助けたり、美味い飯腹一杯食べたりとかもう出来ないんだよ!」
「なんだよ坊主、冒険者になりたいのか?物好きだなぁ」
「黙れよドロ肉!」
「ひどい言われようだなwまぁ事実だから仕方ねぇけど…………!」
フレッシュはレオンに話を持ちかける。
「おい、坊主!お前の夢叶えてやるよ」
「…え?」
「ただし、条件がある。俺の『呪縛』を解くのを手伝え。」
「おい、そんな勝手に話を…」
「さらに!俺様の『呪縛』をとけば、お前は俺とおさらば出来る!」
…!
レオンの顔色が変わる
「どうだ?お前にも損はない話だろ?」
「何をすればいいんだ?」
レオンの顔は真剣だった。
フレッシュの大きな口がニヤリとする。
「どうにかして、聖女に会って、解呪してもらう。」
「どうにかってどうすんだよ」
「何言ってんだそのための冒険者だろうが」
フレッシュが笑いながら言う。
「有名になりぁ、聖女側から会いにきてくれんだろ」
「そんなものか?」
「そんなもんだろ」
「まっ、これからよろしくな坊主」
フレッシュが再び肉片をレオンの手元に伸ばす。
レオンは今度はその手?を跳ね除けなかった。
「よろしくなクソ肉」
フレッシュ が 仲間? になった
「「そもそもここどこだ?」」
フレッシュとレオンの冒険が始まる…か?




