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第21話 調査の報告

 

 ガルムキングを倒した俺達はヴェルリア王国へと戻ってきていた。

 戻ってくる際に門番さん達が「お前さん達森から出てきたようだが大丈夫だったのか?」なんて言われた。

 どうやらガルムキングの遠吠え? でいいのかな? まぁ、それが聞こえていたらしく、警戒していたみたいだ。

「あと爆発みたいな音も聞こえてきたな」なんてことも言われたがめんどくさかったのでそれに関しては何を言っていない。

 門番さん達の質問責めが終わりなんとか国に入れた俺達は今日はもう宿で休むことにした。

 ギルドの報告は明日するとしよう。


 ………

 ……

 …


「は、はぁぁぁぁぁぁぁぁ?? ガルムキングを倒したぁぁぁぁぁぁぁ?? ガ、ガルムキング? どういうことですか? なんでこんな魔物が森にいるんですか?? てか、倒したって…お二人でですか??」


 大声でまくし立てるのはギルドの受付嬢だ。

 名前はなんだったかな…えーと…あ、そうだ! エレナリヤ・フィーナさんだ!


「いや、どういう事ですか? なんて言われても聞きたいのは俺の方ですし…まぁ、倒したのは二人でですけど」


「まぁ、私にかかればこんなのちょちょいのちょいよ!」


 いやいや、結構ギリギリだったろ?

 速さでは負けてたし。


「す、すいません…取り乱しました…一応カレンさんのカードも見せて貰っていいですか?」


「わかったわ」


 カレンは受付嬢にカードを渡すと、


「二匹めぇぇぇぇぇぇ?? え? 何どういう事? 森にキング級の魔物が二匹もいたの? 嘘でしょ? 一匹だけでも国が滅ぶとまで言われているのに? それが二匹? ははは、地獄すぎて笑えてきた」


 あ、なんか受付嬢が壊れかけてる…いや、壊れてるのか?


「大丈夫よ! この私が倒したから!」


「うん、二人でな?」


「すいません、ちょっとギルド長を呼んできます」


 そういうと受付嬢は裏に引っ込んでいったのだった…


 …え? 俺達放置?


 ………

 ……

 …


 二人取り残された俺達だが、どうしているかというと…


「お前さん達! ガルムキング倒したって本当か? すごいな!」


「まぁ、俺でも倒せるけどな?」


「いやー俺ももう少し若い時ならやれたんだがなぁ」


「いやいや! お前らじゃ無理だろ(笑)」


「なんだとぅ! お前らだって無理だろうが! あぁん?」


「あたりめぇだろうが! あぁん?」


 急に話しかけられたかと思ったら勝手に喧嘩し始めた…

 しかも威張るところじゃないだろ…


「この人達、大丈夫なのかしら?」


「カレンさんや、それは言わんでいい…」


(まったくじゃ、話しかけるのか喧嘩するのかどっちかにしたらどうなのじゃ…)


「いや、シアさんや…そこでもない…」


 てか、シアの場合、念話だから声に出す必要なかったじゃないか…恥ずかしい…

 それにしても受付嬢さん遅いな…

 あぁ、ほら本格的に喧嘩始まっちゃったし…


「おめぇ倒せねーなら偉そうにしてんじゃねーよ!」


「おめぇだって倒せねーのに倒せるなんていってんじゃねーよ!」


 あぁん? と言いながらお互いの胸ぐらを掴みいつ殴り合いになってもおかしくないその時…


「君達、もう少し静かにできないのかい? まったく野蛮な人達はこれだから困るんだ…僕ならそんな暇があるのなら女性と食事でも行きたいものだね」


 そんなキザな事を言っているのは白髪に全身白の鎧を着た男だ。


「レ、レオンさん…」


「す、すいません。レオンさん」


 いや、誰だよ。


「わかってくれて何よりだよ。それよりそこのお嬢さん。よかったらこれから僕と食事にでも行かないかい?」


 いや、だから誰だよ! しかもお嬢さんて誰に言ってんだよ!


 レオンと呼ばれている男はおもむろにこちらに向かってくるとカレンの前に傅きカレンの手を取りその甲にキスをしようとするが、


「すいません。この娘は俺の連れなのでそういうのはやめてもらえませんか?」


 悠真はカレンの手の甲に自分の手を乗せレオンのキスを防ぐ。


「なんだい君は? 僕の挨拶を邪魔するなんて無粋ではないかい?」


「最近ギルドで登録をした新人ですよ。それに無粋というならあなたの方ではないですか? 俺もいるのにそういうのはやめてください」


「はっはっは! 新人? 笑わせてくれるじゃないか! 新人如きがこの僕の邪魔をするなんて! まったく身の程を弁えたまえよ!」


 周りの冒険者達も「そうだそうだー! 新人如きがレオンさんの邪魔するなー!」なんてヤジを飛ばしてくる。


 いやいやお前らなんなんだよ! さっきまでお互いの胸ぐら掴んでやんのか? あぁん? みたいな感じだったろうが! 何急にレオンさんの邪魔するなー! だよ!


「新人は関係あるんですか? 俺は自分の連れに変なことされそうだったので止めただけですが?」


「それを邪魔というのだよ。それに新人ならベテランに従うのは当たり前だろう? わかったら黙ってそのお嬢さんを僕にくれないか?」


「意味がわからないしそもそも内容変わってるじゃないですか。カレンは俺の連れなのであげられません」


 本当に何を言ってるんだろうかこの人は…新人はベテランの言う事を聞いておけばいい? バカじゃないのか?


「…そうか。なら決闘をしようか。僕が勝ったらそのお嬢さんを僕に譲ってくれ。万が一にもないだろうけどもし僕が負けたら…そうだね、何でも一つ言う事を聞いてあげよう」


「はい? やらないですよ? カレンは物ではないので。そもそも受ける必要性がないですし」


「はぁ…これだから新人は…負けるのが怖いからってすぐに逃げる。そうやって今までもやり過ごしてきたのかい?」


 わかりやすい挑発だな。こんなのに引っかかるやついるのか…


「わかったわ!」


 …よ。


「っておい! なんでカレンが受けるんだよ!」


「だって悔しいじゃない! こんなやつにバカにされるの! 私は悠真がバカにされるのは嫌!」


「いや闘うの俺だからな?」


「…………あ」


 おぃぃぃぃぃぃぃ! ちゃんと話し聞いてなかったな? 何が「…あ」だよ! 決闘しなくちゃいけなくなるだろうが!


「いやちょっと待て!」


「何だい? 女の子に決闘を決めさせただけじゃなく、さらにはそれを拒否しようと言うのかい? 君は恥ずかしくないのかい?」


(ふふ、言われておるのぅ主人様よ)


 そんなに言われたら拒否できなくなるじゃないか…いや、拒否すればいいんだろうけど…

 そしてヤジがうるさい!!

 何が「恥ずかしくないのかー!」 だの「逃げるなー!」だよ!

 まぁ、周りの冒険者の実力を見てみたいというのはあるんだけど…

 はぁ…やるしかないか…


「わかりました。その決闘、受けてたちます」


 うおぉぉぉぉぉぉ!!


 何故周りが湧くんだか…

 そして俺は受けると言った瞬間、レオンと言う名の男がニヤリと笑う所を見逃さなかった…


「…これは何の騒ぎだ?」


「さぁ? 何でしょう?」


 場が盛り上がる中、扉を開けギルド内に出てきたギルド長と受付嬢がもっともな事を言っていたのだった…

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