真相
惟光さんが紅茶を飲み干したタイミングを見計らい、私は切り出した。
「惟光さん、申し訳ありませんが、お屋敷まで送っていただけますか?」
「お母様、ありがとうございました。この手紙を……」
「どうぞ、持っていらしても構いませんよ」
「ありがとうございます!」
深々とお礼を述べると、私たちはそのままお屋敷へと向かった。
帰路につく車内。窓の外を眺めながら、秀青さんや透青様と交わした過去の言葉が、いくつも脳裏をよぎっていた。
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『私を秀青だと思って接してくれて構わない。名前だって『透』からしんにょうを抜けば『秀』になる。一卵性双生児でDNAも同一なんだから、物理的には100%秀青だ』
『(透青と秀青は)入れ替わってなどいない』
『いずれ然るべき形に収まる。私を信じ、何が起きても動揺しないでほしい』
『もし予言通りになったとしても、別に最悪な事態になるわけじゃないんだ』
『ハザマのことは、どう思ってる?』
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屋敷に到着し、すでに帰宅していた透青様の部屋へと案内される。
用事を済ませたばかりの透青様は、すっかり疲れた様子で布団に横たわっていた。
「初音〜、こっちで一緒に寝よう」
催促されるまま、私は彼の隣にそっと腰を下ろした。
伸ばされた彼の手が私の手を包み込む。
彼は手のひらを指先でやさしくなぞり、指を絡め、緊張をほぐすように揉みほぐしてくる。
「ねぇ、初音。俺のこと、どう思ってる?」
「大好き」
口にしながら、胸の奥で静かに理解していた。
――もともと、「透青様」という存在はどこにもいなかったのだ。
身体だけがそこにあり、空っぽの器の中に入っていたのは、ずっと秀青さんだったのだから。




