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抗い難い霊体験
毎日、彼を失った空虚感に苛まれながらも、目に見えない優しい手に触れられることで、心は少しずつ前を向いていた。
そんなある夜のこと。
体に不調などないはずなのに、またあの「手」のような気配が現れる。
手、と呼ぶべきかどうかも分からない。しなやかな触手なのか。
それは私の頭皮を優しく解きほぐすと、静かに、しかし迷いなく下へ下へと降りていった。
そのまま滑り込むようにして、もっとも過敏な領域へと滑り込んでいく。
気だるく甘い快感が、体の奥へと直接入り込んでくる感覚。
——え、痴漢?
こんな触り方をするのは、絶対にご先祖様や守護霊であるはずがない。
頭では戸惑いながらも、身体を内側から揺さぶる快い痺れに抗えず、私はそのまま意識を委ねてしまった。
気がついたときには、朝の光が部屋を照らしていた。
男性を思わせるその見えない異形は、それから度々現れるようになった。
私に抗い難い甘い余韻を残しては、いつの間にか消えていく。
特に害はない。強いて言えば、翌朝に下着を手洗いしなければならない手間が増えるくらい。だから、そのままにしておいた。
なぜ拒まないのか?
私自身が寂しさに押し潰されそうだったから。
流されるまま身を委ねていた理由は私自身が一番よく分かっていた




