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50話 ズルはお手の物

 開始のホイッスルが鳴り試合が始まった。


「えいっ!」


 へぇ、あれがサーブか、なるほどね

 ボールは相手のコートの方へ飛んで行った。


「よっと」


 そのボールをアキレウスはレシーブしボールを上げた打ち上げられ落ちてくるボールをルーンはアキレウスがアタックをし易いようにトスをした。


「まず一点!」

「ミズキ!」

「任せて」


 アキレウスの自慢のパワーにより強烈な打球が放たれた


「くっ…..エナ、お願い」


 ナイス!ミズキ、えっと、これをトスしたら良いんだよね。あれ?これ、ミズキがアタックするより私がそのままトスしたボールを放った方がいいかも

 エナがボールをトスした次の瞬間


       ダンッ!


「やったねミズキ、これで一点」


 あれ?何でみんな黙ってるんだろ….流石にミズキは喜んでもいいと思うんだけど….


「な、な、何やってるのよエナ!」

「え?」

「エナがルール違反をしたため、アキレウス、ルーンチームに一点」

「何で?」

「エナ….同じ人が2回連続でボールに触れるのはダメなの」

「えっ?そうなの?先に言ってよそれは」

「それはごめんなさい」

「まあ、大体わかったから次一点返すよ」

「そうしてちょうだい」

「はい、試合再開!」



「オラッ」


 アキレウスの力強いサーブがこちらに襲ってきた


「ミズキ、私が捌く」


 そう言って私はボールをレシーブした。


 ミズキのトスは私のアタックのし易い位置に上がった


(バレなきゃ問題無いもんね。《時の支配者(タイムルーラー)》 《永劫の時間(エターナルタイム)》)


 次の瞬間、エナ以外の全ての時間が静止した


「取り敢えず10発くらい入れて…..最後にアタックのフォームをとって….時は動き出す」


        ザッ


 ボールはコートの内側の砂に落ちた


「「「「えっ?….」」」」


「何が….起こったの?」

「ボールが見えなかった」

「ルーン、見えたか?」

「いえ、私も何が起こったのか….」


「ミズキ、これでさっきのはチャラだよね」

「あんた、よくこの空気で正常でいられるわね。まあ、一点は取り返したし。いっか」


 その後、私達はお互いにラリーと言う攻防、点の取り合いになった


(これでマッチポイント、後一点取れば勝ち、なら最後も少しだけズルをさせてもらおうかな)


 私がそう考えているうちに相手のアタックでボールがこちらに飛んできた

 それを私はレシーブしミズキが私にトスをした


(よし、これでアタックする瞬間に…《時の支配者(タイムルーラー)》 《時の跳躍(ツァイトシュプルング)》)


 その時、エナは消し飛んだ時間の中にいた。

 この時間はエナ以外は認識できず、エナ以外の生物はこの瞬間自分が何をしたのかすら分からず結果だけが残る


「なるほどね、このまま私がアタックすればレシーブされて反撃を喰らうことになる。でも私がこの魔法を使ってこの消し飛ばした時間の中で先にアタックをすればボールは2人が追いつく前に地面に着く」


 次の瞬間、時間は元通りになっていた


「はっ!?ルーン!」

「わかってるよ!でも、間に合わない….」

 

        ザッ!


「やったーーー!エナ勝ったわ!私達」


 ミズキが勢いよく私に抱きついてきた。


(まぁ、勝つ未来が確定していたから当然っちゃ当然なんだけどね。これは言わない方が良いや、ズルもバレたく無いし)


「いや〜凄い勝負だったね。でも最後少しだけボールがおかしかったような気もするけど」


 セラ先輩は相変わらず勘が鋭い。私の正体も勝手にたどり着きそうだし


「いやー負けた負けた。でも楽しかったぜ」

「悔しいけどありがとうね….もっとアキレウスがしっかりしてればなー」

「お前も人の事言えないだろ」


 相変わらずこの2人は….


「結構時間経ったわね」


 確かに….そろそろ帰る時間かな


(ん?)


「ミズキ、私少し向こうに行ってくる」

「何かあったの?」

「ちょっとだけ」

「気をつけてよ」


 その言葉を背中に受けながら私は気配のあった方に向かった。

 私がその場に着いた時、見覚えのある姿が見えてきた


「あれ?バレてしまったかな?」

「貴女程の魔力を見過ごす程衰えてないんですから、と言うよりも今の魔法使い達はこれができていない。教育が甘いんじゃ無いですか?はぁ、そんなことより何故貴女がここに?ルシラー校長」

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